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『踏みにじられた命~2009年西淀川区女児虐待死事件~』(阪口ナオミ、ぶんか社)は、10歳女児を虐待死させた事件の漫画化です

『踏みにじられた命~2009年西淀川区女児虐待死事件~』(阪口ナオミ、ぶんか社)は、10歳女児を虐待死させた事件の漫画化です

『踏みにじられた命~2009年西淀川区女児虐待死事件~』(阪口ナオミ、ぶんか社)は、10歳女児を虐待死させた事件の漫画化です。やるせないこの事件もやはり、親の愛情に恵まれなかった「ほしのもと」が犯行の遠因にであることが話題になりました。

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西淀川区女児虐待死事件とはなんだ

2009年に起こった、大阪府大阪市西淀川区の小学4年生10歳女児の、虐待死および死体遺棄事件が西淀川区女児虐待死事件とよばれています。

それを漫画化したのが、『踏みにじられた命~2009年西淀川区女児虐待死事件~』(阪口ナオミ、ぶんか社)です。

女児の母親(当時34歳)と、同居の男(当時38歳)によって殺され、勤務先の同僚である知人の男(当時41歳)の3人によって、遺体は奈良県の山中に埋められました。

かつては芸能活動をさせる家庭だったのに

本書では、虐待死された女児は「岩井美月」、母親を「岩井恵」、同居した男を「及川忠男」という名に設定しています。

人物名は本書に従い、報道されている経緯に沿って、事件をご紹介します。

岩井一家は、夫と母親の恵、娘は美月ちゃんを含めて3人の5人家族でした。

夫婦で始めたお好み焼き店が失敗。

その借金とローンのため、恵は最初ファミリーレストランでアルバイトを始め、さらにホステスとして働いていましたが、家事をきちんとせず台所は食べ残しで虫が湧くような状態。

また一方の夫も、パチンコばかりしていて稼がず不仲でした。

そんな時に、恵に近づいたのが、及川忠男でした。

及川忠男には6歳の子供がいましたが、恵は夫と離婚し、2人はお互いの子ども計4人を含め同居を始めます。

美月ちゃんは、5歳のときに大阪市内の芸能事務所に所属。

2007年には新歌舞伎座の出演歴もありましたが、事務所のレッスンを休んでからは活動も自然消滅しました。

両親の商売や家庭生活がうまく行かなくなり、子役活動どころではなくなったのかもしれません。

美月ちゃんは次女でしたが、恵の3人の子のうち、美月ちゃんは双子の姉がいました。

しかし、及川忠男は、しつけと称して暴力をふるい、寒いベランダに締め出したり、満足な食事も与えなかったりしたために、恵が夫と離婚した際、離婚姉だけは2009年1月に実父の元に引き取られていました。

2008年11月には、西淀川区の子育て支援室へ、親族によって「恵みが長女の面倒を見ていない」という通報も行ったようですが。通報された翌日に、恵は美奈は及川忠男宅に美月ちゃんと三女を連れて転居します。

本書によると、美月ちゃんは、「うちやっぱお母さんとおる。だって、お母さんひとりにしたらかわいそうやもん」と言って、双子の姉とは袂を分かちます。

ひとり残ったから姉の分まで、というわけでもないのでしょうが、漢字ドリルを言いつけ通りにやらなかったことを契機に、及川忠男からの虐待が一気にエスカレートしたといいます。

虐待すればするほど美月ちゃんの心は離れ、またそこでいっそう癪に障るというスパイラルがあったのでしょう。

なぜ、実母の恵が「いいかげんにしてください」と止められなかったのでしょうか。

報道によると、恵は父親から愛情を受けることなく育ったため、男からの愛にひたすら飢えていたのです。

そこで、夫から愛想をつかされてしまうと、自分に優しくしてくれる及川忠男に夢中になり、我が子よりも大切な存在になってしまったのです。

フライデーデジタルには、1日1個のおにぎり、もしくはバナナ1本しか食べさせなかったり、頭を木製のまな板で殴ったり、髪の毛が抜けるほど強く引っ張ったりしていたこと綴られています。


そして、美月ちゃんが衰弱していっても、2人は構わずに放置。

及川忠男の長男とともに、3人だけで食事に行くなどしていたそうです。

さらに、美月ちゃんが死亡する2週間前からは、彼女は布団に寝ることすら許されず、玄関の土間やベランダに敷いたビニールシートの上で寝かされていたとか。

そして、美月ちゃんは4月5日の午後3時頃にベランダで死亡。

しかし、虐待はここで終わりません。

及川忠男は、会社の同僚と、奈良市にある墓地で深さ約70㎝の穴を掘り、美月ちゃんの遺体を遺棄します。

にもかかわらず、殺害2日後の7日に恵は、「夕方になっても娘が帰ってこない」と、美月ちゃんの家出人捜索願を所轄署に提出する偽装工作まで行っています。

しかし、公開捜査を拒否する恵に大阪府警が疑問をいだき、聞き込みから虐待の事実をつかみ、死体遺棄容疑で2人を逮捕しました。

本書によると、警察は、やせ細り、打撲や傷だらけの美月ちゃんの遺体に驚きましたが、母親の恵はその遺体をガソリンで燃やそうと提案し、及川忠男が却下したという話も描いています。

またしても「毒親は毒親から育つ」

この事件も、またしても「毒親は毒親から育つ」のセオリー通りでした。

お好み焼き店を失敗するまでは、普通の家庭だった一家が、なぜあっという間に壊れて、恵は及川忠男のもとに走ったのか。

報道によると、恵は父親から愛情を受けることなく育ったため、男からの愛にひたすら飢えていたのです。

そこで、夫から愛想をつかされてしまうと、自分に優しくしてくれる及川忠男に夢中になり、我が子よりも大切な存在になってしまったわけです。

そして、美月ちゃんがなぜ母親のもとに残ったのか。

よくいわれるのが、毒親ほど愛情が不足してるから、子は親に承認してもらおうとする、といいます。

つまり、冷たくすればするほど、「でもママがいい」というわけです。

美月ちゃんが、このデンであったかどうかは定かではありませんが、人間の業というものを考えさせられます。

それと、家庭によって事情はあるでしょうが、親が離婚した際、子供たちを分断するようにバラバラに引き取ることも、今回の事件の背景にはあったのではないかと思います。

なぜ、父親は長女だけを引き取ったのでしょうか。

恵と及川忠男は、恵みが離婚する前からすでに付き合っている不倫の関係です。

さすれば、親権を真剣に争えば、夫が有利になったのではないでしょうか。

かりに引き取れなくても、面会権を確保するとか、自分の子どもにもっとこだわっても良かったのではないでしょうか。

とにかく、やるせない事件です。

『踏みにじられた命~2009年西淀川区女児虐待死事件~』(阪口ナオミ、ぶんか社)は、それのみで1冊完結している単話版、もしくは『ストーリーな女たち ブラック Vol.4』に収録されています。

AmazonUnlimitedでは、読み放題リストに入っています。

以上、『踏みにじられた命~2009年西淀川区女児虐待死事件~』(阪口ナオミ、ぶんか社)は、10歳女児を虐待死させた事件の漫画化です、でした。


踏みにじられた命~2009年西淀川区女児虐待死事件~(単話版) (ストーリーな女たち) – 阪口ナオミ


ママに愛されたかった~毒親に殺された子供たち~ (ストーリーな女たち) – 阪口ナオミ

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