なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学(和田秀樹著)は、明るい性格が人生にプラスの影響をもたらすことを科学的に解説しています。明るい笑顔は心や体を元気にしてくれ、人には支持されやすいといい、そのための新たな考え方や見方を教示してくれます。
本書は、明るい性格が、人生においてどのようにプラスの影響をもたらすかを科学的な観点から解説しています。
著者の和田秀樹さんについては、以前、『「異情」な人々』(フォレスト出版)をご紹介したことがあります。
『「異情」な人々』は、職場や家族に潜む、感情コントロール不能な状態を「異情」と表現。それは「特別な人」がなるものではなく、売り言葉に買い言葉で、論点を逸脱して争ったり、攻撃的になったり、それがエスカレートすると暴力になったりする、一時的な「理性の喪失」状態であり、誰にでもありえる弱さという解説がされています。
本書『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』では、表情が明るくなれば、暗く沈みがちな心も変わり⇒周囲の人達の受け取り方も変わるから⇒物事が今よりもいい方向に行くことは間違いない、といいます。
明るさが、人間関係や仕事、さらには自己実現に至るまで、多方面にわたって良い効果をもたらす。では具体的にどうすれば「明るい性格」になれるかを探求しています。
そんなに簡単に変われるのでしょうか。
同じ出来事に遭遇しても、平然とする人もいれば、不安に襲われる人もいます。
本書は、読者が自分自身の考え方や行動を見直し、より明るく前向きな人生を送るための実用的なアドバイスを提供することを目的としています。
不安やストレスを科学的に理解し改善する
読書週間三日目??
私が今日薦める本は『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』別の見方をして他の可能性を考えたり、笑顔の大切さが書かれている?
ちなみにこの表紙の女性……私似てる??姉曰く若い頃の私にそっくりだって??笑顔になれないそんな日もあるけれど、なるべく笑顔を心がけたいね?? pic.twitter.com/UVfgkwe41n
— happy (@happy_7717) October 29, 2022
本書のAmazon販売ページには、かなり詳細な内容紹介がされているので、実はそこを見ていただけるとおおよそのことがわかるのですが、私から見たポイントを目次から抜粋してご紹介します。
1.明るい人はなぜ人生がうまくいくのか……明るい人は支持されやすく、ポジティブな印象を与えるため、社会的な成功につながりやすいとされています。
2.「不安」にならない仕組みをつくる……不安やストレスを科学的に理解し、それらを減らす方法を提案しています。
たとえば、先回りして不安を作り、暗くならないこと。
打数が増えれば、ヒットの可能性が高くなるように、トライアンドエラーはおそれることではなく、成功に近づく楽しみなこと、と発想を転換する。
チャレンジが怖いなら、あらかじめ最悪のことを想定しておけば、「最悪でもこの程度で済む」と安心できるはず、といったことが書かれています。
3.うまくいっている人の考え方21のコツ……成功している人々が共有する考え方や行動パターンを紹介し、それを読者が取り入れることができるようにしています。
4.ポジティブな感情を引き出す6つの方法……日常生活でポジティブな感情を育むための具体的な方法を提供しています。
5.「意欲」さえあればすべてうまくいく…… 意欲を持つことの重要性と、それをいかに維持するかについて説明しています。
口癖を変える
本書に書かれている、「考え方や行動を見直」すひとつとして、口癖を変えることが書かれています。
たとえば、「どうせ……」を「とりあえず……」に変える。
「どうせ起業しても失敗する」
「どうせモテない」
自己愛の強い人ほど、傷つきたくなくてそうなってしまう傾向がありますが、でもそれは結局、自分の可能性を信じない自己否定でしかありません。
自己愛者は、実は自己否定者。
至言ですね。
そんなふうに決めつけずに、ものは試しでチャレンジと考えてみる。
とにかくヤッてみる。
人生、ヤルかやらないかです。
「まあ、いいか」
自分の失敗も、相手の失敗も許せるメンタルに優しい言葉といいます。
無用な感情のトラブルを、最小限に抑えられるといいます。
まあ、ことと次第によりますけどね。
裁判で、損害賠償を請求しなければならないようなことだったら、それでは済まないですからね。
「それもそうだね」
そういう考え方もあるね、という意味なので、自分の意見を押し付けることなく、また相手の意見を肯定も否定もするものではない、対人関係に便利なフレーズ。
ただし、普段、シロクロをきちっと付ける私のような者が、突然このフレーズを使うと、「あ、言及を避けているな」「ココロの中ではバカにしているな」などと思われて逆効果の可能性もあるので、上手に使うことだと経験上思います。
営業トークでは、イエスバット(yes but)法といって、「確かにそのとおりです」とまず相手を受け入れた上で、「ただ、こういう考えもございます」と、自分の提案をするやり方があります。
いずれにしても、頭から反論を述べるのではなく、相手を肯定する、ということに意義があります。
このように、具体的な実践方法まで示されているので、実用的な本だと思います。
平易に書かれてためになる
私が興味深いと思ったのは、「先回り」です。
身に覚えがあります。
私は小心なので、相手とやりとりするときは、相手の言い分を想定して、さらに先まで述べておかないと、不安になってしまうのです。
つまり、「たぶん、先方はこう返すだろうから、そうなったら、このことも言っておこう。もしかしたら、こう言ってくるかもしれないから、それにはこう釘を刺そう」みたいな。
そうやって、先回りして、思い当たることをあれもこれも全部言い募ってしまうのです。
キャッチボールというのは、自分が投げたら、今度は相手が投げ返すのを待つものであって、「右に投げられたときの返球」「左に投げられたときの返球」まで全部を投げていたら、相手を追い込みコミュニケーションが壊れてしまいますよね。
平易に書かれているので、ためになる書籍だと思います。
以上、なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学(和田秀樹著)は、明るい性格が人生にプラスの影響をもたらすことを科学的に解説、でした。