オートファジーで細胞からととのう3days断食(鶴見隆史著、評言社)は、3日間断食によりカラダの不調の9割は解決!と標榜する書籍です。高血圧・糖尿・メニエール・冷え性・アレルギー・五十肩・初期の癌などに悩む方にお勧めする体調管理の極意です。
断食については、昨今多くの医師が推奨するようになりました。
その背景には、オートファジーの発見があります。
本書も、オートファジーを前提に断食の効用を説いています。
本書独自の断食法は、3日間断食です。
オートファジーを働かせるには3日の断食が理想
『オートファジーで細胞からととのう3days断食』は、医師の鶴見隆史さんが、評言社から上梓しています。
カラダの不調の9割は解決!と標榜するのが断食です。
水だけ断食を3~4日行うことで、次のことが起こるといいます。
- オートファジーが働き、細胞の蘇生を促進する
- NK細胞などが活性化し免疫がしっかり機能する
- 生活習慣病をはじめ多くの病気や症状が治る
- 病気にならなくなり、寿命が延びる(サーチュイン遺伝子のスイッチが入る)
オートファジーの解明で、2016年秋にノーベル生理学・医学賞を受賞したのは、日本人の大隅良典東京工業大学栄誉教授です。
オートファジーとは、私たちの細胞の中で起こっている「自食作用」です。
細胞が自らを分解して、古い細胞や傷んだ細胞などの「老廃物」を新しい細胞の生まれ変わりに利用する仕組みです。
今や年間3000本以上の研究論文が発表される生物学のテーマがあります。
それは、栄養を摂取しない状態で生じるもので、休食時間が12時間ほどではじまり、16時間でほぼ全身でオートファジーが行われるというものです。
このことは、断食を推奨してきたグループ(たとえばナチュラル・ハイジーン)に大きな勇気を与えたそうですが、16時間ではたいした修復はしないからできれぱ72時間の断食が理想的だといっているそうです。
本書では、断食を行っている有名人を紹介しています。
日本人で枚挙されているのは、片岡鶴太郎、小籔千豊、紀里谷和明、加藤綾子、市川海老蔵、GACKTなどです。
榎木孝明さんが、30日間の水だけ断食を行ったことも触れています。
本書によると、著者が最初に「断食」に目覚めたのは1981年。
レストランのオーナーシェフから、2ヶ月の徹底した断食で肝臓がんを治した話を聞いたそうです。
「それからというもの、私は根本から病気を治したい患者さんには、断食を指導するようにしています。」
1986年には、急性骨髄性白血病の患者が、抗がん剤のひどい副作用から著者のクリニックに来院。
過酷な断食を指示したところ、その患者は寛解したといいます。
3日間断食で「軽い病気はだいたい治る」
本書によると、断食を最低3日間行うと、軽い病気はだいたい治るそうです。
「軽い病気なら3日間、中程度の病気なら9日間、重い病気なら1ヶ月」
「ちょっとした病気」や「ちょっとした症状」は次のものが挙げられています。
- 肩こり、腰痛、背痛、寝ちがえ
- 風邪
- 急性気管支炎、咽頭炎、喉頭炎、咳、鼻水、痰
- 急性大腸炎(下痢、腹痛) ・急性胃炎(腹痛、胃痛、嘔吐、吐き気、胸痛、口臭、しゃっくり、ゲップ、悪心)
- 逆流性食道炎
- 急性結膜炎
- ニキビ(吹出物)、皮膚の化膿
- 虫歯、歯周病
- 急性外耳炎
- 急性湿疹、じんま疹
- 内痔核、外痔核
- 鼻血
- 膀胱炎
- 急性膝痛
- 糖尿(初期)
- 急性腎盂炎
- 頭痛(片頭痛、緊張性頭痛ほか)
- 尿閉(軽い場合)
- めまい(メニエール病)
- 高血圧症、動脈硬化、脂質異常症
- リウマチほか膠原病
- 生理不順、生理痛
- 花粉症
- アトピー性皮膚炎
- 気管支喘息 狭心症ほか心臓病
「心臓病」が、「ちょっとした病気」や「ちょっとした症状」とは思えませんが、6日間必要なものもあるが、まずは3日間断食をすることで、体は「おそろしく軽くなる」といいます。
断食をすることで、ケトン体エネルギー回路になり、ブドウ糖を栄養源とする解糖系の19倍ものエネルギーであるといいます。
だから、断食しても、エネルギーが枯渇することはないといいます。
ケトン体については、すでにこれらの関連書籍をご紹介しています。
断食するということは、体に食べ物が入らないことですから、排便がなくなるのではないでしょうか。
ところが、そうではないらしいのです。
4日以上断食すると腸はからになりますが、5日以上行うと、大量に便が出るそうです。
食べ物のかすではなく、細胞の破壊物が便となって出てくるのだそうです。
10日もたつと、びっくりするほど大量の便が出るといいます。
では、オートファジーでがんは治るのでしょうか。
本書には、「次のレベルであれば治っていく可能性が高くなります」と書かれています。
初期のがんであること
転移していても、転移が比較的小さいこと
悪性の度合いが低いまたは中等度であること
具体的な治療法(断食法)については、本書をご覧ください。
鶴見式三大免疫療法
本書では、断食とともに「鶴見式三大免疫療法」を解説しています。
つまり、断食だけではなく、他の治療も組み合わせているわけです。
- 原因の解除(断食+ヴィーガン)
- 最高のサプリメントの使用
- ホルミシス温熱(微量放射線)
数日間の水だけ断食と、生野菜やナマのフルーツを摂ることを繰り返す
水素、酵素、DHA(イワシ由来)、乳酸菌、無農薬茶、ミネラル、亜鉛、CBDなど
抗酸化力、HSP効果、デトックス、微小循環(血液と組織細胞との間の物質交換や体液循環の調節)改善、体温上昇、免疫強化、病気治癒、若返り、長寿など
食べ物は、酵素の存在するフルーツと野菜おろし(大根、きゅうり)、フルーツのみ、野菜おろしのみ、生野菜サラダのものいずれかがベストだそうです。
間食はなるべく摂らないこと。
食べてすぐ寝ないこと。胃の中に腐敗菌が発生するからだそうです。
タンパク質は動物性から植物性にシフトすること。
とくに、ハムやベーコンなどの肉製品や赤肉は推奨していません。
たとえば、鶏卵も「動物性」に含まれています。
その一方で、「魚」は良いそうです。
水道の蛇口に浄水器をつけることも勧めています。
ただ、それを全部守ってしまうと、家族のいる人は大変ですね。
本書にもあるように、まずは3日間断食を実践してみたら良いのではないのでしょうか。
それにしても、断食を続けると大量の便が出るというのは興味深いですね。
いかにも断食の成果として悪いものが出てきた、という実感が湧くでしょう。
断食の健康効果については、本書で詳しく説明されていますが、興味のある方は実際に読まれることをお勧めします。
本書は、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
以上、オートファジーで細胞からととのう3days断食(鶴見隆史著、評言社)は、3日間断食によりカラダの不調の9割は解決!と標榜する書籍、でした。