医師が教える最強の間食術(鈴木幹啓著、アスコム)は、健康的な間食として主にダークチョコレートの効用について焦点を当てています。ダークチョコレートとは、カカオが70%以上含有されたもので、GI(血糖指数)が低い最適の間食と言います。
本書『医師が教える最強の間食術』は、健康的な食事法に焦点を当てています。
食事と言っても、間食の重要性です。
間食は健康に悪いと考える人もいますが、適切な量で摂ることで、体にいい栄養素を補給できまるといいます。
食事や運動の前、休憩中、食後など、自分の生活リズムに合わせて、無理のない時間に健康的な食べ物を「間食」で摂ることが大切としています。
その際、あまり気にせず間食していいものには、GI(血糖指数)が低いものがあります。
GIとは、食後の血糖値上昇を示す指標で、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)といいます。
GIは、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖濃度を計ったものです。
具体的には、バナナやフルーツ、高カカオチョコレートなどが挙げられます。
本書はその中でも、高カカオチョコレートを勧めています。
高カカオチョコレートは、ダークチョコレートとも呼ばれ、カカオの含有率が70%以上のものをさします。
チョコレートと言うと、甘いものというイメージがありますが、それは、カカオ豆由来のココアバターやカカオマスに、砂糖、香料などを加えて固めているからです。主たる原料の、カカオマスというカカオ豆の脂肪分は、決して甘いものではありません。
げんに、カカオ100%のチョコレートは、酸味と苦味がとても強い味で、カカオ豆本来の風味を楽しめるものの、目的がないと口に入れるのも苦痛かもしれません。
ブラックコーヒーと、微糖コーヒーの健康効果は、あまり違わないといわれていますが、チョコレートも、必ずしもカカオ100%のチョコレートでなければ駄目だというわけではなく、カカオの含有率が70%以上のものは、健康食品ということです。
本書は、高カカオチョコレートについて、適度な量を食べることで、間食が体にいい栄養素を補給する最高の機会であることを解説しています。
3食、毎日体にいいものを食べ続けるのは大変ですが、健康のために、サプリメントよりもおいしい間食を摂ることが継続しやすい健康法といいます。
本書では、具体的な間食の選び方や食べ方について詳しく解説されています。
この本は、健康に興味のある方々にとって有益な情報を提供しています。
様々な健康効果を期待できる「間食」
チョコレートといえば、楽器で言えばピアノのようなものです。
ピアノがそれ単独の演奏でも、オーケストラの伴奏役としても使われるように、チョコレートの使い道もいろいろあります。
板チョコやエアロチョコのように、それ単独で食べるだけでなく、ヌガー、ナッツ、ビスケットなど、センターの上にチョコレートをコーティングしたエンローバーチョコ、ココア、チョコレートを使ったチョコ菓子などもあります。
本書によると、ダークチョコレートには、ビタミ化、亜鉛、カリウム、などのミネラルや、食物繊維などが豊富に含まれているといいます。
ビタミンEやナイアシン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リンなどが含まれており、特にカルシウムとマグネシウムのバランスが良いことが注目されています。
食物繊維は腸の働きを活発にし、便通を改善する効果があります。特に高カカオチョコレートにはリグニンという食物繊維が含まれています。
チョコレートの口溶けの良さは、カカオ豆に含まれるココアバターという脂肪酸で、飽和脂肪酸が多く含まれており、適量であれば脳卒中のリスクを低減する可能性があるといわれます。
カカオのポリフェノールには、チョコレートの色や苦味の元であり、抗酸化作用があるとされています。
ストレス軽減やアレルギー反応の改善、動脈硬化の予防など、若返りや血液のきれいになる効果など、さまざまな健康効果が期待されています。
チョコレートに含まれるテオブロミンという成分は、カフェインによく似た物質で脳を刺激します。
心臓血管や中枢神経に作用して、リラックス効果がある健康成分として宣伝されています。
ことほどさように、チョコレートには、さまざまな栄養成分が含まれており、それぞれが私たちの健康に役立つ可能性があります。
チョコレートにありがちな誤解
子どもの頃、チョコレートをたくさん食べるとよく言われませんでしたか。
「チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出るよ」
まことしやかに鼻血説を強調する人々には、チョコレートにチラミンという成分が含まれていることを根拠としています。
チラミンというのは、神経からノルアドレナリンという副腎から血液に放出されるホルモンのことだそうです。
これによって、血圧の上昇や血管の急激な収縮・拡張などがおこります。
そこで、粘膜が腫れたり血管が破れたりすることにつながるというわけです。
もっとも、それはチョコレート以外にもチーズ、赤ワイン、バター、筋子、トリレバーなどに多く含まれているもので、食べ物に含まれる量程度では、鼻血や粘膜の腫れなどは起こらないといわれています。
まあ、カリウムが含まれているからと言って、果物を食べて腎不全にならないか、と心配するようなものでしょう。
ただ、MAO阻害剤と呼ばれる取り扱いの難しい抗うつ薬と、チラミン含有量の多い食品を一緒に摂取すると、血圧が上がるという報告はあるそうです。
まれにチョコの食べ過ぎで頭痛が起こる場合などはそれを疑う人もいますが、まあそれも懐疑的ですね。
ちなみに、性的な興奮状態で鼻血が出るという話も俗説です。
いずれも、医学的には根拠のない都市伝説とされています。
そういう食べ物事大主義は、フードファディズムの一種だと思います。
いずれにしても、今回の趣旨は間食ですから、健康な人が常識的な量を食べる分には問題ないとのことです。
間食に、チョコレートは食べていますか。
以上、医師が教える最強の間食術(鈴木幹啓著、アスコム)は、健康的な間食として主にダークチョコレートの効用について焦点を当てる、でした。