中学の友人が私に会いにきた理由(人間まお著)をご紹介します。Facebookでつながった、かつての級友がマルチ商法に誘ってきた話です。遠い昔の友人から「会いたい」と言われれば、せっかくの再会の機会を大事にしたいという気持ちを利用されてしまうのです。
『中学の友人が私に会いにきた理由』は、人間まおが描いたみんなの体験記、というサブタイトルが付いています。
以前、『毎回遅刻してくる友人』をご紹介しました。
友人のみかは毎回遅刻。でも注意すると気まずいしそれ以外は一緒にいて楽しい。だから、いつも許してしまう。でも、このままじゃダメだよねー、と主人公が葛藤するKindle版の無料漫画です。
このシリーズは、自分自身のほかに、ブログにアップされているみんなの体験エピソードを読みやすくまとめたものです。
今回も同じシリーズで、Kindle版の無料漫画です。
みなさんは、学校時代の友人が、突然「会いたいね」と連絡を取ってきたらどうしますか。
本書によると、そういう連絡は注意が必要といいます。
本作の場合は、マルチ商法の勧誘でした。
つまり、実際にあったマルチ商法の勧誘方法を、わかりやすくマンガで描いてくれています。
マルチ商法は、仕組みにグレーゾーンなところもありますが、強引な勧誘(軟禁、脅すなど)などがなければ、勧誘にのった人の自己責任。
大金、友人・知人などを失うことになっても、勧誘した側が刑法や民法に問われることはありません。
中学の親友だったから信じていたのに……
人と話すのが苦手な主人公。
対面ではないつながりのFacebookでは、中学や高校時代のクラスメートとつながっています。
すると、その中のひとりである「Mちゃん」から「会いたい」というメッセージが。
8年ぶりの再会で、「ホームパーティー」に誘われます。
当日、行ってみると、家の中は机とテーブル、キッチン用ぐらいしかありませんでした。
そこに集まったのは6人。
「自己紹介も兼ねて、自分の夢」を語り始めます。
みんな、「みんなをハッピーにさせたい」「色んな人の役に立ちたい」などと、崇高なことを口にします。
成り行きから、かろうじて主人公だけは自己紹介せずに済みましたが、場違いなところに誘われたと考える主人公。
すると、「Mちゃん」がまた、「会おう」と誘ってきます。
今度は2人きりでしたが、「美容とか興味ある?」と聞かれます。
「お、おう」となんとなく主人公が返事すると、「Mちゃん」は畳み掛けるように
「今度、ミスコンとか開いているすごい先生の講座が、2000円で受けられるんだよ。一緒に行かない」と誘われ、主人公は「いく」と返事。
当日は、10人ぐらい来て、講座は行われましたが、一緒に行ったはずの「Mちゃん」は、なぜかスタッフとして動いていました。
そのへんから、「Mちゃん」に不信感を抱く主人公。
しかし、もう遅かったようです。
「Mちゃん」から電話があり、「先生にまおちゃんのこと話したら、ぜひ会いたいって。会おうよ」
ご指名とのことで、嬉しくなって、また快諾してしまいます。
その日は、普通の「女子会」で飲み食いで終わりましたが、その帰り道、「Mちゃん」はこう言います。
「私はみんなに幸せになってほしいので、人のためになることをしたい」
綺麗事を聞いたまおは、自分の不信感を自己批判します。
すると、間髪を入れず「ねえ、今度お茶しない」と、また誘ってくる「Mちゃん」。
マルチに誘い込むのは、一気に押すと相手に引かれてしまうので、押したり引いたりしながら、何度か回数を重ねてだんだん逃げられないようにするのです。
お茶会では、いよいよマルチに誘われます。
主人公は、「どんな生活したい?」と聞かれます。
「私の周りの人は、みんな好きなことしてお金を稼いでいるんだよ。わたしもそういう生活目指しているんだ」
「お金を稼ぐって、どうやって?」
「商品を売るんだよ」
マルチの説明を受ける主人公。
最初は、乗り気でなかった主人公ですが、「Mちゃん」は「みんなできるようになるんだよ」と背中を押して、会社に連れていき契約書にサインさせます。
健康や美容関係のものをいくつか購入して。
が、後日、別の友人にそのことを話すと、それはマルチだよ、と諭されます。
ネットで確認すると、それは本当のことでした。
中学では仲良しで、いつも一緒に笑い合っていた「Mちゃん」が、自分をマルチに利用するなんて……
ここから結末までは、本作をご覧ください。
便利なツールも使う人次第
今回のきっかけは、Facebookでした。
Facebookを始めたとき、昔の同級生とつながるというのは、誰でも経験ありますよね。
それだけに注意が必要です。
私は、2012年にFacebookを始めて、しばらくは旧友つながりに勤しんでいました。
小学校を転校したり、中学に入るときにまた転居したりして、長くご一緒できなかったクラスメートがたくさんいたので、これは再びつながれるいいコミュニケーションツールだと思ったわけです。
が、その中で、友達を承諾しなかった人が1人いました。
どうしてだろうと「知恵袋」に相談したところ、「宗教やマルチの勧誘と思われたのではないか。ずっと連絡がなかったのが、急に来たら私だったら引く」という答えがありました。
えー、いきなり会うわけではなく、ネットを通じての接触なのに、そこまで気を回すか、と思いました。
その人が、本当にそう思ったのかどうかはわかりませんが、私は人の心がわからなくなり、それを機に、昔のクラスメートだけでなく、Facebookにおける友達増やし自体をスパッとやめてしまいました。
でも、本作を読むと、逆の立場になったら、そう警戒するかもしれません。
まあ、友達をふやさなくても、グループの投稿で、いろいろな人とやりとりはできますしね。
Facebookは、どんなふうに使われていますか。
以上、中学の友人が私に会いにきた理由(人間まお著)をご紹介します。Facebookでつながった、かつての級友がマルチ商法に誘ってきた、でした。