カラー図解イチから知りたい!日本の神々と神社(三橋健著、西東社)は、神々の種類ち成り立ち、神社の種類・仕組みなどを解説しています。私たちが初詣や七五三でお世話になっている神様に関する様々なことが網羅された神道概論です。
『カラー図解イチから知りたい!日本の神々と神社』は、神道学博士の三橋健さんが西東社から上梓した書籍です。
神様に関する様々なことが網羅された神道概論ともいうべき力作です。
神々の種類と成り立ち、神社の種類や仕組み、そのパーツである鳥居の形や本殿等の屋根の形の違いについての説明などがわかりやすくまとめられています。
全国の有名な神社も多数紹介されているので、神社を訪ねる際のガイドブックにもなるでしょう。
神と神社の種類
本書はまず、基本の古事記・日本書紀の神々から始まる日本の神々を解説しています。
神社というのは、その神様を祀っているわけですが、外国のような「神様は唯一」ではありません。
神様の数え方は「柱(はしら)」といいますが、一柱(ひとはしら)、ニ柱(ふたはしら)、三柱(みはしら)… 様々です。
本書によると、もともと、神の降臨する場所は聖なる地として、人も獣も立ち入ることが許されない禁足地である空間でした。
その空間と人間の俗なる空間の境は、「境木=榊」をたてて目印とし、加えて玉垣を巡らせ神の空間を守りました。
さらに、大陸から来た仏教寺院の影響で、空間の敷地内に社殿が造立され、神霊を祀るための常設の建造物が建てられたといいます。
それが、私たちが参詣する神社の始まりなのです。
では、その神社には、どのような神様が祀られているのか。
我が国の神社には、次のようなご祭神の種類があります。
記紀の神々
記紀の神々とは、要するに『古事記』や『日本書紀』に記載されている、神話の登場人物です。
たとえば、天之常立神(アメノトコタチノカミ)や、天照大神(アマテラスオオミカミ)、須佐之男命(スサノオノミコト)、大国主神(オオクニヌシノカミ)などがそうです。
そして、そこからまた色々な神が誕生しました。
天照大神は伊勢神宮、大国主神は出雲神社というのは有名です。
土着の神々
その土地で、独自に信仰されてきた神を祀っているところです。
天地降臨の際、道案内をした猿田毘古神(サルタヒコノカミ)は、伊勢地方の土着の神、すなわち地主神とされています。
大物主神(大神神社)、寒川比古命・寒川比女命(寒川神社)などがあります。
習合神
インドや中国からやってきた、神や仏などが日本の神と同一視された習合神というものもあります。
本書が例としているのは、京都市東山区の八坂神社。
明治時代までは牛頭天王を祀っていましたが、のちに出雲神話で大活躍する須佐之男命と習合されるようになりました。
人格神
神社の中には、人間を祭神として祀る場合もあります。
明治神宮や平安神宮、橿原神宮などは、天皇や皇族が祀られています。
歴史的な偉業、戦争や治世などに功績があったり、優れた文化的業績を残した「英雄・功労者」がご祭神として祀られることもあります。
豊臣秀吉の豊国神社、徳川家康の日光東照宮などが代表的な例です。
人格神には、御霊神(ごりょうしん)といって、非業の死を遂げて、死後に祟りを及ぼした人の霊を祀ることもあります。
平安時代随一の学者・文人、政治家であり、「学問の神様」として知られる菅原道真公が天神さまとなり祀られる天満宮が有名です。
藤原時平の陰謀によって大臣の地位を追われ、大宰府へ左遷された菅原道真は失意のうちに没しました。
死後、臣下の味酒安行が、天満大自在天神(てんまんだいじざいてんじん)という神格で祀ったものの、疫病がはやり、日照りが続き、また醍醐天皇の皇子が相次いで病死し、清涼殿が落雷を受け多くの死傷者が出た(清涼殿落雷事件)など災いが続き、朝廷はされらを菅原道真の祟りと恐れ、北野天満宮を建立して祟りを鎮めようとしたといいます。
七福神
その他、民間信仰といって、民衆から神として祀られるものとなったケースもありますが、民間信仰としてもっとも有名なのは七福神です。
大黒天(だいこくてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、恵比寿天(えびすてん)、寿老人(じゅろうじん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、弁財天(べんざいてん)、布袋尊(ほていそん)の7つの神様を参拝すると7つの災難が除かれ、7つの幸福が授かると言われています。
現在は、各地域の神社と寺院に七福神が祀られ、「〇〇七福神」として地域振興のためのスポットになっています。
神々による様々な神社
神々による様々な神社を、私の地元である東京都大田区の神社でご紹介します。
神道と一口に言っても、様々なご祭神があることがわかります。
まさに、八百万の神ということです。
といっても、神様は「八百万」という意味ではありません。
「五目そば」と同じで、数字に特別な意味があるわけではなく、「たくさんの」という意味です。
御嶽神社(記紀の神々の国常立尊)
御嶽神社は、記紀の神々の国常立尊をご祭神としています。
国常立尊は、『日本書紀』によると、天地がわかれはじめたとき第一にあらわれたとされています。
天地創成神話の国土神の最初の神、国土の永遠の安定を意味する神です。
御嶽神社は、信仰のある人はもちろんのこと、地元の人からもパワースポットとされています。
穴守稲荷神社(記紀の神々の稲荷神)
稲荷神社は、稲荷大神(イナリノオオカミ)を主祭神としています。
『古事記』では、宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)、『日本書記』では倉稲魂尊(ウカノミタマノミコト)、別名で御饌津神(ミケツノカミ)です。
穴守稲荷神社の御祭神は豊受姫命(とようけひめのみこと)
穴守稲荷神社はパワースポットとして招福砂(御神砂=おすな)が話題になっています。
大田区を代表する神社の一つです。
新田神社(人格神の中の御霊神)
新田神社は、多摩川の矢口の渡で、敵に謀殺された新田義興(新田義貞の次男)を祭る神社(武家信仰)なのです。
樹齢700年のケヤキの御神木があり、多摩川七福神の恵比寿天が祀られています。
多摩川七福神のひとつである恵比寿天も祀られています。
徳持神社(習合神の八幡神社)
徳持神社は、八幡様として信仰される誉田別之命をご祭神としています。
皇室による崇敬篤く、源氏一族をはじめ武人の神様として、また広く地域鎮護の神様として人々の信仰を集めているといいます。
毎年行われる徳持神社のとんど焼きは、地元の池上以外からも多くの人がやってきます。
草野を「かやの」と読むのは「記紀の神々」から
ところで、私の名前は草野直樹。
先祖は福島。
というと、草野直清と名前が似ているのでその子孫か、もしくはその名前にあやかったのかと思われがちですが、そうではありません。
それはともかくとして、姓の読みは「かやの」といいます。
通称ではなく、住民基本台帳に記載されている、本当の読み方です。
「草野」と書いて「かやの」と読むことに違和感を持たれた方もおられるかもしれませんが、『日本書紀』には、伊邪那岐命・伊邪那美命の間に生まれた田畑や草原の創造主「かやのひめ」を、「草野姫」と記載しています。
要するに、「記紀の神々」からの命名というわけです。
そう考えると、神様の話も、ぐんと関心が増してきます。
みなさんも、普段から初詣や新築のお祓い、七五三など、折々にお世話になっている神様について、本書でより詳しく正確に知りたいと思いませんか。
そう思われた方は、ぜひ本書をご覧ください。
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以上、カラー図解イチから知りたい!日本の神々と神社(三橋健著、西東社)は、神々の種類と成り立ち、神社の種類・仕組みなどを解説、でした。
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