『日本航空123便墜落の新事実目撃証言から真相に迫る』は日本航空123便墜落事故の疑問点を客室乗務員だった著者が指摘した書籍です。青山透子さんは、目撃証言と文献により、公式発表とは違う真相が隠されているのではないかと疑問点を指摘しています。
日本航空123便墜落事故とはなんだ
『日本航空123便墜落の新事実目撃証言から真相に迫る』(青山透子著、河出書房新社)は、タイトル通り日本航空123便墜落事故についての書籍です。
1985年(昭和60年)8月12日、日本航空123便(ボーイング747SR-100型機)が、群馬県多野郡上野村の山中に墜落した航空事故がありました。
犠牲者は520名。
2020年(令和2年)4月時点で単独機の航空事故の死亡者数として世界最多です。
1987年(昭和62年)6月19日、運輸省航空事故調査委員会は、ボーイングによる圧力隔壁の不適切修理による破損という事故調査報告書を公表しました。
しかし、事故原因を巡っては様々な疑問点や異説が提起されていたため、24年後の2011年(平成23年)7月29日、事故調査報告書の解説書も公表しました。
実際に、これまでにも、公式発表とは違う真相が隠されているのではないか、というマスコミ報道や書籍は数多く出ています。
とりわけ、その中でも評価が高いのが本書です。
事故原因について、別の可能性を指摘
著者の青山透子さんが今回改めて、発表されている公式な事故原因と、残された証言記録の矛盾点に着目。
事故原因について、別の可能性を指摘しています。
その内容を枚挙します。
- 墜落直前の123便を、2機の自衛隊のファントム機が追尾していたという複数の目撃証言(墜落のプロセスも墜落場所も政府は把握していた疑い)
- 現場には、ガソリンとタールをまぜたようなゲル状燃料の強い異臭と炭化した遺体(検死させない=何かを隠滅しようとしたか)
- 尾翼破壊の真犯人として浮かび上がったオレンジ色の物体(自衛隊の訓練用ミサイルなどの飛行体の可能性)
- 事故の総指揮を執った河村一男氏(群馬県警察本部長、日航機事故対策本部長)が、「事故原因を追求したら戦争になる」と言った
- 機体の一部が相模湾にあることがわかったと報じられたが、その引き上げ作業が行われず、メディアの報道もなぜかそこで打ち切り
本書は、証拠となる文献の出典明示、そして実名での証言をリアルに載録している点で、憶測とセンセーショナリズムで陰謀説を喧伝するトンデモ本のタグイとは全く違います。
生存者の証言にもありますが、救出の人々がいったんは近くまで来たのにそのまま戻り、一晩放っておかれた。
その間に、まだ聞こえていた乗客の話し声が、次第に聞こえなくなった……。
それが何よりも残念ですね。
(川上慶子さん証言)
>気がつくと真っ暗で油臭いにおいがした。
子供の泣き声などがザワザワ聞こえていた。
>墜落した時は、大分多くの人が生きてはって、御父さんも咲子ちゃん(妹)も未だ生きてて、御話しててね。あっちでもこっちでも、がやがやと話し声が聞こえて来て・・・。
>廻りで皆が話してはった声も、段々聞こえなくなって・・・。
(暗闇の中)ヘリコプターの音が聞こえて来て、赤い明かりも見えて、真上迄来て止まってホバリングみたいにして・・・。
『ああーこれで助かるわ。』って皆で言ってたら、ヘリは引き返した。『これで場所が判ったから、又皆で沢山来て助けてくれる』と話したけど、それきりで来ん様になった。
その内、皆話さなくなった・・・
そして、時の総理は何をしていたか。
リアルライブというサイトで、著者が暴露しています。
リアルライブ「あくまで噂なんですが、中曽根さんが米軍の出動を阻止したとも囁かれています」
青山「それはどうでしょうね。ただ、ひとつ言えることは、(青山氏が教鞭をとっている学校の)学生たちと、この事故の前後も含めて一週間後、首相の中曽根さんがどう行動したかっていうのを、新聞にある『中曽根さんの一日』という、首相の動静を書いた記事の部分をすべて逆読みしていくと一切、御巣鷹山に行かずに軽井沢でプールで泳いでいたり、ゴルフしていたり(笑)。他には、自分の人間ドックを優先させたり、ということで驚いたんです。私は学生に言われたんです。『先生、今こんな状態だったら、すぐ辞任ですよね』って」
『日航ジャンボ機墜落事故の真相(1)墜落後、中曽根首相はプールと人間ドッグ』というタイトルです。
青山透子さんの書籍でも言及されていますが、相模湾に沈んでいる尾翼は、なぜか未だに回収されていません。
日本政府は米軍救援をわざわざ断り、事故現場がすでにわかっている思われながら一晩放置。
そして、中曽根元首相の「真相は墓に持って行く」という発言を含め、謎多き事故であるという結論は何年たってもかわることはありません。
日航機墜落事故から35年。当時の首相だった中曽根氏は日航機事故は墓場まで持っていくと。墜落事故の原因は圧力隔壁ということになっているが、本当の原因を知りたい。そろそろ真実が明らかになってもいいのではないだろうか。
— Connie Kat/コニー カット (@Connie_Kat) August 11, 2020
結局、中曽根康弘元総理は、真相を墓場まで持っていってしまいましたね。
事故の教訓を次の世代に伝えていく重要性は一段と増しています
▼先日kindleで読みました。内容についてはいろいろいう向きもありますが、現役スチュワーデスが退職して大学に行きなおして研究して書いただけあり、かなり説得力はありました。多くの謎が解明され、犠牲になった方々が安らかに眠れる日が来ることをお祈りします。#日航123便 #日航機事故 #青山透子 pic.twitter.com/6Pu6fKi5Dn
— うずらまん? (@uzuramanZ) August 12, 2020
本書は全て事実で、かつ反証されてもいないので、それが青山説の支持につながっているのだと思います。
ただ、逆に真っ向から青山説を嫌う、つまりバイアスがかかっている、という「報告肯定派」もいることは事実です。
いずれにしても、実際に書籍を読まれて、考えていただきたいと思います。
よく個人ブログで、政治のことをあれこれ書かれているものを拝見します。
もちろん、言論は自由ですし、有権者として政治に言及する積極性を否定するものではありませんが、いったい、その意見は何を前提とし、どんな根拠によるものかを、ご自身でご確認いただきたいのです。
少なくとも、
- 為政者は肝心なことを隠しているかもしれない
- メディアはそれを積極的に暴くどころか、そのお先棒を担ぐことも少なくない
ということは用心して、うわべの情報に踊らされずに真実にアプローチしたいものです。
日航機事故から35年。「難しい修理ではなかったはずなのに」と関係者は振り返ります。機体のハイテク化が進んで航空死亡事故は減少傾向にあり、事故の教訓を次の世代に伝えていく重要性は一段と増しています。https://t.co/fEUHzNoDyG
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) August 11, 2020
以上、『日本航空123便墜落の新事実目撃証言から真相に迫る』は日本航空123便墜落事故の疑問点を客室乗務員だった著者が指摘した書籍、でした。