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知ってはいけない合本版(矢部宏治著、講談社現代新書)は、戦後一貫して首相や官僚でさえもわかっていない「ウラの掟」が存在と指摘

知ってはいけない合本版(矢部宏治著、講談社現代新書)は、戦後一貫して首相や官僚でさえもわかっていない「ウラの掟」が存在と指摘

知ってはいけない 合本版(矢部宏治著、講談社現代新書)は2017年8月に刊行された『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』、2018年11月刊行の『知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた』を合本した電子書籍です。(以下人物は敬称略)

本書は、ノンフィクション作家、矢部宏治さんの著書『知ってはいけない』の2冊を合本し、現在Kindle Unlimitedの読み放題リストに入っています。

Amazon販売ページより。

第二次大戦のあと、日本と同じくアメリカとの軍事同盟のもとで主権を失っていたドイツやイタリア、台湾、フィリピン、タイ、パキスタン、多くの中南米諸国、そしていま、ついに韓国までもがそのくびきから脱し、正常な主権国家への道を歩み始めているにもかかわらず、日本の「戦後」だけがいつまでも続く理由とは?
内容は、日本における「ウラの掟」について詳しく解説しています。

日本には、戦後一貫して、国民はもちろん、首相や官僚でさえもよくわかっていない「ウラの掟」が存在し、社会全体の構造を歪めていることを明らかにしています。

「そうか。やっぱり日本は今もアメリカの属国だったか」

いえ、「ウラの掟」は、正確には、アメリカ政府と日本政府との間のものではありません。

実は、米軍と日本のエリート官僚とのあいだで直接結ばれた、占領期以来の軍事上の密約を起源としているのです。

本書では、最高裁・検察・外務省の「裏マニュアル」を参照しながら、日米合同委員会の実態に迫り、日本の権力構造を徹底解明しています。

また、日本の深層を理解するための四コマまんがも収録されています。

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本書のあらすじ

日本の首都圏の上空は、未だに米軍に占領されていて、自国の飛行機を自由に飛ばせません。

東京、岩国、嘉手納という三地域は、限られた空間にコースを作るという、不自然なルートです。

東京都は全域がそうなんです。

羽田の低空飛行問題は、そこから来ています。

こんな国は、ほかにありません。

しかも、実は国の中枢にある人も、その取り決めの詳細はわかっていないのです。

そして、日本の国土は、すべて米軍の治外法権下にあります。

ですから、米軍の軍事演習は、今も日本全国で行われています。

このように、日本を支配する「日米合同委員会」は、米軍と日本の官僚のトップによる会議で、総理大臣よりも、日本国憲法よりも権限があります。

日本の政治家が官僚の言いなりなのは、官僚のトップである日米合同委員会が、日本のことを決めているからです。

表向き、憲法を守っても、日米合同委員会が決めたら、「平和憲法」もかたなしです。

一部が憲法改正を言いますが、そもそも字面を改正することは、あまり意味がないようです。

米軍>米政府ですから、駐日首席公使ですら、激怒しているといいます。

日本にとって大切なことは、憲法をどうするではなくて、米軍に従属している仕組みからどうやって開放されるか、ということなんです。

逆らった日本の政治家は……

日本の有力政治家が、不可解な失脚をすることがしばしばありました。

そしてそれは、必ず「米軍と日本の官僚にとって不都合なこと」を行った人でした。

たとえば、政府だけでなく官僚の闇も追及していた石井紘基衆議院議員(当時)が、国会議員が持つ「国政調査権」を使った徹底的な追及、調査を行い、「これを発表したら政府がひっくり返る」と言っていた質問を国会でしようとしていたところ、突然刺殺されました。

それ例外にも……


ただし、このポストは、後半が「?」です。

確かに、アメリカ追従のタカ派という、ねじれたイデオロギーの清和会ですが、泥酔失脚の中川昭一は元清和会、死因が今も諸説ある安倍晋三も清和会です。

つまり、清和会系だろうが、容赦なくヤられています。

ちなみに、小沢一郎、鳩山由紀夫も田中派やその後継の竹下派です。

小沢一郎は、対米従属の安保体制の見直し、鳩山由紀夫は沖縄の「最低でも県外」の件で失脚されられたといわれています。

本当の敵とは何なのか

日本は官僚国家である、という批判に対して、

「いや、敵はアメリカ帝国主義と自民党だ」

と、煽ってきたのは日本共産党です。

昨今、緊縮財政で、一部の国民から上がっている財務省批判についても、「敵は財務省ではない。政権与党の自民党だ」と繰り返し批判してきました。

一見もっともです。

総理と衆参両院議長を戴く政権党が、なんで一省庁より強いんだと。

しかし、それは本書によって、間違いだということがわかりました。

やっぱり、敵は財務省(官僚)だったわけです。

自民党に何の責任もないということではありません。

しかし、現状では、たとえどこの党に政権交代しても、日本は悪い意味で変わらない。

なぜなら、国造りは官僚が行っており、日本の官僚は米軍のいいなりだからです。

毀誉褒貶あっても、田中角栄が再評価されているのは、33本の議員立法を成立させたからでしょう。

今の議員は、いったい何本の法案を出したのか。ほとんどは、官僚に任せきりです。

これでは、日本は変わりません。

今回の都知事選なども、キャラクターの好き嫌いだの運動方法だの、二の次三の次の些末な「議論」に熱中しましたが、首長ならなおさら、「自分で提案できる政治家」かどうかが大切だと思うのです。

いずれにしても、Kindle Unlimitedでは、追加料金無料で読めるのですから、おすすめです。

政治を語るなら、まずは知っておいていただきたい内容です。


知ってはいけない 合本版 (講談社現代新書) – 矢部宏治

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