シングルマザー5歳児無理心中死事件(2013年)を漫画化したのは、女の残虐事件簿 浅はかシングルマザー5歳児無理心中死事件(桐野さおり著、ユサブル)です。がんぜない5歳の一人息子を無残な死に至らしめた、滋賀の事件の赤裸々真相を描いています。
『女の残虐事件簿 浅はかシングルマザー5歳児無理心中死事件』は、桐野さおりさんがユサブルから上梓した実在の事件の漫画化シリーズです。
不倫で出産。養育費が60万円から40万円に減額され、「将来を悲観」して5歳児を心中させた元ホステスの身勝手な事件として知られています。
本書は、AmazonUnlimitedやマンガ図書館Zで閲覧できます。
「息子の養育費を減らされ、将来を悲観した」から無理心中
シングルマザー5歳児無理心中死事件というのは、2013年(平成25年)に発覚した、大津市の元ホステスが5歳男児を巻き込む無理心中事件(本人は一命を取り止める)です。
長男だけを死なせた女性は殺人罪に問われ、大津地裁は懲役6年(求刑・同7年)の判決を言い渡しました。
ということは、現在は2022年ですからもう出所しているのですね。
「息子の養育費を減らされ、将来を悲観した」と、女性は無理心中の理由を公判で述べましたが、それは長男が不倫の婚外子だったからです。
女性は大津市内でホステスをしていましたが、平成14(2002)年に弁護士の男性客と知り合い、交際を始めました。
女性は母子家庭でしたが、男性も母子家庭で苦学しながら司法試験に合格したことから親しさを感じた女性は、相手が既婚者でありながら交際の申し込みに応じたそうです。
交際は2年目と5年目に妊娠。
最初は、女性も若くて人気のあるホステスだったことから中絶しましたが、2度目は相手男性も弁護士稼業が軌道に乗ったからか、生むことを容認し、養育費を月60万円支払う約束をしました。
しかし、士業は弁護士といえども自営業ですから、商売としての波があります。
男性から、養育費を40万円に下げることを提示された女性ですが、相当贅沢な暮らしをしていたらしく、「40万円では足りない」として、男性の自宅に乗り込み、妻に自分の立場を告白したものの、妻からは「お金がある人は不倫するの。あなたも振り回されましたね」と軽くあしらい、その場にいた男性からも、妻のほうが大事と言われてしまいます。
さらに、「どうして自宅まで来た」「こんなことなら、生んでもいいと言うんじゃなかった」と男性に責められた女性は、ヤケになって七輪に入れた練炭の火で長男と無理心中。
女性は一命をとりとめたものの、長男は一酸化炭素中毒で亡くなってしまいました。
養育費が減額されても、普通の生活を送るのに支障はなかった
漫画は、事件の経過を忠実に追っています。
漫画では、女性は浅田早紀子(20)、弁護士の男性が大塚篤史(34)と設定されています。
男性が母子家庭だったことを知り意気投合。
いったんは中絶したものの、その後も交際は続き、5年目にまた妊娠。
「早紀子の子供がみたいな」との男性の言葉に、早紀子は生むことを決意します。
1度中絶しているのに、また妊娠したり、子供の生まれた後のことことも考えずに一時の感情で「子供が見たい」と言ったりと、男性も無責任ですが、女性も人生設計をきちんと考えていたのかなと疑問が残ります。
非嫡出子は、やはり生きて行くのに何かと不都合です。
不倫ではない事実婚でも、出産のときは一時的に婚姻届けを出すのはそのためです。
弁護士なら、それぐらいわからないはずはないと思うのですが。
女性は、一般的な母子家庭のイメージとはかけ離れた贅沢な暮らしをしました。
そりゃそうでしょう。月額60万円ももらっているのですから。
しかし、食べるものもないのは困りますが、贅沢なのもいかがなものでしょうか。
長男にはお稽古ごとをどんどんさせ、2人の食費は毎月9万円前後(公判より)。
女性もブランドの靴や化粧品をバンバン購入したといいます。
こういってはなんですが、ホステス時代の金銭感覚や価値観そのままだったわけです。
それを、母子家庭だから寂しい思いをさせないように人並み以上のことをすると、浪費を長男を口実に使っていたのです。
金銭感覚だけでなく、「ホステスとしてナンバーワンだった自分は、保護者としてもナンバーワンになるの」という意識が働いていたのかもしれません。
ナンバーワンと言っても、食事や着るものを他の家庭の主婦よりも贅沢に、という「そっちかよ」といいたくなる感覚ですけどね。
男性からは、減額を言われて気が動転。
「仕事が増えたら、すぐまた60万円に戻すから…な?それまでがまんしてくれ」
「それまでっていつまでよ…!!ひどいわっ。たった40万円でどうやって生活すればいいのよ」
「たったって…」
そりゃ、今までの暮らしを緊縮にするのは大変です。
しかし、もともと60万円という金額が多かったわけですし、一般的な家庭の主婦でも、失業や転職で収入減になれば、「ないならないなりにやりくりする」のは当たり前の話です。
ですから、シングルマザーであるのを「いいことに」、世帯を切り盛りするという自覚と責任感がこの女性には欠落していたように思います。
それと、普通の主婦ならやはり、夫が給料を入れたら、感謝やねぎらいってありますよね。
いや、男尊女卑ではなくて、人として「いつもご苦労さま」とか言うじゃないですか。
なのに、「たった」とか「ひどい」とかねえ…。
漫画によれば、ホステス時代はナンバーワンで稼いでいたようです。
それまでは母子家庭でお金に苦労して、働き始めたら普通のOL以上の稼ぎになった。
なかなかそのような暮らしですと、「普通」を意識することがむずかしいのかもしれません。
そして、上掲のように、「本妻」にあしらわれ、男性に責められ、一酸化炭素中毒を狙った無理心中に。
長男からしたら、「いったい僕は何のために生まれてきたんだろう」と言いたいでしょうね。
「養育費が減額されても、普通の生活を送るのに支障はなかった」
裁判官からは、こう断じられました。
マンガ図書館Zで無料閲覧可能
女の残虐事件簿シリーズは、これまでにもご紹介してきました。
冒頭に書いたように、本書は2022年9月13日現在、マンガ図書館Zの無料閲覧のリストに入っています。
神崎順子・小牧成・桐野さおり・なせもえみ 『ザ・女の事件Vol.1』 #マンガ図書館Z https://t.co/KsYXQslZEk
— 畠中由宇・相互フォロー100% (@hata_follow) September 5, 2022
といっても、マンガ図書館Zのリストは固定されているわけではないので、無料で閲覧できるうちに読まれたらいいかもしれません。
以上、シングルマザー5歳児無理心中死事件(2013年)を漫画化したのは『女の残虐事件簿 浅はかシングルマザー5歳児無理心中死事件』、でした。
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