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『妻、小学生になる』(村田椰融、芳文社)は、10年前に亡くなった妻が、ある日生まれ変わった小学生になって帰ってきた話です

『妻、小学生になる』(村田椰融、芳文社)は、10年前に亡くなった妻が、ある日生まれ変わった小学生になって帰ってきた話です

『妻、小学生になる』(村田椰融、芳文社)は、10年前に亡くなった妻が、ある日生まれ変わった小学生になって帰ってきた話です。 『週刊漫画TIMES』にて不定期連載され、2022年1月21日からTBSテレビにてテレビドラマ化されています。

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「ありえないかもしれないけど、できれば本当にあってほしい」

『妻、小学生になる』(村田椰融、芳文社)は、私が毎回楽しみにしている漫画です。

前回ご紹介した『セブンティウイザン~70才の初産~』(タイム涼介、新潮社)は、テレビドラマ化されてから原作を読みました。

『妻、小学生になる』は、2022年1月からテレビドラマ化されていますが、以前から「これは面白い」と思い読んでいました。


2つとも人気漫画ですが、モチーフには共通点があります。

「ありえないかもしれないけど、できれば本当にあってほしい」という思いから、感情移入できる作品ということです。

愛する人を突然失い、人生消化試合になっている時、その人が蘇ったらどんなに嬉しいでしょう。

それを漫画で実現してくれているのが、『妻、小学生になる』です。

10年前に亡くなった妻が小学生になって帰ってきた

新島圭介は、娘の麻衣と2人暮らしです。

妻の貴恵は、10年前に早逝しました。

以来、圭介は魂の抜け殻になったような消化試合人生を送っています。

そんなある日、娘とコンビニ弁当の夕食を食べていると、ピンポーンという音が。

夫が出てみると、ランドセルを背負った小学生女子。

しかも、「ただいま」と。

「……えっと 君……。どこか他の家と間違えて……」

「間違えてないわよ!ここは私の家!私は新島貴恵!あんたの妻!麻衣の母親!」

小学生は、夫がプロポーズした場所、結婚記念日、家族旅行など、妻でなければ知り得ないことを知っており、貴恵であることを否定しようがありません。

「小学生の貴恵」が言うには、亡くなった年に輪廻転生で、別の夫婦に宿った生命に転生して、また人生やり直しているのではないか、たまたまこの近くを通ったら、急にパーッといろいろ思い出してきちゃった、とのこと。

以来、貴恵は圭介にお弁当を作ってあげます。

圭介の勤務先では、圭介が急に明るくなり、お弁当まで持ってくるようになったので、「再婚フラグがたった」などといわれていますが、それを気にしているのは、女性社員の守屋好美。

圭介の娘の麻衣とほぼ同世代ですが、圭介のことが気になって仕方ありません。

ベンチで、貴恵の作ったお弁当を食べる圭介に、「お弁当友達」になってほしいと申し出て、一緒にお弁当を食べ、ときには圭介の分まで作ることも。

圭介は、「小学生の貴恵」を、人前でもすっかり以前の貴恵のように扱おうとしますが、周囲から見れば小学生。

貴恵は何度も注意しますが、圭介は、せっかく夫婦でいられる貴重な時間を、ごまかしや演技に費やしたくないと言い、自分を好きすぎる圭介に呆れながらも、貴恵も満更でもない様子です。

貴恵自身、本当は見ることができなかったはずの、夫と娘の成長を見られることが、「正直……めちゃくちゃ嬉しいわ」と言っています。

ただ、「小学生の貴恵」は別の家族である小学生・白石万理華であるだけに、たんなる家族の再会ではなく、いろいろややこしい展開も待っていそうです。

貴恵である万理華と夫・圭介の結末は……

亡くなった人が、別の人にのりうつったり、特定の人には見える形でこの世に復活する話は、これまでにも映画やドラマでしばしば使われた設定です。

前者では、私の記憶では『天国から来たチャンピオン』という洋画がそれにあたります。

主人公の男性は2度亡くなってしまうのですが、また蘇り恋人と再会します。

ただし、それまでの記憶はすべて失われています。

後者は、私が見たものですと、たとえば『あなただたけこんばんは』(1975年7月26日~1975年9月27日、フジ)という、倉本聰さんが脚本を担当し、若尾文子さんが主演したドラマがあります。

妻(若尾文子)は、夫(藤田まこと)のことが心配で極楽浄土できず、現世に残っています。

ただし、誰にでもその姿が見えるわけではなく、夫の兄(中条静夫)が寝ている時に枕元に現われ、兄は若尾文子さんの話を誠実に聞いてあげます。

最後は、夫が再婚するのを確認して浄土しました。

さて、『妻、小学生になる。』は、現在単行本は第9巻までキていますが、まだ最終話ではありません。

では、結末はどうなるのでしょうか。

これまでの「亡くなった人が蘇る」話を考えると、私の予想では、貴恵こと万理華は、夫や娘が自分の死を乗り越えたことを確認して、妻としての記憶を失い赤の他人の小学生として生きていく。

つまり、若尾文子さんの演じた役のように、貴恵のタマシイは役割を終えて浄土する、というのが常識的な結末ではないかなと思います。

万理華が貴恵としての記憶を残したまま、つまり人格的には貴恵のままなのに、夫と別れて別の人生を進むというのは考えにくいですし、かといって小学生が18歳になるのを待って改めて圭介と結婚するというのも、あまりにも出来すぎのストーリーになってしまいます。

亡くなった人は戻らない、という哲理をくずして安易に結婚させめでたしめでたしでは、作品の価値も失われてしまうような気がしますが、いかがでしょうか。

まあ、このへんは読者によって意見も希望も様々かと思います。

『妻、小学生になる』(村田椰融、芳文社)は、AmazonKindleUnlimitedで、第1巻が読み放題リストに入っています。

また、amebaマンガ、まんが王国、コミックシーモア、U-NEXTなどでも第1巻を無料で読むことができます。

以上、『妻、小学生になる』(村田椰融、芳文社)は、10年前に亡くなった妻が、ある日生まれ変わった小学生になって帰ってきた話です、でした。


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