自力で家系図を作る方法 自力シリーズ(ERIKA著、Kindle版)は、お金をかけずに、自力で家系図を作る方法を教示しています。実際には、戸籍をとるなどの手数料はかかりますが、行政書士や家系図作成業者など“プロ”に頼まないで作成するという意味です。
『自力で家系図を作る方法 自力シリーズ』はERIKAさんが上梓したKindle書籍です。
ERIKAさんの家系図を作った体験に基づいたリポートです。
本書まえがきで、ERIKAさんがどうして自力で家系図を作る心境になったかが書かれています。
いかがですか。
こういう経験て、みなさんもありませんか。
後に私のことも書きますが、私も似たような動機でした。
ERIKAさんは、家系図の作り方をネットで調べ、ご自身でも動いたそうです。
家系図についての書籍は、これまでにもご紹介したことがあります。
では、その内容を見ていきましょう。
本書は、2023年4月07日現在、Kindle Unlimitedの読み放題リストに含まれています。
役所から戸籍を自力で取り寄せる
家系図を作るための、一般的な手順をまずまとめておきます。
- 情報の収集
- 家系図の形式を選択
- 家系図の骨格を作成
- 情報を追加
- デザインと装飾
- 家族に共有
家族から家系図に必要な情報を収集します。これには、祖先の名前、生年月日、死亡年月日、出生地、職業、結婚した相手の情報などが含まれます。また、家族の写真や文書も収集すると役立ちます。
家系図を作成する前に、どのような形式を使用するかを選択する必要があります。手書き、コンピュータプログラム、オンラインツールなど、さまざまな方法があります。また、家系図をどの程度詳細にするかも決定する必要があります。
家系図の骨格を作成し、主要な祖先の名前を書き込みます。一般的に、上から下に向かって、祖先の世代が進んでいく形式を使用します。
主要な祖先の名前が書き込まれたら、各祖先に必要な情報を追加します。これには、生年月日、死亡年月日、出生地、職業、結婚した相手の名前などが含まれます。
家系図にデザインや装飾を追加して、見栄えを良くします。これには、フォントの変更、ラインや図形の追加、背景色の変更などが含まれます。
家系図が完成したら、家族に共有することができます。オンラインで共有することもできますし、印刷して配布することもできます。
以上が、家系図を作成するための一般的な手順です。
ただし、家系図を作成するには時間と労力がかかるため、十分な時間を確保し、情報を正確に収集することが重要です。
では、ERIKAさんは、どのようにして家系図を完成していったのでしょうか。
ERIKAさんによれば、家系図を作るときの調べ方は、
- 親類へのヒアリング
- 戸籍調査
- 文献調査
- 現地調査
お手軽・無料だが曖昧
確実だが手間がかかる
戸籍以上のことがわかるが、手間・お金がかかる
かなりさかのぼれるが、期待した成果が出ないかもしれない
など、主に4 つの方法があるとしています。
ERIKAさんは、そのうち「1」と「2」を中心に行ったとか。
ERIKAさんは、戸籍の交付申請にかかった額(6911円)とともに、家系図作成専門業者に任せた場合の相場も明らかにしています。
高いものでは、420000円(税別)というのもあります。
戸籍を調べて、元号でいうと「文化」まで遡れたそうです。
本書には、具体的な申請の手続きが書かれています。
定額小為替とか、返信用封筒とか用意するのです。
相続の手続きをした人ならおわかりと思いますが、戸籍上、つながっている場合には戸籍を取れます。
親子の戸籍を取れば、親の親(祖父母)がかわりますから、祖父母の戸籍を取れます。
祖父母には曽祖父母、曽祖父母には高祖父母が載っていますから、どんどん遡れます。
そして、1945年より前は、家族制度ではなく家制度でしたから、兄弟やその配偶者、子どもまで載っています。
直系だけでなく傍系もわかるということです。
昭和32年から、家族制度を反映した「夫婦と氏を同じくする子の構成」の戸籍制度に変わっています。
つまり、結婚すると子どもは親の戸籍から分かれます。
よく、「ナニナニ家」という言い方がありますが、現在は法的にそれはありえません。
鈴木家ではなく、鈴木宣之家があって、鈴木一朗家がある、ということになります。
今だに、家制度の発想を改められない人は、迷惑ですね。
戸籍は、以前は80年前まで、現在は150年前までとってあります。
うまくいけば、6~7代前ぐらいまで名前がわかるかも知れません。
戸籍には、どこそこで戦死、ということが書かれていたそうです。
そうなんです。
戸籍には、先祖の生き様のストーリーが描かれているのです。
それは、結局、自分というものがどういうストーリーの中で誕生したかがわかるのです。
だから面白い。
家系図づくりに関心のある方はもちろん、そうでない方も、ご一読をおすすめします。
家系図調べ、私の場合
以降は、私の体験を書きます。
私が、家系図を作ってみようと思ったのは、大学の同級生が還暦の際の投稿です。
同級生と言っても、その人は浪人しているので、1年還暦が早かったんですが、「自分にとっては出来すぎの人生」というようなことが書かれていました。
これは、自慢と謙遜をまぜた絶妙な表現でしたが、翻って自分はどうか。
いや、いくら見栄をはっもて、そうはいえない悲惨な人生だと思いました。
何しろ毒親でしたから。
親戚も、ろくな者がいなかったし。
そして、現実にそいつらが私の人生のアシを引っ張りました。
そこで、毒親や毒親戚を誕生させた先祖が、どんなにたちが悪いかを暴いてやろう、と思いました。
本書に書かれているように、私も戸籍を遡って取りました。
曽祖父母の実家の住所(郡)が、今は2つの自治体にわかれていたのですが、妻が両方の自治体に問い合わせてくれ、父方は高祖叔父までわかりました。
で、戸籍をよく見ると、「士族」という記載が、消えずに残っていたのです。
これは「族称」といって、今は消さなければならないものなのです。
消し忘れですね。
実は、こういう消し忘れが2~3箇所ありまして、それがルーツをよりはっきりと調べるきっかけになりました。
それで、高祖叔父がお武家さんということがわかったので、今度は宮城県立図書館に問い合わせて、高祖叔父について調べてもらいました。
すると、こちらは無料で調べてくれ、返事はメールでくれました。
それによると、仙台藩の重臣・大童信太夫の命で、川村家から武家の高橋家に養子に入った和喜次(後の高橋是清)のお世話役をつとめたばかりか、配偶者も高橋家出身であることを知りました。
そもそも、私の高祖叔父は、武士としてはそれほど上級ではなかったと思うのですが、中下級の武士に大童信太夫が直々に命じるというのは異例のこと。
伝七捕物帳では、遠山景元が同心をすっとばして、直々に黒門町の伝七に十手を与えているのですが、それと同じようなケースではないかと嬉しくなりました。
しかも、私の高祖叔父の息子、つまり私にとっては曾祖叔父は、日韓併合後の朝鮮に入植したことも書かれていました。
子どもが向こうで生まれたのですが、「京城」や「朝鮮」という文字から1文字取った名前をつけていました。
出稼ぎ根性ではなく、朝鮮に骨を埋めるつもりだったんでしょうね。
ですから、その戸籍からは、先祖たちのすごく真面目な人柄を感じました。
さらに、すでに私の父親はなくなっていたので、母親に尋ねたところ、曽祖父は家督を相続できないので、士族の家の一員から曾祖母の家に養子に入り、「元武家」の身分を生かして村長をつとめていたらしいのです。
その曽祖父は、私の祖父が結婚すると、すぐに引退して家督を相続させていました。
ことほどさように、家系図調べでわかった曽祖父や曾祖叔父の一家は、イメージとしては大変真面目で、それが周囲の人々からの信頼を得ていたことが伺えました。
まあ、身近な親類はクソでも、ちゃんと直系にはそれだけ立派な人達がいるんだということがわかり、生きる勇気のようなものがわいてきました。
わけのわかんない「上辺リベラル」の知識人が、「家系調べは差別の温床」とか言ってますが、私のように家系図で生きる勇気を取り戻した人間もいるのですから、そこんとこ、よく考えていただきたいなと思います。
以上、自力で家系図を作る方法 自力シリーズ(ERIKA著、Kindle版)は、お金をかけずに、自力で家系図を作る方法を教示しています、でした。