『マンガでわかる もしかしてアスペルガー!?~大人の発達障害と向き合う~ Kindle版』はアスペルガー症候群について解説して書籍です。精神科医の司馬理英子さんによって、孤立型、受動型、積極奇異型の特徴を明確に分けて紹介しています。
アスペルガー症候群と発達障害
アスペルガー症候群は、発達障害の一種です。
発達障害とは、生まれつきの脳機能の障害によって、発達に偏りがある状態を指します。
発達障害者支援法という法律には、発達障害はこう定義されています。
自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの。(発達障害者支援法における定義 第二条より)総じて、得意・不得意の特性が、環境や周囲の人との関わりに困難を生じます。
アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラム障害といわれる障害のうち、知能や言語能力など知的な障害のない自閉症といわれています。
身体障害と違い、外見からは分かりにくく、その症状や困りごとは十人十色といわれています。
アスペルガー症候群は、「病気」ではなく脳の「障碍」であり、治療法は見つかっていません。
そもそも、脳のどの部分に障害が起きて発生しているか、未だにはっきりしたことはわかっていません。
子供が母親の胎内にいる間に、何らかの問題が発生し、脳の機能障害が起こって、中枢神経系に異常をきたしているのではないかというのが、現在のところの有力な説のようです。
いずれにしても、アスペルガー症候群は、親の躾や教育などでそうなっているわけではない、ということをまずはっきりさせておきます。
アスペルガー症候群の具体的なふるまい
アスペルガー症候群の特徴として代表的なのは、他人とのコミュニケーションを上手く取れないことです。
「高機能」ですから、様々な言葉を使ったり話したりすることは出来ます。
ただし、TPOに合った言葉を選択することが出来ずに、周囲からは自己中心的な人、空気が読めない人と思われてしまいがちです。
そもそも、前頭葉のはたらきに障害があるため、他人の身になって考えることも苦手なのです。
職場や学園生活の会話で、本当のことを言わなくてもいい場面なのに、言ってしまうことがあります。
アスペルガー症候群の人は、抽象的なことを理解するのが苦手です。
行間を読んだり、比喩や間接的表現を理解したりすることが得意ではありません。
「今度お茶でも飲もう」などと言われようものなら、「今度っていつですか」と混乱することもあります。
言葉は、辞書に書かれているとおりに認識するので、言葉の裏の「ホンネ」を読むのが得意ではありません。
相手の表情から、今どのような気持ちなのかを把握することができないので、知らず知らずのうちに相手を不快にさせてしまったり、傷つけてしまったりするケースが多いのです。
ジェスチャーでのコミュニケーションができなかったり、ごっこ遊びが苦手という一面もあります。
普通の人と比べて「感覚」が鈍かったり、逆にとても敏感だったりすることもあります。
誰でも嫌がるようなガラスをひっかくあの音に対して全く拒否反応を見せないなど音に鈍感だったり、少しの日差しでも気になって外出時にはサングラスが必須だったりと、感覚が人と違うことも少なくありません。
いつも同じ行動パターンで生活していることが多く、急に予定を変更したり、今行っている作業を変えたりすることで動揺や混乱をきたす傾向もあります。
ただし、その「生真面目さ」から、決まった課題を与えられたり、ルールがはっきりしている環境だったりと、パターン化した活動において高い成果を上げることがあります。
といっても、一部に言われているような、アスペルガー症候群=秀才、などと単純には捉えないでください。
「高機能」というのは、知的障害がないというだけで、支援学級が妥当なIQ70台の人も含まれており、そのふるまいは様々です。
もとより、発達に凸凹があるのが発達障害ですから、科目による得意不得意がはっきりしていて、「まだらな秀才」であることが少なくありません。
受動型、積極奇異型、孤立型、形式ばった大仰な型
さて、『マンガでわかる もしかしてアスペルガー!?~大人の発達障害と向き合う~ Kindle版』は、精神科医の司馬理英子さんによって、主婦の友社から上梓されています。
タイトル通り、アスペルガー症候群についてマンガで解説しているのですが、本書の最大の特徴は、受動型、孤立型、積極奇異型というタイプに分けて、さらに細かく紹介していることです。
マンガで最初に登場しているのは、受動型。
- 断れない
- 人に頼れない
- パニックになる
- ミスが多い
- 自分から率先して動けない
- 表情が乏しく何を考えているかわからない
などと説明されています。
次に登場するのが、積極奇異型。
- 一方的なコミュニケーションを続ける
- 思ったことをすぐ口にしてしまう
- 自分がアスペルガーかもという悩みも持たない
- 人間関係を円滑にするための行動をするという考えがない
などと説明されています。
受動型の逆の特性といいます。
そして、もうひとつの孤立型は……
- 集団の中で孤立していても意に介さない
- 自分で打ち込めるもの、興味あるものへの集中力は非常に高い
- 自分がアスペルガーかもという悩みも持たない
- 人間関係を円滑にするための行動をするという考えがない
などと説明されています。
さらに、形式ばった大仰な型というのもあります。
自分が周りと違うことに気づいて適切な態度を学び、礼儀正しく、その限りでは周囲からも悪く思われることはありませんが……
- マニュアル的な対応がぎこちなく周囲から浮いてしまう
- 誰にでも敬語を使うなどパターン化する(柔軟に対応できない)
- ルールやマナーにこだわり過ぎ融通がきかない
などの問題から、結局は周囲との軋轢を生むと説明されています。
アスペルガー症候群についての書籍は他にもありますが、4つの型に分類した説明は本書で初めてお目にかかりました。
こうしてみると、私は「受動型」と「孤立型」をあわせたタイプかもしれません。
自己肯定感に乏しく、断れないタイプなのですが、一方では大衆に迎合することをよしとしない面もあります。
飲み会などは、断れずいやいや参加するものの、つまらないと黙りこくった態度で積極的に話に参加しようとも思いません。
みなさんはいかがですか。
確認のために、一読されてはいかがでしょうか。
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以上、『マンガでわかる もしかしてアスペルガー!?~大人の発達障害と向き合う~ Kindle版』はアスペルガー症候群について解説、でした。
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