マンガ世界の偉人伝未来を作った10人(西東社編集部)は、タイトル通り歴史に名を残す10人の生涯と功績を漫画化しました。この記事では、その中で、「漫画の神様」ともいわれ、日本の漫画・アニメを世界に広めた功績を持つ手塚治虫の話をご紹介します。(文中敬称略)
本書『マンガ世界の偉人伝未来を作った10人』は、タイトル通り、国内外の偉人の有名なエピソードを、ひとりにつき20~30ページ程度のマンガで紹介しています。
この記事では、その中で手塚治虫について詳しくご紹介します。
手塚治虫は、日本を代表する漫画家と言って良いと思います。
「漫画の神様」とも称されるほど多くの名作を生み出し、日本の漫画・アニメを世界に広めた功績を持っています。
「人を信じよ、しかしその百倍も自らを信じよ」という座右の銘を持ち、多忙なスケジュールの中で複数の雑誌で複数の連載を同時に行い、漫画家としての地位を築きました。
漫画を書きながら、医師免許や医学博士も取りました。
手塚プロダクションを設立し、アニメ制作にも取り組みました。
Copilotに代表作を尋ねました。
1. 『火の鳥』
– 不老不死の鳥「火の鳥」と人々の物語を描いたSFファンタジー作品です。
– 時代や舞台が異なるエピソードごとに、人間の欲望や哲学的なテーマを探求しています。
2. 『鉄腕アトム』
– 21世紀を舞台にしたSF作品で、少年ロボット「アトム」が登場します。
– アトムは人間の心を持つロボットであり、感情豊かなキャラクターです。
– 手塚治虫の新しいアイデアと独自の世界観が詰まった作品です。
3. 『ブラック・ジャック』
– 天才外科医を主人公にした医療漫画です。
– 医療の現場での人間ドラマや倫理的な問題を描いています。
– 手塚の緻密なストーリーテリングが光る作品です。
ということで、その生涯をたどります。
医学と漫画を両立
手塚治虫全集300冊税抜12万円! pic.twitter.com/e17jerp5pF
— テケトーゲーム人 (@teketogamejin) July 13, 2024
手塚治虫は1928年11月3日、大阪府豊中町(現在の豊中市)で生まれました。
5歳の時に、一家は兵庫県川辺郡小浜村(現在の宝塚市)に引っ越しました。
本作によると、幼少期から漫画を描き、その才能を発揮していたそうです。
その一方で、腕の腫れを診察してもらい、腕の切断を免れたことから、医師にも憧れます。
大阪帝国大学付属医学専門部に入学。
この「専門部」というのは、戦前生まれの人の学歴にしばしば見られるのですが、今でいうと、短大と専門学校を合わせたような役割です。今も学制上は「短大卒」扱いです。
戦後の新学制で廃止されましたが、当時は大学に進学する人が少なかったので、大学が専門部を設置していました。
本作では、「医学と漫画で、どちらかというなら漫画を選ぶ」として上京する件があるのですが、結局1年留年したものの大学は卒業し、インターンを経て医師免許を取っています。
それだけでなく、後年医学博士も取っているので、漫画と両立させたんですね。素晴らしい。
一部には、手塚治虫について、「医学はかじったけど医師ではない」という誤解もありますが、医師であり医学者でもあります。
上京して漫画を持ち込み、認められたのが漫画家としての始まりですが、作品は「白いライオンが主人公」。つまり『ジャングル大帝』ですね。
つづいて、ロボットの少年を描いた『鉄腕アトム』がヒット。
ここまでが、大学在学中に発表した作品です。
卒業の翌年に、『リボンの騎士』や『火の鳥』などを発表しました。
ディズニーの映画が好きで、連載で忙しくても、ディズニー映画を何度も観に行き、アニメを扱う虫プロを設立。
しかし、マンガやアニメの人気が高まるにつれ、「マンガなんて子供に毒です」と文句をいう人もあらわれ、しかも漫画界には劇画ブームが。
さらに虫プロは倒産し、手塚治虫も過去の人になりかけたのですが、起死回生の一作が『ブラック・ジャック』でした。
その後も、『三つ目がとおる』『アドルフに告ぐ』などヒットが続きましたが、寝る間も惜しんで1日1食でマンガに没頭したことで肉体に負担がかかっていたのか、がんで亡くなりました。
たとえば、『ジャングル大帝』は、亡くなるまでに8回単行本になっていますが、毎回ストーリーが変わっています。
「マンガは、つねにその時の読者に向けた作品であるべき」と考えたため、重版ではなく、改訂だったのです。
しかし、漫画家は普通、初出の連載では採算ド返しでアシスタントを使い自らも体を酷使してタイトなスケジュールで作品を仕上げ、それをそのまま使う単行本化の印税収入で、やっと経済的肉体的に楽をするというのがビジネスモデルです。
単行本まで描き下ろしていたら、負担をカバーできるところがありません。
やはり、普通を超えることをしていたからこそ「漫画の神様」と呼ばれたわけです。
読み応えのある10人を描く
さて、本書に漫画化された「10人」は、こういった方々です。
スティーブ・ジョブス
リンカーン
エジソン
坂本龍馬
ナイチンゲール
ライト兄弟
手塚治虫
プスカシュ
野口英世
アンネ・フランク
スティーブ・ジョブスは、21世紀に入っても活躍していましたね。
自らが創業したアップルを追われながらも、復帰してiPhineやiPadが誕生するまでが描かれています。
いずれも、読み応えのある内容なので、また機会を見つけてご紹介したいと思います。
手塚治虫作品は、何がお好きですか。
以上、マンガ世界の偉人伝未来を作った10人(西東社編集部)は、タイトル通り歴史に名を残す10人の生涯と功績を漫画化しました、でした。