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『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ著、 白根美保子翻訳、筑摩書房)は金持ちが教えるお金の哲学

『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ著、 白根美保子翻訳、筑摩書房)は金持ちが教えるお金の哲学

『改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』(ロバート・キヨサキ著、 白根美保子翻訳、筑摩書房)を読みました。「金持ち」になる人と「貧乏」になる人の生き方・考え方について2人の「父さん」を比較してまとめています。

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金持ち父さん貧乏父さんとはなんだ

『改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』(ロバート・キヨサキ著、 白根美保子翻訳、筑摩書房)には、日系五世のロバートという主人公と、生みの親の「貧乏父さん」と、育ての親の「金持ち父さん」が登場します。

2人の生き方や考え方の違いから、「金持ち」になることと、「貧乏」になる明暗を示唆しています。

著者のロバート・キヨサキ氏は、ベストセラー作家であり、投資家、起業家としても実績があります。

本書は、アメリカで1997年、日本では2000年に発売された、「金持ち父さんシリーズ」(全26作に加えて、5作の改訂版が上梓)の最初の作品です。

全世界で1000万部、日本国内でも100万部を突破し、51ヶ国語に翻訳、109カ国で紹介されたほど多くの人に読まれた本です。

誰しもが、「金持ち」になりたいという気持ちがあり、またレビューなどから、リアリティを感じたのでしょう。

どんな生き方が「金持ち」と「貧乏」の明暗を分けるのか

2人の「父さん」は対称的な生き方や考え方をします。

たとえば、

「金は自分で働いただけもらい、生活は背伸びをせず、税金をキチンと払って政府や企業は福祉をちゃんとすべき」というのが「貧乏父さん」。

「金は金に働いてもらい増やし、欲しいものがあったらどうやって買うかを前向きに考え、政府や企業に依存せず自力で人生を支える」というのが「金持ち父さん」です。

「貧乏父さん」は、右肩上がりの福祉国家に生きる真面目な労働者。

「金持ち父さん」は、新自由主義でも勝ち組になる起業家や会社オーナーといったところでしょうか。

「貧乏父さん」と「金持ち父さん」は、資産についての考え方が違います。

たとえば、「貧乏父さん」は、サラリーマンとしての実績を作って、頭金をためて、何十年のローンを組んで買うマイホームこそ最大の資産と信じて疑いません。

しかし、「金持ち父さん」は、持ち家ほどリスクのある値段の高い耐久消費財はないと考えます。

2人のうち、学歴がある方は「貧乏父さん」の方です。

「貧乏父さん」は、しっかり勉強すればいい会社に入れるといいます。

「金持ち父さん」は、しっかり勉強すればいい会社を買うことができるといいます。

ブランディングや学閥頼みで学歴を求めるのが「貧乏父さん」、自分の生活の質(能力、知識、技能)を上げるものを得る結果として学歴があるというのが「金持ち父さん」ということです。

「貧乏父さん」は、社会動向に自分の殺生与奪がかかっていますが、「金持ち父さん」は、むしろ社会からの解放として豊かになろうとします。

そして、主人公は、「金持ち父さん」を選び、「金持ち」を学ぶという話です。

YouTubeには、6分でわかる「金持ち父さん 貧乏父さん」がアップされています。


本書には、「金持ち」になるためには、ファイナンシャルインテリジェンスを高めることって書いてあります。

株、債券、収入を生む不動産、著作権・特許権。

権利収入をうまく利用しましょうということです。

サラリーマンを下に見てる気も無きにしもあらずですが、要するに時間労働収入のみの段階から、それを増やしていく段階に入ること、つまりお金のために働くな、というのが「金持ち」へのロードマップだということです。

本書の読み方

本書では、対照的に書かれているふたりの「父さん」が、どちらも完璧ということではなく、「この点については『貧乏父さん』の考えを尊重したいが、でもこっちでは『金持ち父さん』にも一理あるのではないか」と思える件があります。

どちらが正しいかという「オール・オア・ナッシング」ではなく、是々非々でふたりの父さんについて考えてみたら、いい形で昇華できるのではないかと思います。

ただ、我が国は、なにか精神と金銭を区別して、金を要求するのは卑しい人、という「イデオロギー」があります。

ホリエモンや前澤友作氏に対する少なくない人の反発は、それを口実としたジェラシーやコンプレックスではないでしょうか。

好き嫌いは内心の自由です。

しかし、お金を稼ぐことを、ともすれば「魂を売る」などと悪しざまに言う人は理解できません。

犯罪でお金を収奪することは悪いことですが、法律に触れなければ、あとは価値観・生き方・能力などの問題です。

少なくとも、金持ちは、そうでない人に比べると、どこかで大変な努力や辛抱をしています。

それをきちんと評価することなく、自分ができないからと言って、「魂を売る」などという後ろ向きな中傷をしている時点で、その人の人格も知れてしまいます。

本書は、具体的に資産を増やす方法が書かれているわけではないので、これを読んだからといって、ただちに「金持ち父さん」になれるわけではありません。

ただ、人間の生き方について考えさせてくれる点で、興味深い書籍だと思いました。

以上、『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ著、 白根美保子翻訳、筑摩書房)は金持ちが教えるお金の哲学、でした。


改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本) – ロバート キヨサキ, 白根 美保子

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