姫ウズラ飼育日記:改訂版ガタピシ車でいこう!!(山本マサユキ著)は、漫画家である著者が飼育するヒメウズラとの日々を描いたKindleです。ヒメウズとの出会いから飼育上のノウハウやエピソード、そして改訂版として初版リリース以降のウズラの近況を報告しています。
『姫ウズラ飼育日記:改訂版ガタピシ車でいこう!!』は、漫画家の山本マサユキさんが個人で上梓したKindleです。
初出は、2010年に編集プロダクションの㈱プロスタッフによって出版された『ヒメウズラの飼育日記』を、著者の山本マサユキさんが加筆・再編集して再出版したといいます。
そこで、タイトルに「改訂版」とついているわけです。
ウズラは、鳥類のウズラ科に属する小型の鳥で、世界中に広く分布しています。
ウズラ科には、ウズラ属(Coturnix)という属があり、日本には並ウズラとヒメウズラの2種類が生息しています。
ウズラの体形は、全長15cmから20cmほどで、くちばしは短くて丸く、体色は茶褐色から灰褐色で、胸部には斑点模様があります。また、オスとメスでは体形や羽毛の色が異なる場合があります。
ウズラは、草の種子や昆虫、小型の節足動物などを食べます。
また、繁殖期には、オスは「ウッウッウッ」という鳴き声を発し、メスと求愛行動をします。
卵は約17日間で孵化します。
スーパーで売っている、中華丼にのっている卵は、並ウズラの卵です。
そこで、ネットのブログやYouTubeやSNSでは、スーパーの鶉卵を、市販の、もしくは自作の孵卵器を使って自力で孵化して育てるという体験を発表する人が多くいます。
ただし、スーパーのパックに有精卵が入るのはイレギュラーで、確率は高くて1割、つまり10個1パックで1個あれば「御の字」という程度です。
まあ、だからこそ、チャレンジしてみたくなるわけですけどね。
その並ウズラの、3/4ぐらいのサイズがヒメウズラです。
かいぬち〜見て見て!ぼくおいしいもの持ってるんだ✨🌽ϵ( 'Θ'🟤)϶#ヒメウズラ #kingquail pic.twitter.com/OskQN3OEHv
— seko (@SeiPika) April 7, 2023
ヒメウズラというのは、ネットでも話題のペットです。
並ウズラ自体が、片手で捕まえられるサイズで、しょっちゅう飛び回らないので扱いやすいから人気があるのですが、ヒメウズラはそれと比較してもより小さく、鳴き声もより小さく、匂いもより少ないといわれています。
ものすごくなつきやすい、というわけではないのですが、刷り込みで親と思い込むと慕ってきます。
そして、並ウズラのように市販はされていませんが、卵は私たちの食用にもなり得ることから(←そういう人がいるというだけで推奨はしていません )、まるで食材になる植物を育てるような興趣で、ヒメウズラを一般家庭でペットにすることは、ポピュラーなものになっています。
著者の山本マサユキさんは、仕事中に逃避(?)でネットの動物関連のサイトを見ていて、偶然ヒメウズラを発見。
卵から飼ってきて、仕事をしながら飼育します。
その日々が漫画で綴られています。
本書は2023年4月15日現在、KindleUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
並ウズラは家禽としての届け出が必要だがヒメウズラはペット
並ウズラとヒメウズラは、どちらも鳥類のウズラ科に属する小型の鳥であり、「ウズラ」として体形や生態などの面で多くの共通点があるものの、いくつかの特徴的な違いがあります。
まず、外見の違いについてですが、並ウズラは全長約20cmで、頭部や喉、胸部が黒褐色で、その他の部分は灰褐色の羽毛で覆われています。
一方、ヒメウズラは全長約15cmで、頭部が赤褐色で、腹部が白い羽毛で覆われています。
また、ヒメウズラは並ウズラよりも全体的に小柄で、くちばしも細く短い傾向があります。
正直、インコや文鳥のクチバシは立派で、威嚇されたり、向こうはジャレたりしているつもりかもしれませんが、ツンツンと突かれれば痛いです。
もちろん、ウズラもクチバシはありますが、それに比べれば「侵襲性」は低いでしょう。
生態面では、並ウズラもヒメウズラも、草の種子、キャベツなどの葉、小型の昆虫(ミルワーム)などを食べます。
鳴き声の違いもあります。
並ウズラは「コッコッコッコッ」という鳴き声を発し、ヒメウズラは首を伸ばして「キュッキュッキュッ」という比較的高い鳴き声を発します。
飼育上、最も気をつけなければならない大きな違いは原産地でしょう。
並ウズラは日本、姫ウズラは東南アジア原産です。
ということは、姫ウズラの方が、気温の高いところで育つということですから、飼育する場合は並ウズラ以上に保温器具が重要になります。
産む卵の柄は、並ウズラがスーパーで売っているシマヒョウのような柄で、姫ウズラは無地です。
並ウズラは、鶏と同じで家禽として都道府県に届けなければなりませんが、並ウズラはその必要がありません。
家禽としての歴史が長い分、並ウズラはメスでも抱卵しません。
一方、ヒメウズラは抱卵することもあります。
以上のように、並ウズラとヒメウズラには、体形や外見、生態、鳴き声などの面でいくつかの違いがあります。しかし、両者はどちらも小型の鳥であり、日本を含むアジア地域で広く見られる鳥の一種です。
温度に気をつけて、なるべく一匹飼いは避ける
ヒメウズラの説明が長くなりましたが、著者は手のひらに乗る小ささ、成長してもヒヨコのような体型、多数の羽色を持つ個体などに関心をいだき、ペットショップに行きましたが、2004年頃はまだマイナーなペットで、手に入れることができませんでした。
そこで、加温するだけの簡単な孵卵器を自作し、卵を自分で孵化させることにしました。
適温は37.5度。湿度70%。
温めるだけでなく、3時間ごとに転卵します。
昼も夜もですから。
これが大変ですよね。
私たちが孵化させるなら、やはり温度・湿度管理とともに、自動転卵する孵卵器を使ったほうがいいと思います。
14日間続けます。
そして、孵化予定日の17日目。
10個中、唯一孵化したヒナは、ピヨ吉と名付けます。
オスだと思ったんですね。
でも実はメスでした。
卵を生んでから気づいたのです。
刷り込みがあったようで、著者が席を外すとピーピー鳴くそうです。
大きさは1円玉に乗る程度。
でも、一匹飼いすると、自分は人間と思ってしまうらしく、著者が後からヒナを孵化させて追加しても、仲間に入らなかったそうです。
一匹飼いは良し悪しとは、よくいわれますね。
その後は、どんな餌や器具を使ったかが書き記されています。
そして、その半年後には、総勢11羽に。
追加したヒメウズラには孫もいるとか。
しかし、ピヨ吉は結局結婚できなかったそうです。
ここまでが、初版で描かれていたこと。
今回の「改訂版」は、その続きが描かれています。
ヒメウズラの寿命は5年。
卵を産むメスは3~4年と言われています。
ピヨ吉は5年9ヶ月生きたそうです。
ベタ慣れすると、お別れが悲しいので、「鳥と人間の境界があるぐらいで慣れてくれたら良いかな」と思っているそうです。
ということで、ヒメウズラを飼っている人、これから飼いたい人なら、ぜひ読んでおきたい1冊ですね。
ペットを飼うことは、先日ご紹介した「脳番地」を鍛えるためにも良いそうです。
以上、姫ウズラ飼育日記:改訂版ガタピシ車でいこう!!(山本マサユキ著)は、漫画家である著者が飼育するヒメウズラとの日々を描く、でした。