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気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている(村瀬秀信著、講談社文庫)は、おなじみのチェーン店の魅力と栄枯盛衰を綴る

気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている(村瀬秀信著、講談社文庫)は、おなじみのチェーン店の魅力と栄枯盛衰を綴る

気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている(村瀬秀信著、講談社文庫)は、おなじみのチェーン店の魅力と栄枯盛衰を綴っています。たとえば吉野家のように、メニュー本体だけでなく、七味にこだわり問い合わせるなどの熱血ぶりも書かれています。

『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』は、村瀬秀信さんのエッセイで、講談社文庫として上梓されています。

雑誌『散歩の達人』の連載エッセイです。

この記事では、Kindle版をもとにご紹介しています。

チェーン店というと、みなさんはどこを連想されますか?

……と、尋ねられても困るぐらい、複数のチェーン店を利用しているのではないでしょうか。

Amazon販売ページで公表されていますが、収録されているのは、吉野家、ロイヤルホスト、CoCo壱番屋、びっくりドンキー、餃子の王将、シェーキーズ、とんかつ和幸、サイゼリヤ、かっぱ寿司、レッドロブスター、牛角、マクドナルド、蒙古タンメン中本、築地銀だこ、日高屋、バーミヤン、すき屋、てんや、リンガーハット等、おなじみのチェーン店ばかりです。

ジャンルも、総合ファミリーレストラン、中華、丼もの、カレー専門店、たこやき、天丼専門店、ちゃんぽん等様々ですね。

頻度は差がありますが、私もそれらの店はすべて行った経験があります。

いや、それどころか、さらに書かれていないチェーン店も多数。

かつやとか、最近問題になっている回転寿司四天王とか、チェーン店とは違いますが、インスパイアとして二郎系、横浜家系なども入りますよね。

あとは、駅中や駅前の立ち食いそば店ね。

独立系の富士そば、梅もと、東急系の渋そば、京急系のえきめんや、JR系のいろり庵きらく、小田急系の箱根そばなど、同一の看板と同一の材料で安定の味を提供しています。

チェーン店の良いところは、その看板なら同じ食材で安定の味を提供してくれることです。

まあ、実際には、火のかけ方とかで変わってきますから、全く同じというわけではないのですが、正社員でない、時間で入るパートでも、その時々で味が変わらないというのは、大切なことです。

こだわりのラーメン屋さん、いわゆるネオクラシック系というのですが、自分だけの一騎当千のラーメンを作っている店は、それ自体はたしかに凝った造りですけど、その人が店を休んだら、それは提供されないわけです。

それでは、その味は広がらないし残りもしません。

結局、時間が経ったら忘れられ、一部の人に「幻の味」とか称賛されたりしてね。

でも、「幻」では腹は膨れませんからね。

安心安定の味、チェーン店バンザイです。

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吉野家の七味に拘り

チェーン店というのは、同一ブランドで多店舗経営している店舗のことです。

「本社直営の店舗」なのがチェーン店の特徴です。

一方、フランチャイズ店という形態もありますが、本社企業とフランチャイズ契約によって運営されている加盟店のことです。

つまり、資本は別だが、一定のフランチャイズ料金を払うことで、おおもとのブランドを看板とし、商品やサービス体制など画一的な経営を受けること。

私は損保会社の出身なので、その形態は保険の代理店制度を連想しますが、保険業界にはない「仕入れ」がある分、フランチャイズ制度の方がきついかも知れませんね。

フランチャイズ制度で有名なのは、コンビニです。

それはともかくとして、本書は著者独自の視点から、各店の魅力と栄枯盛衰を綴っています。

第1章は、吉野家です。

実は私は、牛丼は輸入自由化をして以来、いただかないことにしているので、最近はよくわかりません。

朝食はいただくので、お店にはいくんですけどね。

本書の一部引用します。

2016年現在。吉野家は豚丼、牛カルビ丼、ベジ丼にカレー。トッピングも豊富に豚半玉キムチチーズ丼なんてものまで頼める有様だ。多様化するニーズに応えなければいけない時代の必然なのだろうが、吉野家はやはり「牛丼の吉野家」だ。
あのBSE問題の最中、反対意見を押し切り「米国産牛肉が使えず、自分たちの牛丼を作れないのであれば牛丼は出さない」 と提供中止してまでこだわった”この一杯〟に懸ける剛健な精神。赤身と脂身のバランスが取れた米国産牛肉に、トロトロ玉ねぎと、年間試行錯誤を繰り返して辿り着いた白ワインをベースにした秘伝のタレ。これをつゆだくでオーダーし、玉子と紅ショウガ。 仕上げに「七味」をぶっ掛ける。最高だ。そう、大事なものは「七味」なのだ。……

ま、こんな感じで、吉野家への思いを綴っているのですが、七味にこだわったこの先は、今度は七味のうんちくをあれこれ綴り、さらに吉野家の七味が欲しくなり、「ダメ元でお客様センターに問い合わせてみた」ところ、作り方を教えてもらう。

今度は自分でそれをしてみたが、なかなかその通りの味にならない、という話です。

ま、だから何、ということはないんですけどね(笑)

こだわりは感じますよね。

ストレートに、リピートしまくったり買い占めたりする『ゴハンスキー』とは、一味違うご贔屓エッセイです。

うなずけるチェーン店の味

冒頭に出てきたチェーン店で、私が行った主なところをご紹介しましょう。

ロイヤルホスト大森北店では、新国産黒毛和牛と黒豚粗挽き手ごねハンバーグをいただいたことがあります。

ハンバーグは、ファミリーレストランの場合、大抵は、牛肉100%のげんこつタイプと、たまねぎやパン粉でつないだ平べったくやわらかいタイプにわかれます。


同店の新国産黒毛和牛と黒豚粗挽き手ごねハンバーグは形としては、箸で食べられる後者です。

蒙古タンメン中本も、印象に残っています。

私はもともとタンメン好きで、最初に訪れた町中華で注文するのはタンメンと決めています。


創業者の白根誠さんご自身が、『中本』の味が好きで、今も味噌タンメンと冷し味噌ラーメンは暇があればファンとして食べていることを打ち明けていますが、気持ちはわかります。

バーミヤンは、地元の区内に3店あるので、よく利用します。

数あるおすすめメニューの中でも、イチオシは餃子です。


肉汁が滴り落ちるんですよ。すばらしいですね。

そして、もっとも行ったと思われるのは、リンガーハットです。

麺増量無料サービスが有料化されたことで、足が遠のいてしまったのですが、安定の味だと思います。


また増量無料、復活してくれないかな。

以上、気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている(村瀬秀信著、講談社文庫)は、おなじみのチェーン店の魅力と栄枯盛衰を綴る、でした。


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