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『実録! 北九州監禁殺人事件』(空路著、ぶんか社)は、2002年3月に北九州市小倉北区で発覚した監禁・連続殺人事件の漫画化

『実録! 北九州監禁殺人事件』(空路著、ぶんか社)は、2002年3月に北九州市小倉北区で発覚した監禁・連続殺人事件の漫画化

『実録! 北九州監禁殺人事件』(空路著、ぶんか社)は、2002年3月に北九州市小倉北区で発覚した監禁・連続殺人事件の漫画化です。マインドコントロール、サイコパス、アフェクションレスキャラクターなど、社会心理学的なキーワードが話題になりました。

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マインドコントロール絡みの犯罪は根絶が困難

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北九州一家監禁殺人事件(2002年)は、男女7人が死亡した日本犯罪史上最悪の事件と言われました。

主犯の男は、内縁の女らをマインドコントロールの手法を使い、自らは手を汚すことなく、一室で女の両親や妹一家を監禁し、子どもまで残らず殺害させた事件です。

殺害後は、やはり自らは手を汚すことなく、残った人間に遺体処理をさせ、魚の餌にするになどして証拠を消しました。

その事件が、今月で発覚から20年になります。

しかし、その後も兵庫県尼崎市の連続変死事件など、マインドコントロールを使った事件は後をたちません。

それはどうしてか、ということを、マインドコントロールを研究する立正大の西田公昭教授(社会心理学)のインタビューで構成した記事です。

西田公昭さんは、こうコメントしています。

想像を絶し人々がまさかそんなことが起こるとは思えないからだろう。ナイフを突きつけられるようなケースと違い、恐怖を想像しにくいことが原因になっていると考える。近年も篠栗町で5歳児が餓死した事件が発生しているが、子どもを死なせてしまった母親の心理状態は想像しづらいと思う。教訓が残りにくい。

Web掲示板でも、「なぜ逃げられないのか、おかしい」という書き込みを見かけますが、逃げられれば最初からそうしていますよね。

この問題に詳しい弁護士の紀藤正樹さんからは、次のような話を伺ったことがあります。

最近でこそ、マインドコントロールという言葉が当たり前のように使われるようになったが、それは統一協会の山崎浩子さん脱会騒動からで、それまでは司法関係者でも全く理解がなかった。

今も、たとえば壺やインチキ霊能商品を売りつけた経済的な問題は取り締まることができるものの、勧誘についてはまだグレーゾーンで刑事的に処罰するのはむずかしい、と。

企業のスカウトや、政党・政治団体のオルグが合法で、宗教団体の勧誘が違法とすることについて合理的な説明をつけることはむずかしいということですね。

ということで、本日は、『実録! 北九州監禁殺人事件』(空路著、ぶんか社)をご紹介します。

北九州監禁殺人事件については、別の漫画をすでにご紹介済みです。

北九州一家監禁殺人事件(2002年)は日本犯罪史上最悪の事件と言われましたが、それを漫画化したのが『殺人犯の正体』です
北九州一家監禁殺人事件(2002年)は日本犯罪史上最悪の事件と言われましたが、それを漫画化したのが『殺人犯の正体』です。残酷な事件のため、テレビでは自主規制が敷かれたいわくつきの事件だったので、改めて犯人の人格や事件の詳細が明らかになりました。

犯人の男は、Wikiによると、「病的な嘘吐きで自意識が強く目立ちたがり屋。饒舌でいくつもの顔を持ち、エリートを演じる傾向がある。礼儀正しく愛想が良いが、猜疑心・嫉妬心が強い(アフェクションレスキャラクターの傾向) 。異常なまでに執念深く嗜虐的。」といいますが、それが実にわかりやすく描かれていました。

残酷な事件のため、テレビでは自主規制が敷かれたいわくつきの事件だったので、漫画によって改めて犯人の人格や事件の詳細が明らかになりました。

今回、別の作家によって、別のプロットによる事件の紹介漫画になるわけですが、いろいろな作品を目にすることで、改めて事件の悪質さを確認したいと思い、ご紹介します。

プレッシャーに負けずに証言して立件

本書のオープニングは、1995年。

宮崎さんと娘の理緒ちゃんの父子家庭に、親切にする「金森さん」が登場します。

金森というのは、事件の主犯です。

金森は、新しい事業に宮崎さんを誘うのですが、外で打ち合わせをするのも面倒だから自分の家に住みませんか、と提案します。

いくら事業のパートナーと言っても、打ち合わせのために、血縁関係もない赤の他人の別世帯を、知り合って3ヶ月で迎え入れるというのは常識的に考えにくいのですが、金森は宮崎さん父子に親切にする「感じのいい人」として振る舞い、信用させてしまいます。

本書によれば、父子家庭で寂しかった理緒ちゃんは、「にぎやかな共同生活を楽しんでいた」と、共同生活を当初は歓迎したように記載されています。

事件というのは、被害者も加害者も、「ほしのもと」や性格の弱いところがきっかけとなるのかもしれません。

もっとも、主犯の金森は、上掲の記事でもご紹介したようにサイコパスといわれ、親の教育や躾や家庭環境だけでは説明のつかない、先天的な欠陥があるのですが。

この時点で、理緒ちゃんが気になっていたのは、金森の(内縁の)妻・明美が「本当にしゃべらない人」であったこと。

漫画では、新聞報道で知られた従犯女とそっくりに描かれていて、漫画にリアリティを感じました。

上掲の作品では、主犯の男(今回の名は金森)がどうやって「明美」を内縁にしたか、その強引な手口から入っていました。

いずれにしても、主犯の男の狡猾さや陰惨さがよくあらわれていると思います。

事件の経緯については、事件後に報道されたとおりで、改めて文字に起こすのもはばかられる内容であり、詳細は本書に譲りますが、ストーリーは、裁判で理緒ちゃんがプレッシャーに負けずに証言しているところで終わっています。

判決文については、すでに上掲の記事でご紹介したとおりです。

『実録! 北九州監禁殺人事件』は、単話版とともに、『血みどろ昭和事件~監禁・拷問・虐待~』にも収録されており、どちらもAmazonUnlimitedの読み放題リストに入っています。

『血みどろ昭和事件~監禁・拷問・虐待~』については、先日、『愛の惨劇~首なし娘事件~』をご紹介しました。

『愛の惨劇~首なし娘事件~』は、1932年(昭和7年)に愛知県で発生したバラバラ殺人事件を犯人の境遇や心理から描く実録漫画
『愛の惨劇~首なし娘事件~』は、1932年(昭和7年)に愛知県で発生したバラバラ殺人事件を犯人の境遇や心理から描く実録漫画です。恵まれない「ほしのもと」に加えて不幸が続く青年が、心理的に追い詰められ常軌を逸した事件を引き起こす過程を描いています。

こちらの記事もご高覧いただければ幸甚です。

北九州一家監禁殺人事件は、こちらもご覧いただければ幸甚です。

北九州一家監禁殺人事件(2002年)は日本犯罪史上最悪の事件と言われましたが、それを漫画化したのが『殺人犯の正体』です
北九州一家監禁殺人事件(2002年)は日本犯罪史上最悪の事件と言われましたが、それを漫画化したのが『殺人犯の正体』です。残酷な事件のため、テレビでは自主規制が敷かれたいわくつきの事件だったので、改めて犯人の人格や事件の詳細が明らかになりました。

以上、『実録! 北九州監禁殺人事件』(空路著、ぶんか社)は、2002年3月に北九州市小倉北区で発覚した監禁・連続殺人事件の漫画化、でした。


実録! 北九州監禁殺人事件(単話版)<血みどろ昭和事件~監禁・拷問・虐待~> – 空路


血みどろ昭和事件~監禁・拷問・虐待~ (ストーリーな女たち) – 空路


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