京都小学生殺害事件(てるくはのる事件)など重大事件の謎を論考するのは『平成日本を震撼させた重大事件未解決ミステリー』(PHP研究所)Kindle版です。過去の事件の問題点に学び、令和という時代を安全に生きぬくための一冊です。
『平成日本を震撼させた重大事件未解決ミステリー』は、グループSKITがPHP研究所から上梓しました。
近年、凶悪犯罪の「数」こそ減っているものの、「質」が変わってきているといわれています。
経済的な目的(金・物取り)や怨恨といった明確な理由とは限らず、動機が不明な少年事件も目立つようになってきました。
本書は、犯人自体が見つかっていない事件に加え、逮捕されても、「なぜ被害者家族の訴えは警察に届かなかったのか」「犯人の本当の動機は何だったのか」など、重大事件に隠された未解決の謎に焦点を当て、考察しています。
その1つは、1999年(平成11年)12月21日、京都府京都市伏見区の京都市立日野小学校で起きた京都小学生殺害事件。
てるくはのる事件、日野小学校児童殺害事件ともいわれています。
校庭で遊んでいた2年生の男児が、刺殺された事件です。
犯人は、「私を識別する記号→てるくはのる」などと記した犯行声明を現場に残し逃走しましたが、任意同行を拒絶して逃走。
高層アパートの屋上へ逃げ込んで飛び降り自殺しました。
京都府警は批判を受け、その後も大阪・池田小事件などがあり、現在はたいていの学校が誰でも放課後に遊べた運動場に入れず、校門にも鍵がかり、学校納品業者は手間がかかるようになりました。
本書は2022年9月24日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
「謎」をともなう事件を51事件リストアップ
『平成日本を震撼させた 重大事件 未解決ミステリー』は、未解決事件、起訴されてはいるものの、再審請求などが行われ謎が残るもの、動機に疑問が残るものなど、核心部分で「謎」をともなう事件を51事件リストアップしています。
その目次からご紹介します。
第1章 平成24~21年 再生の時代
01 尼崎連続変死事件(平成24年)
02 PC遠隔操作事件(平成24年)
03 慶應義塾大学学生投資詐欺 (平成24年)
04 大分県日出町連続事件(平成23年)
05 大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件(平成22年)
06 尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件(平成22年)
07 大阪西成女医不審死事件(平成24年)
第2章 平成20~16年 転落の時代
08 秋葉原無差別殺傷事件(平成20年)
09 岡山鍾乳洞地底湖行方不明事件(平成20年)
10 舞鶴女子高生殺害事件(平成20年)
11 琵琶湖バラバラ殺人事件(平成20年)
12 首都圏連続不審死事件(平成19年)
13 英国人女性講師殺害事件(平成19年)
14 京都精華大学生通り魔殺人事件(平成19年)
15 加古川小2女児殺害事件(平成19年)
16 構造計算書偽造事件(平成17年)
17 ジェイコム株大量誤発注事件(平成17年)
18 栃木小1女児殺害事件(平成17年)
19 四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件(平成16年)
20 上海総領事館員自殺事件(平成16年)
第3章 平成15~11年 停滞の時代
21 泉南郡熊取町小4女児誘拐事件(平成15年)
22 北九州監禁殺人事件(平成14年)
23 附属池田小事件(平成13年)
24 室蘭女子高生失踪事件 (平成13年)
25 世田谷一家殺害事件(平成12年)
26 西鉄バスジャック事件(平成12年)
27 新潟少女監禁事件(平成12年)
28 京都小学生殺人事件(平成11年)
29 桶川女子大生ストーカー事件(平成11年)
30 光市母子殺害事件(平成11年)
31 栃木リンチ殺人事件(平成11年)
第4章 平成10~6年 不安の時代
32 和歌山毒物カレー事件(平成10年)
33 ドクター・キリコ事件(平成10年)
34 群馬一家3人殺人事件(平成10年)
35 神戸連続児童殺傷事件(平成9年)
36 東電OL殺人事件(平成9年)
37 太田市女児行方不明事件(平成8年)
38 柴又女子大生放火殺人事件(平成8年)
39 薬害エイズ問題(平成8年)
40 地下鉄サリン事件(平成7年)
41 八王子スーパー強盗殺人事件(平成7年)
42 井の頭公園バラバラ殺人事件(平成6年)
43 福徳銀行5億円強奪事件(平成6年)
第5章 平成5~元年 転換の時代
44 八戸市女子中学生刺殺事件(平成5年)
45 埼玉愛犬家連続殺人事件(平成5年)
46 三重小2女児失踪事件(平成3年)
47『悪魔の詩』訳者殺人事件(平成3年)
48 イトマン事件(平成3年)
49 女子高生コンクリート詰め殺人事件(平成元年)
50 リクルート事件(平成元年)
51 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(平成元年)
その中で、今回は、京都小学生殺害事件(てるくはのる事件)を振り替えてみましょう。
京都小学生殺害事件(てるくはのる事件)とは
本日は12月21日。
【てるくはのる事件】
1999年12月21日、京都府京都市伏見区の京都市立日野小学校の校庭で遊んでいた男児(7歳)が文化包丁で首など十数箇所を刺され殺害された。当時校庭には、約30人の児童がいたがその後、犯人は「私を識別する記号→てるくはのる」などと記した犯行声明を現場に pic.twitter.com/fe2O6YmOMJ— あんかけナポリ (@napori_ankake) December 20, 2021
京都日野小学校男児殺害事件、別名てるくはのる事件は、1999年(平成11年)12月21日午後2次頃に、京都府京都市伏見区の京都市立日野小学校で起きた殺人事件です。
校庭で遊んでいた2年生の男子児童に、21歳の男がいきなりナイフで切りつけ刺殺しました。
犯人は自転車で逃走。
その際、現場には凶器のナイフや農薬入りのビン、金槌など数点の品物の他、犯行声明と見られる手書きのコピー6枚が残され、声明文にはこう書かれていました。
この声明文により、事件は「てるくはのる事件」とも呼ばれるようになりました。
「てるくはのる」という暗号のようなこの言葉の謎、また事件が酒鬼薔薇事件を模倣しているといわれ話題になりました。
マスコミや大衆は、その謎の特定に熱中しました。
しかし、事件の容疑者割り出しはさほど難しいものではなく、警察では遺留品の線から容疑者を割り出していました。
警察は、学校から約300メートル離れた公園で、犯人のものと思われるズボン、青いフードの付いたジャンバー、バイク用の手袋、黒い目出し帽、自転車、新品のナイフを発見。
自転車の防犯登録番号から、登録された住所を追っていくと、そこは近くのビデオ店でした。
そして、事件発生から9日後の12月30日。
現場から約4キロ離れたホームセンターで、事件2日前に凶器と同種のナイフや農薬を購入する男の姿が防犯ビデオに写っていたため、同区に住む浪人生(当時24歳)が浮かび上がったのです。
翌平成12年(2000年)1月28日、京都府警はホームセンターの防犯カメラに映る男の写真を公開しました。
しかし、警察はこの時点で、自宅浪人している男をマークしており、殺害動機などを調査中。
男は卒業した高校や教育制度に不満をいだいており、卒業を取り消してほしいと言っていたそうです。
翌2月5日午前7時に、京都府警伏見署の捜査員6名が任意同行を求めます。
男は同行を拒否したものの、同居の母親の説得で自宅から200メートル離れた公園でなら話をすることを了承。
午前10時半には、捜査員の要請で、母親も任意同行を説得。
午前11時には家宅捜索を行ない、犯行を示唆するメモが見つかったり、自転車を購入した時の名義(偽名)が記されていたので、逮捕状が申請されました。
しかし、午前11時50分頃になって、男は持っていたリュックサックを捜査員に投げつけて逃走。
近くの13階建て公団住宅に逃げ込み、約1時間後の12時40分、逮捕状が出る5分前にマンションの屋上から飛び降り自殺しました。
結局、男からは何も話を聞いていないので、被疑者死亡につき不起訴処分。
起訴されていないので、未解決事件扱いです。
『「てるくはのる」の謎』は、解読したと自称する声もありましたが、アナグラムで意味はなかったと言われています。
本人の書物からは、高校中退にしてほしかったのに、心太式に卒業させられ大検を受けられず、勉強の意欲を失ったと言われます。
しかし、大検で苦労するよりは、卒業証書をもらったほうが楽ですし、勉強したいのなら、その分受験勉強に集中できたのではないでしょうか。
いずれにしても、任意同行を求めている最中に犯人に逃走され自殺されてしまうのは、警察としては失態です。
京都府警は批判を浴びました。
それにしても、男子児童はただ遊んでただけなのに事件の犠牲者に。
これも仏教的には「因」と「縁」なんでしょうか。
だったら、もうちょっと違った形で違ったタイミングの「縁」だったら、こうはならなかったのではないかと思います。
人生は偶然と必然と言いながらも、酷さで納得できない気持ちです。
みなさんは、いかが思われますか。
以上、京都小学生殺害事件(てるくはのる事件)など重大事件の謎を論考するのは『平成日本を震撼させた重大事件未解決ミステリー』、でした。