『ミニマリストになって、モノを捨てたら「お金」と「時間」が増えた!』は、モノの減らし方や考え方などミニマリストへの入門書です。ミニマリストになりたいと思いながらも、捨てられない、決められないと先送りしていた方には最適な書籍です。
ミニマリストが今ほど注目されているときはない
『ミニマリストになって、モノを捨てたら「お金」と「時間」が増えた!』は、こころも財布も今よりもっと豊かになる!!というコピーを掲げたミニマリストの入門書です。
著者はミニマリストSHINYA (光)さん、 佐竹真(光)さん。
話題のKindle書籍です。
アマゾンランキングの「経済理論のベストセラー」で、第1位に輝いている(2022年4月2日現在)話題の書籍です。
それにしても、「経済理論のベストセラー」は、本書以下、ベスト3はすべて「ミニマリスト」関連の書籍です。
ミニマリストが、今ほど注目されているときはない、ということでしょう。
では、そもそもミニマリストとは何でしょうか。
ミニマリストとは、「最小限の」という意味のミニマル(minimal)から派生した造語です。
すなわち、必要最小限の持ち物だけで暮らす人のことをさします。
そして、本書にもあるように、持ち物だけでなく支出(生活費)自体を「必要最小限」にする人です。
大量生産・大量消費の現代社会は、次々新しいものを買わされるサイクルになっています。
たとえば、パソコン・スマホはバージョンアップして、少し前の新製品はすぐに陳腐化。
洋服はこれまた流行がかわります。
その一方で、緊縮財政による長年のデフレにより、労働者の賃金は上がりません。
経済的、精神的に、もうついていけない、自分の価値観で暮らし、それに見合った消費にとどめたい。
そう考える人が増えたとしても無理はありません。
そこで、自分にとって本当に必要な物だけを持つ生活を送ることで、財布も精神も豊かに生きられるという考え方から、ミニマリストというライフスタイルが注目されているのです。
右肩上がりでなくなった現代だからこそ、注目されている生き方と言えるかもしれません。
ミニマリストへの道のりはオーダーメード
とはいえ、実際にミニマリストになろうと思っても、なかなかそうはなれないようです。
モノを買わなければいいだけなのに?
今まで当たり前として買っていたものを急にやめるのは、大変ですよね。
前述のように、ミニマリストの書籍がベストセラーの上位を占める現実というのは、注目されている一方で、その実践が困難であることも意味します。
ひらたくいえば、ミニマリストになりたい気持ちはヤマヤマだけれど、なかなかモノを捨てられない、消費をやめられない、ということです。
だから、どうやったらできるのか、という書籍は売れるけれども、いざ自分で実践しようと思ってもできない。
そこでまた、別の書籍を読む、ということではないでしょをうか。
そりゃ、単純に今までの生活を、急に縮小・制限するなら、なかなかむずかしいでしょう。
モノも支出も減らす生活をするには、それまでとは違う価値観で生きなければなりません。
しかし、そこに無理があると、なかなか長続きはしません。
そもそも、人の生活や価値観は十人十色です。
ある特定のモノを「これを捨てろ」といったところで、それでスッキリする人もいれば不便になる人もいます。
ミニマリストになるための道のりは、人それぞれの生活実態によって事情が異なる、オーダーメードになっているはずです。
さすれば、ミニマリストになるための書籍も、人それぞれの事情や心境に拠らない普遍的な内容でなければ、実践できません。
そこで、本書『ミニマリストになって、モノを捨てたら「お金」と「時間」が増えた!』です。
決して、何を捨てろ、何を残せ、というような紋切り型の指南ではありません。
誰でもあてはまる、誰でもできることを提案しています。
誰にでも理にかなった「片付け方」
本書は、まずモノの捨て方をアドバイスしています。
それは、「モノを、3つのジャンルに分けてみること」です。
1つ目が「使うモノ」
2つ目が「使わないモノ」
3つ目が「使うかどうかわからないモノ」
私たちは、「使う(残す)」か「使わないか(処分する)」の二元論で考えたがるので、どちらとも言い難いものが出ると、そこで止まっちゃうんですね。
で、実は持ち物の中ではそれが一番多かったりシます。
著者は、3つに分けることで、とりあえず「使わないモノ」をはっきりさせて処分することを勧めています。
そして、「使うかどうかわからないモノ」は実際の生活で、できるだけ使わずに暮らしてみる。
数ヶ月ぐらい経ったら、またその3つに分けて、「使わないモノ」を捨てて、生活を再スタートさせるのだそうです。
そして、その際に「使うかどうかわからないモノ」の中身も仕分けし、使うことになったモノは「使うモノ」にランクアップさせるといいます。
要するに、ただ闇雲に捨てればいいという指南ではありません。
本当に自分に必要十分なものを絞りましょう、ということです。
ですから、誰にでも理にかなった「片付け方」になっているわけです。
そして、使わなくなったものはリサイクル。
ネットのオークションや個人販売に出品すればお金になるし、NPO法人に寄付すれば世の中の役に立ちます。
さらに著者は、きれいな部屋を維持するために、おすすめのルールを紹介しています。
服なら「春夏秋冬、各シーズンごとに1週間分しか持たない」「新しい服を1つ買う場合は、持っている1つ服を捨てる」などと決めてください。
欲しいから買う、お得だから買う、ストックで買っておく、ということをしているとモノはどんどん増えていきます。
モノが増えると部屋の掃除も大変にになりますし、何よりミニマリストからは遠ざかってしまいます。
そうならないように、決めた量に収まるようにするというマイルールを作ると、綺麗な部屋を維持しやすくなります。
著者は自らの生活費を公開して、余計なものをかわないシンプルな生活の素晴らしさを説いています。
そして、アップル創業者のスティーブ・ジョブズが、いつも同じ黒のタートルネックとジーンズにスニーカーというスタイルであることや、オバマ元大統領も毎日、同じスーツを着て、食べるメニューもサーモン、ライス、ブロッコリーと決めていることなどを例に挙げて、「生活の決断を減らし、本業での決断にエネルギーを注いでいる」ことを指摘。
つまり、ミニマリストは選択のエネルギーも片付けることができ、それがより大切なことを行うエネルギーに向けられるわけです。
さらに著者は、たんにミニマリストを目指すだけでなく、ライフスタイルを変えることで人生を豊かにすると述べています。
従来の消費をして喜びを得る生活を見直し、自分が「生産」することに喜びを感じる生活へ。
生み出すことで誰かに喜ばれたり、収入に繋がることもあるかもしれません。
モノが少ない暮らしは、モノがない分、一つ一つのモノに魅力を感じて、充実した生活を送れるようになるといいます。
ミニマリストはやせ我慢ではない
「必要最小限の持ち物だけで暮らす人」というと、我慢したり、他の人に比べてみすぼらしく見えて外聞が悪かったり、といった懸念もあるかもしれません。
しかし、ことほどさように、決してミニマリストは「武士は食わねど……」というやせ我慢ではありません。
闇雲に捨てるのではなく、モノや消費に依存しない価値観で生活するという「哲学の転換」です。
そして、余計なものがない分、逆に「在る」ことに喜びを感じたり、より大切なことにエネルギーを注げたりするのです。
モノを買い漁り、消費する日々に疑問を感じながらも、変えることができなかったあなた。
本書を読んだら、人生観が一変するかもしれませんよ。
いかがでしょう。
以上、『ミニマリストになって、モノを捨てたら「お金」と「時間」が増えた!』は、モノの減らし方や考え方などミニマリストへの入門書、でした。
ミニマリストになって、モノを捨てたら「お金」と「時間」が増えた!: 【ミニマリストの入門書】 – ミニマリスト SHINYA, 佐竹 真