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『人間やめますか』(薬物依存症)など、5作の漫画を収載したのが『難病が教えてくれたこと3~身近な毒物と現代病~1巻』です。

『人間やめますか』(薬物依存症)など、5作の漫画を収載したのが『難病が教えてくれたこと3~身近な毒物と現代病~1巻』です。

『人間やめますか』(薬物依存症)など、5作の漫画を収載したのが『難病が教えてくれたこと3~身近な毒物と現代病~1巻』です。人気レディースコミック雑誌『家庭サスペンス』で連載していた『知られていない難病シリーズ』の電子書籍版です。

『人間やめますか』は、夫と子供からの非難がきっかけで手にしたダイエット薬が、心が明るくなって家事がはかどり、性的快感が高まると安全な薬だと思ったのに、その正体は恐ろしい覚せい剤だった、という恐ろしいストーリーです。

幻覚や不眠など、確実に身体を蝕んでいく薬物の恐怖や、周囲の支えによって薬物依存から更生していく家族の姿が描かれています。

『難病が教えてくれたこと3~身近な毒物と現代病~1巻』(なかのゆみ著、笠倉出版社)に収載されています。

人気レディースコミック雑誌『家庭サスペンス』で連載していた『知られていない難病シリーズ』の電子書籍版です。

本書は2023年2月2日現在、KindleUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

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覚醒剤依存症になり離婚

「悠斗!!『授業参観のお知らせ』のプリントを、どうしてゴミ箱に捨ててあるの!」

妻の体重・体格を巡る、一家の言い争うから始まります。

「来なくていいよ。お母さんが来ると、恥ずかしいよ。ブタじゃないか。ドシドシ音を立てて歩くし、すぐ汗をかくし、ブサイクだし」と息子。

「そうだよ。悠斗の云うとおりだ。ダイエットして、またリバウンドして、ますますブタになってるよ。オレだって恥ずかしいよ」と夫。

「こ、今度こそ痩せてみせるわ」

「何度も聞き飽きたよ、そのセリフ。結婚詐欺だよ、こんなはずじゃなかったのに」

「首がなくてみっともない。そのお腹、鏡を見たことあるの。100kg以上あるなんて考えられないよ」

夫や息子に散々言われた妻。

さすがに、ひどい言い方だと思いますが、100kg以上あるというのはすごいですね。

妻は職場で同僚から、「すぐに痩せられる薬があるわよ」と勧められます。

「2万円だけどいい?」

同僚から買った「薬」は、スプーンに乗せて、下からライターの火で炙って嗅ぐといい、といわれます。

「食欲がなくなるから、一番効くわよ」

その晩。

「お母さん、どうしたの。元気だね」

「うん、とっても体が軽いの。悠斗の好きなチーズハンバーグ、作ったよ」

「お母さん、食べないの?」

「ダイエットしているからね」

「そう言って、いつも夜中に食べるじゃん」

「いいえ、食べないわよ」

妻は、「薬」のせいで、本当に食べたいとは思いませんでした。

それだけでなく、なにを言われても楽しい。心が高揚していてウキウキして何でもできそう。

ご飯も食べずにせっせと掃除を始めます。

夫が帰ってきて、「珍しいな。部屋がきれいになってる」

「掃除ダイエットよ」

夜になると、夫の上に裸でまたがっています。

「おいおい、どうしたんだ。変だぞ」と夫。

「だって気持ちいいんだもん。あー、若い頃のようにめちゃくちゃ感じる」と、止まることなく腰を上下に振り続ける妻。

「疲れてんだ。いい加減にしてくれよ」

「私ちっとも眠くない。朝まで楽しみたいのに」

3日後、体重は5kgも減りました。

「今までいろんなダイエットしてきたけど、こんなにすごいのははじめて」

しかし、その反動で、体はたいへんだるくなっていました。

なら、やめればいいのですが、ダイエット効果や、体に羽が生えたような気分を実感したため、むしろ拍車がかかります。

同僚に、追加で注文するのです。

たぶん、量は3日分以上だったのでしょう。

同僚は、怖くなり、「あれはやばい薬だから自分で買って」と手を引きます。

妻は、もらったメモを元にネットを検索。

すると、違法な「薬」が隠語で売られていました。

「あー、覚醒剤だったんだ。どうしよう。やめなくちゃ。でも、ダイエットしなきゃ、でもいけないことだし。」

思うに、この時点でもはや「ダイエット」は、自分自身を納得させる口実でしょう。

さすがに、ダイエットと引き換えに、お手々を後ろに回すようなリスクを背負いたいとは思わないんじゃないでしょうか。

本音は、「体に羽が生えたような気分」が忘れられなくなっていたのだと思います。

そのためなら、犯罪者になるリスクもかまわないと、すでに理性は壊れているのです。

「でも、痩せるためというのは、誰にも迷惑をかけることではないから、もう1回だけ」

この「もう1回だけ」というのが、だめですよね。

「都内手渡し0.6g。これにしてみよう」

「薬」は、男が住宅地に約束通りきて、白い粉をくれたと書かれています。

たちまち、高揚感で満たされていきます。

頭の中で花火が上がり、息子も夫もいない間にCDをかけてダンスダイエット。

あー楽しい楽しい。眼の前がカラフル。音がキラキラしている。

雲の上で地球を飛び回っているような気持ち。

そして1ヶ月後。

体重は83kgに。

しかし、やはりその反動で、薬が切れると体がだるくなり、集中力もなくなります。

「覚醒剤にはまり込んだら、仕事も家庭も、みんななくしてしまうわ。がまんしなきゃ、もう本当にやめなきゃ」

とは思っているのに、結局やめられません。

気がつくと、また注文。もう100万以上使っています。

「これだけあれば、しばらく注文しなくて済むわ」って、全然止める意思なし。

痩せたことで、「きれいになったね」と褒められたことも、やめられない理由の一つになってしまいました。

そんな頃、「薬」の道を作った同僚が、彼氏の転勤についていくことになり、退社することになりました。

お別れ会に参加した妻は、そこで覚醒剤をうたれ、見知らぬ男と関係してしまいます。

外泊したことで、心配している夫と息子。

「もしかして事故にあったとか」

「そうだな。警察に連絡したほうがいいかもな」

そんなとき、フラフラ~ッと帰ってきた妻は、「気分が悪くてクラクラする」と言い、倒れたひょうしに机に頭をぶつけて流血。救急車で運ばれます。

妻は、薬物使用がバレるといけないと考え、尿検査を「出なかった」とごまかし退院しますが、その後は幻覚を見るようになり、職場でも家庭でも挙動不審が続きます。

刃物を持って暴れだしたので、またしても救急車で運びますが、そこで覚醒剤依存症が発覚。

いったん覚醒剤依存症になってしまうと、生涯治らないと医師はいいます。

しかも、送別会で関係したときの男の子どももお腹に宿しているというではありませんか。

定期預金は、夫に内緒で230万円使われていました。

夫は、息子に言い聞かせます。

「お母さんは、もうこの世にいないと思ってくれ。今は入院中だが、退院したら警察に行くことになる。覚醒剤に手を出して中毒になっているんだ。悠斗はもう中2だから、母親がいなくてもちゃんとやれるよな」

「いきなりそんなこと言われても。お母さんは病気なんでしょ」

「オレは我慢できない。許せない。今まで、オレたちをずーっと騙してたんだぞ」

さすがに、この時、腹には別の男の子を宿している、とまでは言わなかったんですね。

1ヶ月後、夫が離婚届を持ってきます。

その後も幻覚を見て暴れ、子どもは流産しました。

退院の日には、息子がやってきます。

息子は、母親の日記を読み、「僕が太っててみっともないと言ったせいだ」と自己批判し、母を許すといいます。

まあ、夫と息子は立場が違いますからね。

裁判は、初犯ということで執行猶予が付きました。

妻は、もとい元妻は、祖母と息子と、田舎で静かに暮らしたというエンディングです。

知らないばかりにその人を誤解する生涯や難病

本書は、『身近な毒物と現代病』をテーマに、以下の5作が収載されています。

『難病が教えてくれたこと』(なかのゆみ、笠倉出版社)は、全17冊にわたって難病や障害と向き合う家族を描いた短編マンガ集です。

『難病が教えてくれたこと』(なかのゆみ、笠倉出版社)は、全17冊にわたって難病や障害と向き合う家族を描いた短編マンガ集
『難病が教えてくれたこと』(なかのゆみ、笠倉出版社)は、全17冊にわたって難病や障害と向き合う家族を描いた短編マンガ集です。人間はいつ誰がそうなるかわからないし、そうなってもおかしくない。そんな厳しい人生の偶然を考えさせてくれます。

全17冊にわたり、認定されている難病、まだ認定されていない難病、そして障害などと向き合う家族の話を描いています。

一話完結で、1冊あたり3~5話が収録されています。

本書が話題にしたものだけでも、これだけあるのです。

世の中には、この何倍も難病や障害があります。

知らないばかりにその人を誤解していた、ということもあるので、こうした物語は理解を助けてくれます。

本シリーズは全17巻で完結と言わず、続編に期待したいと思います。

薬物中毒だったんだから妻を許してやれと思いますか?

ということで、離婚してしまったわけですが、夫も息子のように、妻を許すべきだった、という意見はあるかもしれませんね。

いやー、でも、それはさすがにむずかしいなあ。

漫画では描かれませんでしたが、当然、家宅捜索され、夫もしっかり取り調べは受けたはずです。

夫の社会的立場も脅かされたでしょうね。

夫や息子は、妻を言葉で追い詰めたかもしれませんが、それは、そこまで制裁を受けなければならないことなんでしょうか。

そもそも、妻の自己管理の甘さから始まったことですよね。

太りやすい人は、3歳までに脂肪細胞ができあがっているといわれます。

つまり、そうでない人と比べても、同じものを食べても体重の増え方が違うわけです。

でも、だったらなおさら、自己節制は必要ではないでしょうか。

ビジネスの世界では、太っていると云うだけで自己管理能力を疑われ、信用もされず大事なポストにもつけない、ということだってありますよね。

何より、覚醒剤を買うために溶かした貯金は、自分のへそくりではなく、家庭のお金だったわけですよね。

これは絶対まずいでしょう。

一家のお金を使うのに、配偶者に黙っているという時点で、配偶者を裏切っているではありませんか

こんなだましは、覚醒剤でなくても、犯罪に至らなくても、別の男の子を孕まなくても、アウトですよ。

ですから、覚醒剤のところだけにフォーカスして情状酌量というのは、間違っていると私は思います。

私だったら許しません。

みなさんは、いかがお考えですか。

以上、『人間やめますか』(薬物依存症)など、5作の漫画を収載したのが『難病が教えてくれたこと3~身近な毒物と現代病~1巻』です。でした。


難病が教えてくれたこと3~身近な毒物と現代病~ 1巻 (家庭サスペンス) – なかのゆみ

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