熔ける 大王製紙前会長井川意高の懺悔録増補完全版(幻冬舎文庫)をご紹介します。カジノの負債返済などに充てるため、子会社等の関連会社から計55億3000万円を借り入れ、損害を与えたとして、会社法違反(特別背任)罪で実刑4年を食らいました。
最近、XやYouTubeでよく見かけますね。井川意高さん。
このブログでは、ひろゆきさんのポストをきっかけに論争が勃発したことをご紹介しました。
「刑務所入ってる人は中卒・高卒が多くて大卒ほぼいないですよね?」(#ひろゆき さん)「オレ 東大出たけど 刑務所入ったぞ」「そもそも日本における大卒の割合は23% おまえの論法だと『日本人には大卒はほぼいないの倍ほどしかいない』」(#井川意高 さん)論争の行方は? https://t.co/3gqzsQ8HuE pic.twitter.com/6QXbpfrhFk
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) May 10, 2024
Xを見ると、この件以外にも2人は争ってますね。
もっぱら、ひろゆきさんのポストに、「おい、ひろゆき」と、井川意高さんが注文をつけているパターンですが。
必死にエリートコースを踏み外さないようにがんばってきた井川意高さんとって、専門外のことまで知ったかぶってコメントするひろゆきさんは、我慢ならない存在なのかもしれませんね。
まあ、ひろゆきさんに対してでさえそうなんだから、石丸伸二批判がより壮絶なものになるのは仕方ないのかな。
オレの
石丸批判の
ポストやYou Tubeに
石丸ファンが
クソリプ入れてくる中でも
いちばん笑えるのが
「嫉妬してるんだろ」
てヤツオレは
誰にも
嫉妬なんか
せんわ
する理由がないましてや
百姓の息子で
田舎の公立から
一浪して京大経済
メガバンク入っても
すぐに子会社に飛ばされた…— 井川 意高 サブアカ改め本アカ (@IkawaMototaka) July 18, 2024
さて、本書『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』は、大王製紙の創業家三代目であり、会長を務めた井川意高さんの人生について自らが綴っています。
『熔ける』というタイトルは、もちろん、会社の金を溶かした(使った)という意味です。
大王製紙社長の長男として、幼少時代は1200坪の屋敷で過ごし、毒親と紙一重の父親鉄拳制裁のもとに、猛勉強して筑波大附属中学・高校から東大法学部に現役合格。
27歳で赤字子会社を立て直し、42歳で本社社長就任。
周りには、政財芸能界の人たちが集まってくる。
非の打ち所のない経歴、順調な経営、華麗なる交遊……すべてを手にしていたはずでしたが、やはりそんなテンパった人生には無理があったのか、ギャンブル依存症になり、子会社から金を融通してもらった巨額の使い込みで失脚しました。
なぜ〝カネの沼〟にハマり込んだのか?
創業家三代目転落の記。そして、刑期を終えた後の生活を書き加えて文庫化されました。
以下に概要とみどころをご紹介します。
一般的な成功論とは異なる視点を提供
まず、概要ですが、井川意高さんは、大王製紙社長の長男として生まれ、幼少時代は1200坪の屋敷で育ちました。
会社は、祖父の代から三大続く業界3位の大企業。
厳しい父親でしたが、本人も、「いずれは長男の自分が会社を継ぐ」という意識を持ち、小学校高学年から受験勉強を始め、中学は最難関の筑波大学附属駒場中学に合格。
そこから東大法学部に現役合格し、卒業後は予定通り大王製紙に入社。
4年後に赤字子会社の役員になりましたが、自分の真価が問われていると思い死にものぐるいで会社を立て直し、その功績で、42歳で本社社長に就任しました。
つまり、それまでは、何をやっても失敗のないエリートコースで、有名人との交友も盛んだったと書かれています。
しかし、彼はいつしか「カネの沼」にハマり込みました。
42歳で5代目社長に就任も会長時代の2010~2011年、カジノでの使用目的で子会社7社から総額106億8000万円を借り入れていた事実が発覚。
その責任を取る形で、本人はもちろん会長を辞任。
井川家の持ち株を処分して使い込んだ金を返済しただけでなく、父親や弟まで引責辞任。
創業者である井川家は、会社を放逐されました。
井川意高さんは、若い頃からの豪遊とストレスによって、肝臓の値が高く、歯の一部も失い、白髪も増えたことを告白。
しかも、刑期を終えた後に、再びカジノに挑む姿も描かれるなど、ギャンブル依存症も完治していないのではないかと思われます。
生まれはよかったのかもしれないけれど、そんなに幸せともいえないのかな。
井川意高さんの成功と転落の物語は、ビジネスや人生において、成功と挫折を経験した人々にとって興味深いものとなっています。
自己啓発本や、自画自賛の自伝にはないノウハウやリアルな苦悩が含まれており、一般的な成功論とは異なる視点を提供しています。
「お坊っちゃん過ぎるほしのもと」の苦労
人間の欲得というのは、どこまでも果てしないもので、これで満足ということはない。
つねに、1番でいよう、立派な跡継ぎになろう、と自分に鞭打ってきたことの反動が、ギャンブルへの転落につながったのかもしれません。
YouTubeの動画でも、「自分を金持ちのボンボンという奴もいるが、親ガチャの苦労がどれほど壮絶か」とこぼしていたことがありました。
「親ガチャ」というのは、「お坊っちゃん過ぎるほしのもと」に生まれた場合でも、不幸のもとなんですね。
日常的な発言では、タカ派的であることが指摘されていますが、
岸田
売国奴を
通り越して
国賊だな https://t.co/JCyZs5Xlud— 井川 意高 サブアカ改め本アカ (@IkawaMototaka) July 18, 2024
権力や為政者に無批判にすり寄っているわけではありませんから、それはいいんじゃないでしょうか。
ちょっとお下品なのは、麻生太郎さんと同じで、おぼっちゃんならではの悪ぶりだと思います。
井川意高さん。いかが思われますか。
以上、熔ける 大王製紙前会長井川意高の懺悔録増補完全版(幻冬舎文庫)は、会社法違反(特別背任)罪で実刑4年の成功と転落の自伝、でした。