『はじめてのLinuxパーフェクトガイド』(リンクアップ/河本亮/ラケータ著、standards)は初心者、入門者を対象にしたLinux解説書です。古いOSしか入っておらず放って置かれているパソコンも、Linuxをインストールすることでさらに使い続けることができます。
Linuxとはなんだ
『はじめてのLinuxパーフェクトガイド』は、Kindle版のLinux入門書です。
リンクアップ/河本亮/ラケータ共著により、standardsから上梓されています。
そもそも、Linuxとは何でしょうか。
LinuxはOSです。
OSとは「Operating System(オペレーティングシステム)」の略です。
Operatingとは、「運転する~」「操作する~」という意味の形容詞ですから、すなわちOSとは、パソコンを使うときに土台となる基本ソフトです。
マシンに、いろいろな機能をもたせたり、アプリを動かしたりするのに必要です。
多くのユーザーが使っているOSは、WindowsやMacOSでしょう。
それらと同じ役割をもっています。
「OSなら、Windowsのまんまでいいんじゃないの?」
と、思われますか。
もちろん、現在のマシンがサクサク動いているなら、そのままお使いください。
ただ、その状態は未来永劫続くわけではないでしょう。
たとえば、あなたがパソコン初心者でなければ、過去に古くなったマシンを買い替えた経験があるはずです。
「古くなった」と書きましたが、老朽化して動かなくなったわけではなく、たんに対応(サポート)するOSがなくなったから、現役マシンとして使えなくなったものはありませんでしたか。
たとえば、Windows7という人気OSは、2020年1月14日でサポートを終了しました。
引き続きWindowsを使うには、Windows10をインストールすることになりますが、そのマシンのスペックが、新しいWindowsのバージョンに対応できないものなら、マシンそのものを買い換えなければなりません。
ユーザー自身が、買い替えたいかどうかではなく、リプレイスの裁量はMicrosoft側に握られているわけです。
一方、Linuxは、無償で使え、進化が公開されているプログラム(オープンソース)です。
しかも、Linuxは基本的にインストールするPCを選びません。
WindowsPCでもMacでもインストールできるのです。
そして、ディストリビューションといって、利用目的やマシンのスペックに沿ったあらゆるアプリケーションソフトウェアを集めたパッケージが、たくさん公開されています。
Linuxは、ディストリビューションの数だけ種類があるのです。
その中から、自分のマシンスペックや、目的にあったディストリビューションを選べばよいのです。
ですから、壊れたわけでもないのに、WindowsやMacOSの都合で引退させられたマシンを、再び、もしくは引き続き現役で使うことができるのです。
また、Linuxは比較的シンプルなプログラムで、USBメモリにインストールして、そこから立ち上げることもできます。
つまり、マシンにWindowsやMacOSを残したまま、Linuxも使えるというわけです。
さらに、オープンソースですから、誰でも加工できるし、その加工物は無償で公開され、誰でも使うことができます。
Linuxの利点をまとめると、以下のとおりです。
- 基本的に無償で使えます。 Linuxは基本的に無償で使えます。
- 古いPCを再利用出来ます。
- ウィルス、スパイウェアに強いです。
- 自動でPCの構成を認識してくれます。
- 最初から豊富なソフトが使えます。
- HDDへインストールしなくても使えます。
- PCシステムの勉強になります。
- カスタマイズの面白さを堪能出来ます。
もっとも、WindowsやMacOSは、パソコン初心者・入門者にとっては比較的使いやすく、Linuxは敷居が高いかもしれません。
その立場から見た「欠点・弱点」は次のとおりです。
- Windowsではありません。
- マイクロソフトのOfficeは使えません。
- サポートされません。
- 操作方法が独特です。
- 使われる用語が独特です。
- ユーザーが少ないです。
- 種類が多すぎです。
- 英語圏文化なので日本語環境が弱いです。
- インストールしなければなりません。(WindowsやMacOSはプリインストールされています)
Linuxは、使いながら勉強、だけど自由度も高い、ということだと思います。
本書『はじめてのLinuxパーフェクトガイド』は、Linuxのディストリビューションごとに解説がなされています。
Ubuntu、Lubuntu、Puppy Linuxなどを解説
Linuxディストリビューションの数は、500種類以上あるといわれています。
それらは、大きく分けて3種類に分類できます。
- Debian系
- RedHat系
- Slackware系
完全にボランティアの技術者の手によって開発・運営が行われているエー分ソースのOS
企業利用に特化した有償のRed Hat Enterprise Linux(RHEL)
最古のディストリビューションSlackwareをベースとしたもの
一般のユーザーが、もっとも関わりが深いのは、「1」のDebian系です。
本書では、Ubuntu、LubuntuというDebian系ディストリビューション、Puppy LinuxというSlackware系について詳しく解説しています。
説明は、Terminalというコマンド操作ではなく、GUIという、WindowsやMacOSのようなデスクトップでの操作を前提に行われているので、初心者にはハードルが低くて入りやすいと思います。
上記の3ディストリビューション以外には、Q4OS、Xubuntu、Forora、LinuxMintなども紹介されています。
私個人の経験では、Xubuntuが使いやすかったですね。
名前がUbuntuに似ていますが、Ubuntuフレーバーといわれ、Ubuntuから派生したディストリビューションです。
本書は、100ページにも満たないページ数ですので、これからLinuxをいじってみたい、というユーザーなら、それほどの時間を取らずに予備知識を得られると思います。
なお、Ubuntuにについては、Windowsの中で動かして、アプリをWindowsとシームレスに使うという試みも可能です。
WindowsとMacOSでは、それぞれ特徴があり文化があります。
Linuxは、さらにそれらのOSとも違う独特の文化によって発展しています。
パソコンユーザーなら、ぜひ1度、Linuxにもチャレンジしていただきたいですね。
いかがでしたでしょうか。
以上、『はじめてのLinuxパーフェクトガイド』(リンクアップ/河本亮/ラケータ著、standards)は初心者、入門者を対象にしたLinux解説書、でした。
はじめてのLinux パーフェクトガイド(Ubuntu/Lubuntu/Puppy Linuxを詳解!) – リンクアップ, 河本 亮, ラケータ, standards