結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる(伊庭正康著、アスコム)は、一流の成功者に共通するするのは「しつこい」ことと説いています。ビジネスで何より大事なのは、才能や頭の良さり「しつこさ」。徹底すること、あきらめないこととしています。
『結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる』は、伊庭正康さんがアスコムから上梓しました。
らしさラボという会社を立ち上げ、企業を対象とした研修メッセージを提供する事業をされています。
本書によると、年間200回、受講生は累計4万人を超え、9割以上の企業からリピートが入っているそうです。
その伊庭正康さんが、本書で述べているのは「しつこさ」について。
何をやっても、うまくいかない。
それは、あなたの「しつこさ」不足が原因かも、と述べています。
つまり、どこまでも粘り強く、あきらめないことが大切だというのです。
ただし、間違った「しつこさ」は、場合によってはストーカーになってしまいますし、根性主義・精神主義でとにかく頑張れ、というやり方も著者は求めていません。
本書では、「やりたくない」を「やりたい」に変える方法、挫折しないコツ、しつこくても嫌われない話し方、飽きっぽい人・意志が弱い人でも簡単にコツコツとやり抜けてしまう方法などを解説しています。
「しつこさ」によって、成し遂げられるであろう可能性を十二分に伝えてくれます。
Kindle版書籍です。
本書はAmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
成功者は「しつこい人」ばかり
本書『結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる』は、旗幟鮮明です。
最後にうまくいくのは、才能や頭の良さより、「しつこい」人、あきらめない人、であると伊庭正康さんはいいます。
人生の成功は、しつこさで9割決まるというのです。
ただ、「しつこい」というと、一般には、「くどい」「粘着」「こだわって煩わしい」といったネガティブなイメージを抱くのではないでしょうか。
しかし、本書は、自分の心に「しつこくやるか」というときはポジティブな意味合いであり、たとえば、
- 何度も何度もアタックする
- 諦めずに継続する
- どんなことでも徹底する
- コツコツと地道にやり抜く
といったことであるとして、本書ではまさに、ポジティブな意味合いとしての「しつこさ」について解説し、読者に身に着けてほしいといいます。
たとえば、スティーブ・ジョブズ、ジェフ・ベゾス、イーロン・マスク、ビル・ゲイツ、孫正義、松下幸之助といった一流の成功者を例に出し、共通するするのは「しつこい」ことであるといいます。
たとえば、スティーブ・ジョブズさんは、こう言っています。
「成功と失敗の一番の違いは、途中であきらめるかどうか」(NHK番組のインタビュー)
ジェフ・ベゾスさんは、こう言っています。
「発明して、着手して、また発明して、もう一度着手して、やり直して、同じことをまた繰り返す。これを何度も行うのです。作り手は、成功への道は直線ではないとわかっています」(『ベゾス・レター アマゾンに学ぶ14箇条の成功原則』すばる舎)
イーロン・マスクさんは、こう言っています。
「根気強さはとても重要だ。あきらめることを強いられない限り、あなたはあきらめるべきではない」(『イーロン・マスクの名言7選』)
ビル・ゲイツさんは、こう言っています。
「私は物事をとことん突き詰めるのが好きなんだ。そうすれば、たいてい良い結果が出るから」(『ビル・ゲイツの名言10選』)
孫正義さんは、こう言っています。
「しつこくしつこく考えて完成度を上げる」(『孫正義 事業家の精神』日経BP)
松下幸之助さんは、こう言っています。
「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければそれは成功になる」(パナソニックWebサイトより)
さらに、YouTuberのヒカキンさんや、お笑いタレントの西野亮廣さんなどの名を挙げて、大きく支持を集めているといいます。
要は、徹底すること、あきらめないこと、最後までコツコツとやり抜くこと。
やると決めたら、とことん続けること。
特別な環境、才能、資金、人脈がなくても、「しつこくする」こと、根気よくコツコツ続けることなら、IQも学歴も人脈も関係ありませんから、誰でもできるはずです。
TKKの法則
伊庭正康さんはいいます。
「しつこさ」に必要なのは、ちょっとしたコツを加えること。
そしていろいろ妄想を加えること。
日々の仕事、行動に少し工夫を加えたり、お客様や大切な人、自分の未来を楽しく想像したりするだけだと。
本書では、「やりたくない」を「やりたい」に変える方法、諦めないコツ、しつこくても嫌われない話し方、ストーカーのような悪い「しつこさ」にならない方法、飽きっぽい人・意志が弱い人でも簡単にコツコツとやり抜けてしまう方法など、「しつこさ」を貫徹するための様々な方法を7章にわたって提案しています。
ただし、しつこさには、よい「しつこさ」と、悪い「しつこさ」があるといいます。
よい「しつこさ」は、相手のあることについて他人軸で考えられること。
悪い「しつこさ」は、逆に自分軸であること。
自分さえ良ければいいという「しつこさ」は、ストーカーになってしまうわけです。
「面倒」なことでも楽に続けられる習慣化には、「しつこさ」を持続させるための「TKKの法則」を提案しています。
TKKの法則とは、
T:楽しくする
K:簡単にする
K:効果を確認する
という3つの法則のことです。
本書は言います。
成功や幸せは、生まれつき備わった知能や才能によるのではなく、「いいしつこさ」を身につければ必ず手に入れられる。
そのことは、心理学も証明しているとしています。
しつこくやってみようか、と思っても、挫折してしまうことってありますよね。
本書を読んで、なんとか貫徹してみたいと思いませんか。
万策尽きてからが真骨頂、まさに「しつこさ」の賜
ところで、ちょうど本書を読んでいたとき、まさに「しつこさ」が奏功したあるテレビドラマがFacebookで話題になっていました。
『特捜最前線BESTSELECTION VOL.8』に収録されていた、第351話『津上刑事の遺言!』です。
長い余談になりますが、書かせていただきます。
『特捜最前線』(1977年4月6日~1987年3月26日、東映/テレビ朝日)は、警視庁刑事部特殊命令捜査課、という架空のセクションではたらく、刑事たちの話を描いた昭和の人気ドラマです。
初期のレギュラーは、二谷英明、藤岡弘、大滝秀治、西田敏行、誠直也、荒木しげるの6人でした。
そこからいったん藤岡弘が降りて、後に国会議員になった横光克彦が加わり、西田敏行が多忙で出番が減ると、大映のスターだった本郷功次郎が加入。
そして、西田敏行降板の後に桜木健一が加入と、少しずつメンバーの入れ替えがありました。
今回の『特捜最前線 BEST SELECTION VOL.8』は、次の話が収録されています。
第351話「津上刑事の遺言! 」
第430話「昭和60年夏・老刑事船村一平退職! 」
スペシャル「疑惑のXデー・爆破予告1010! 」
そのうち351話(1984年2月15日放送)は、現在のレギュラーに加えて、降板したかつてのレギュラー刑事も出演しています。
少年・忍の父親は4年前、横断歩道でひき逃げ事故にあい死亡しましたが、忍は、父親が青信号だから渡ったことを確認しています。
にもかかわらず裁判は、「歩行者信号が赤なのに渡った」という加害者側の言い分だけを認め、忍の言い分は「子どもの言うことだから」と採用しませんでした。
当時、津上刑事(荒木しげる)は、忍と忍の父親の正しさを証明すると約束しましたが、間もなく殉職しました。
そこで、その約束を、4年越しで特命課の刑事たちが、津上刑事に代わって果たすことにします。
その間、保護観察官に転身していた高杉(西田敏行)や、ラーメン屋に転職していた滝(桜木健一)も捜査に協力します。
すでに4年前のことなので、「交通事故の被害者に落ち度はなかったという証明。易しそうに見えて、それは至難の証明であった」(船村刑事役の大滝秀治のナレーション)ため、捜査は困難を極めました。
津上刑事(荒木しげる)が証明できると踏んだのは、証人の老婆がいたこと。
なかなかその人を探しだせず、いろいろな方向から探してやっと見つけますが、一足違いで老婆は急死。
万策尽きたかと諦めかけた所、津上刑事(荒木しげる)の後任で入ってきた叶刑事(夏夕介)が、信号の仕組みに気づき、そこから解析できると考えます。
遺品の「止まった腕時計」から事故時刻を特定。
その時刻に信号が何を指していたかを解析し、忍の言うとおり青だったことが立証されます。
なんだ、それでわかるんなら最初からそれで調べればいいのに……というのは、結果からものを見た物の言い方です。
このドラマの特徴は、真っ直ぐな道を進むように解決にたどり着くのではなく、ハプニングその他で、1度は捜査が頓挫をきたします。
それでも諦めずに、「何か手がかりはないか」と、しつこく食い下がります。
実際の警察の捜査のことは詳しくありませんが、「現場百遍」とか「現場百回」というそうですね。
劇中でも盛んに使われている言葉です。
毎回それを経て、犯人逮捕にたどり着くので、解決に説得力があるのです。
このドラマの捜査の過程を観ていると、自分が抱えている未解決な悩み事も、食い下がって何度でも考えなおして解決を導き出そう、という前向きな気持になります。
話は戻りますが、「しつこさ」って大切ですね。
以上、結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる(伊庭正康著、アスコム)は、一流の成功者に共通するするのは「しつこい」ことと説く、でした。