不幸なスター・有名人 レコジャケ・厳選100人 OTAKARAファイル(花門号著、鹿砦社)は、不幸なスターのレコードジャケットを枚挙しています。今回はその中から、田宮二郎さんの『酒は大関』をご紹介します。映画、テレビ、クイズ番組の司会とともに思い出深いのがこのCMです。
今日から、不幸なスターのレコードジャケットをご紹介する記事を不定期で投稿します。
「不幸」というと暗いのですが、個々の芸能人をとりあげるときって、事件起こして話題になっているか、誕生日か、命日か、それぐらいしかないですよね。
誕生日と命日は、重なったり、とくに誰もいなかったりすることがあるので、記事の予定が立てにくいので、そこにもう1本企画を突っ込むことにしました。
それが、「不幸なスター」です。
今回は、CMソングの『酒は大関』ジャケットとともに、田宮二郎さんをご紹介します。
田宮二郎『酒は大関』
「酒は大関あればいい」作曲=小林亜星、作詞=阿久悠、歌=森山良子。えらく懐かしいなぁと思って購入。田宮二郎とかショーケンとか出てたっけ? pic.twitter.com/lmg58gSpNC
— 岩瀬 聡 Satoshi Iwase (@satoshi_iwase) October 25, 2015
【A面タイトル】酒は大関
【B面タイトル】ワンカップ大関
【歌手名】田宮二郎、加藤登紀子、コーラス(ザ・シャデラックス)
【作詞者】A面:小林亜星 B面:淡の圭一
【作曲・編曲者】A面:小林亜星 B面:泡の圭一
【レコード会社】田宮企画・制作
【リリース年月日】1970年
【ジャケット体裁】二つ折り 表カラータイトル&写真、裏モノクロ歌詞掲載、裏カラー写真掲載
【備考】酒造メーカー大関のCMソング
田宮二郎(1935~1978)俳優、司会者。妻は元女優の藤由紀子。長男は俳優・テレビレポーターの柴田光太郎。
次男は俳優の田宮五郎。
代表作は、映画「悪名シリーズ」・『白い巨塔』、テレビドラマ『白い巨塔』、クイズ番組の司会者として『クイズタイムショック』などがあります。
このレコードは酒造メーカー「大関」のテレビCM曲です。
『酒は大関 心意気』が、キャッチコピーのCMは田宮出演が最初で、6本のCMに出演し、同曲を自らも歌いました。
1970年代に、『白い巨塔』をはじめ、俳優として大成功を収めたことから、実業家へ転身を試み、自らを「日本のハワード・ヒューズになる」と公言し始め、ゴルフ場やマンション経営に乗り出したものの失敗します。
1977年には、日英合作映画『イエロー・ドッグ』の製作・主演も行いましたが、不入りのために失敗。
それも積み重なって多額の借金を抱えてしまいます。
そのころから精神的にも追い込まれ、躁鬱病と診断されます。
その後も、借金返済のためにいかがわしいビジネスに手を染め、さらに借金を重ね執拗な債権取立てに追い立てられる生活の中、『白い巨塔』がテレビドラマ化される話がきて、神経質なまでにその仕事に打ち込み始めます。
ドラマを取り終え、『白い巨塔』の放送があと2話となった1978年12月28日、田宮二郎さんは家族と別居して一人で住んでいた、港区元麻布の自宅で猟銃自殺を遂げたといわれます。
という書き方をしたのは、未だに自殺かどうかを疑っている一部の人もいるからです。
でも、自殺は公式発表です。
享年43歳。
死後も放送された『白い巨塔』は注目を集め、高い視聴率を獲得しました。
映画・ドラマの代表作は『白い巨塔』
やはり、田宮二郎さんといえば『白い巨塔』です。
#白い巨塔 のストーリーは、「里見脩二=善玉」「財前五郎=悪玉」としての相克が描かれている。しかし実態は、約束はドタキャン、初診しただけの患者のことで証言して大学は追われて夫人を泣かせ、片恋状態の東教授娘を店晒しにするただの研究馬鹿でしかなかった https://t.co/6CRosDRGJL #財前五郎 pic.twitter.com/V2jo9sucNf
— 赤べコム (@akabecom) October 15, 2023
以前、共演者の山本學さん、島田陽子さんのインタビューをご紹介したことがあります。
田宮二郎さん『#白い巨塔』エピソードを共演者の山本學さん、島田陽子さんが語る『週刊現代別冊 週刊現代プレミアム 2020Vol.1』。「彼はよく、東京女子医大の手術室を見学に行ってました。『學ちゃんって、盲腸ある? 僕に切らせてよ』と言われたこともあります」(山本學)https://t.co/TyeBTxCNT1 pic.twitter.com/xvMCo25dLm
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) June 7, 2024
あらすじは、浪速大学第一外科の東貞蔵教授(中村伸郎)が、定年退官するにあたって、消化器外科の名医として医局員の信頼も厚い財前五郎助教授(田宮二郎)に嫉妬。
母校の東都大から移入教授を目論むことで、ポストや研究費助成、そして現金までが飛び交うダーティーな選挙戦になったという話が前半です。
中盤は、財前五郎の同窓である第一内科助教授・里見脩二(山本學)から相談された胃がんの患者・佐々木庸平(谷幹一)の検査、手術を担当するものの、保険扱いの患者だったので不誠実な態度を取り、医局員の柳原弘(高橋長英)にまかせっきりだっただけでなく、柳原弘の所見を採り入れずに誤診。佐々木庸平を死なせてしまいます。
妻のよし江(中村玉緒)は、関口仁弁護士(児玉清)に相談して提訴。財前側は河野正徳弁護士(北村和夫)のもと、いろいろな手をつかって第一審は勝訴します。
そして、後半は控訴審になり、敗訴しますが、上告の意思表示をしたところで病に倒れます。
白い巨塔ファンは、もうドラマは何度もご覧になっているかもしれませんが、原作もお勧めです。