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ひき逃げ夫婦の哀れな末路(水城瞳著、ユサブル)は、夫婦の関係が壊れてしまった理由のひき逃げをめぐるミステリー漫画です。

ひき逃げ夫婦の哀れな末路(水城瞳著、ユサブル)は、夫婦の関係が壊れてしまった理由のひき逃げをめぐるミステリー漫画です。

ひき逃げ夫婦の哀れな末路(水城瞳著、ユサブル)は、夫婦の関係が壊れてしまった理由のひき逃げをめぐるミステリー漫画です。ストーリーのどんでん返しは「毒親」がキーワードです。果たして「ひき逃げ」の真相はいったい何だったのか……

『ひき逃げ夫婦の哀れな末路』は、水城瞳さんがユサブルから上梓しています。

『ご近所騒がせな女たちVol.5』というサブタイトルで、スキャンダラス・レディース・シリーズというシリーズ名がついています。

この記事は、Kindle版をもとにご紹介いたします。

若夫婦は、道に飛び出してきた人をはねてしまいます。

事故は接触事故でしたが、きちんとした対応を取らない「ひき逃げ」をしてしまいました。

以来、関係がギクシャクする夫婦。

「ひき逃げ」はハプニングでしたが、実はそれは思わぬ人による仕掛けでした。

ヒントは「毒親」です。

本書は2023年3月18日現在、KindleUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

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なぜか事故の直後から姿をあらわした母親

若夫婦は、居酒屋でアルコールをいただきながら、代行サービスの金を惜しんで自分で運転。

帰り道にフラッと人が出てきて、はねてしまいました。

そして、はねられた相手を放置してそのまま走り去るという、典型的な「ひき逃げ」です。

逃げた理由は、もちろん飲酒運転だから。

その後の措置をきちんとしたら、接触事故でまず逮捕はされません。

しかし、飲酒運転となると話は別でしょう。

相手は、足の骨を負っただけ、と娘のママ友は話しています。

なんと、はねたのは、娘の保育園の同じクラスの子の兄だったのです。

しかも、その家は母子家庭で、その兄が働き手だったと聞き、妻は申し訳ない気持ちになります。

世間は狭いですね。

しかし、もちろんそこで、自分の夫がはねた、しかも飲酒運転で、なんて言うことはできません。

黙っているということは、後ろめたい、苦しい。

その気持は、夫婦喧嘩に繋がります。

夫は、自分から名乗り出る意思は全くありません。

これは、やはりだめですよね。

夜で目撃者はいなかったと言っても、迷宮入りにはなりませんよ。

いつかはわかります。

そういうことがあると、妻は夫に幻滅し、2人の間には溝が生じます。

そこででてきたのが、妻の母親です。

妻の母親は、妻が自首するのを止めます。

妻の実家は裕福でしたが、母親は絵に描いたような毒親。

小学校から、お嬢様学校に入れ、娯楽雑誌もいちいちチェック。

娘には婿養子を摂るつもりで、もう子は自分の持ち物という感覚です。

妻はそんな母親が嫌になり、大学時代に知り合った夫と結婚。

親子の縁を切るような別れ方で実家を飛び出し、もう2度と帰らないつもりでしたが、母親はずっと監視していたんだすね。

妻としては、自分が自首して勾留や収監されたら、娘の面倒を見るのは自分の母親しかいなかった。

結局、妻は自首し、夫は逮捕されます。

「俺を売ったな」と怒った夫は、離婚を迫り、夫婦の関係は壊れてしまいました。

妻は、母親のすすめでアメリカへ留学することになりましたが、実はこの後、とんでもないどんでん返しが……。

まあ、だいたい想像がつくと思いますが、ネタバレはやめておきますね。

要するにひどい母親です。

「良かれと思って」子にアドバイスしてはいけない

まあ、ひき逃げが行けないのはいうまでもないことですが、もちろん本作のねらいはそこではありません。

キーワードは「毒親」です。

我が国では、最近になってやっとネットなどでも当たり前のように使われるようになりましたが、まだ「毒親」という概念自体に抵抗のある人もいるようです。

「親孝行」なんてことを道徳のようにしている日本の悪いところです。

「親孝行」というのは、仏教が日本に来るときに、中国が儒教というフィルターを通して日本に伝え、日本も家制度を守る都合で、さも親孝行が仏教の精神であるかのようなデタラメを喧伝したのです。

何十回も書いていますが、お釈迦様は、親孝行しろなんい一言も言ってませんからね。

原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話(アルボムッレ・スマナサーラ著)は、お釈迦さまの言葉に最も近い経典の日本語訳と解説
原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話(アルボムッレ・スマナサーラ著)は、お釈迦さまの言葉に最も近い経典の日本語訳と解説です。訳者のアルボムッレ・スマナサーラ長老は、日本の大学に留学しながら「お釈迦様の仏教」を啓蒙しています。

そして、『気づけない毒親』(高橋リエ、毎日新聞出版)のご紹介のところで触れましたが、毒親がなぜ毒親なのかをわかりやすく見せてくれる番組もありました。

『気づけない毒親』(高橋リエ、毎日新聞出版)は子を圧迫する毒親の6つの傾向をまとめ支配されている人生の克服を希う
『気づけない毒親』(高橋リエ、毎日新聞出版)は、昭和世代で戦後後遺症とも言うべき「ねばならない」という強迫観念から子を圧迫する、毒親の傾向と対策についてまとめています。「自分の親に限って」とは考えず、自分のこととして考えてみませんか。

2019年4月18日(木)に放送された、『クローズアップ現代+』の、『毒親って!? 親子関係どうすれば・・・』という放送で、キャスターの武田真一さんが、こう自己弁護して涙を流しました。

「あのー、私は、毒親という言葉にものすごく抵抗があって、それを耳にするたびにですね、1人の親として本当にズタズタに切り裂かれるような痛みを感じるんですね」

単純な視聴者は、涙さえ流せば筋が通るとばかりに感動のツイートをしていましたが、トンデモないことです。

武田真一キャスターによると、親は子供を思って一生懸命育てており、子供に期待するのは当然ではないかというのです。

それに対して、コメンテーターの岡田尊司医師はこうたしなめました。

「ただ、やはり人間、親子といえども、それぞれ違う特性を持った存在です。だから、親にとって、これが一番いい正解だと思うことをこうしなさいって言うことは、子供にとっては、全然的外れな答えを押し付けることになっているかも分からないですね」

Web掲示板でも、このようなもっともな感想が書き込まれました。

>そうそう、こんな風に外面はいいんだよね/他所に良い親だと思わせる態度が上手い
>毒親って公の場で(毒)親子関係の話題になった時とりあえずまずは泣くよね/自分が!傷付いてます!てかんじで/文字だけでイラッとした
>実際の毒親育ちからするとすごく迷惑な番組だった
>テレビで一方的に親に泣かれる子供の気持ちも想像してみたらいいのに/想像力の欠如が色々な問題を生むんだよ
>泣きたいのは毒親に当たった子供の方だよ
>アナウンサーが泣いたのにもどん引きだったよ
>こうやってイイ親パフォされると反抗しづらくなってガキの方はより精神的に追い込まれるよね。

私はこのすべてに「そのとおり」と思います。

毒親のタイプは様々な角度から分類できますが、親子関係のあらわれ方で言うと、

と、大きく分けて2つのパターンがあります。

親子の逆転現象というのは、文字通り、親が子供のように我が子に依存する姿です。

金銭面もありますし、精神面もあります。

その結果、子は親離れができず、いつまでも親の面倒を見なければなりません。

「親離れができず」と書きましたが、これはもっぱら、親の責任です。

子が親離れできないのではなく、親が親離れさせないということです。

後者の「支配的親子関係」は、まさに親が自分の所有物か奴隷のような感覚で「人生の強制的なアドバイス」を押し付けるものです。

進学や就職で、親の希望通りに子を従わせます。

これはしばしば、「親は子の為を思ってアドバイスを……」という人がいるのですが、思っちゃいけないんですよ。

親がアドバイスしないことで、子がしくじりをやらかし、後悔したとしても……。

だって、しくじったり後悔したりするのも、人生のウチですから。

子は、自分の人生において、後悔したり失敗したりする権利があるんですよ。

親は、それを邪魔してはいけないんですよ。

考えても見てください。

かりに、子にとって以降の人生が狂ってしまうような失敗だったとしても、それも含めての人生ですから、歳を取ってから振り返ったときに、残念がったり反省したりできます。

でも、親に邪魔されて、自分の人生を自分の意志で進めなかったらどうですか。

かりに、親の干渉が「正しい」もので、子に失敗がなかったとして、子どもは嬉しいと思いますか。

子が歳を取ってから、「あー、あのときは若気の至りで失敗しちゃったよー」と語れる経験の機会を奪ってしまうんですよ。

何も語るべきことがない、平板な人生にしてしまうんですよ。

失敗するよりも、自分の意志が何もない人生のほうが、比べ物にならないほどミジメです。

孫の催促なんて最悪ですよね。

あんたらの子どもじゃないだろうってなもんでね。

結婚したら、親子でも戸籍は分かれるのです。

もう、別の家の人なんですよ。

戦後の民法の家族制度というのは、そういうことです。

毒親、バカ親、これは人として一番恥ずかしいことなんですよ。

そう、思いませんか。

以上、ひき逃げ夫婦の哀れな末路(桐野さおり著、ユサブル)は、夫婦の関係が壊れてしまった理由のひき逃げをめぐるミステリー漫画です、でした。


ひき逃げ夫婦の哀れな末路/ご近所騒がせな女たちVol.5 (スキャンダラス・レディース・シリーズ) – 水城 瞳

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