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『50周年記念完全保存版「笑点」大研究』(週刊文春編集部・編)は、タイトル通り50年目周年時点で長寿番組『笑点』を振り返る

『50周年記念完全保存版「笑点」大研究』(週刊文春編集部・編)は、タイトル通り50年目周年時点で長寿番組『笑点』を振り返る

『50周年記念完全保存版「笑点」大研究』(週刊文春編集部・編)は、タイトル通り50年目周年時点で長寿番組『笑点』を振り返っています。2022年現在、打ち切り説が出ながらも放送56周年を迎えた長寿番組ですが、長く続いた秘訣がわかります。

『50周年記念完全保存版「笑点」大研究』は、番組50周年を迎えた2016年に、週刊文春編集部がまとめた『笑点』関係者のコラムやインタビュー記事をまとめたものです。

50周年ですから、すでに現在の大喜利の司会は春風亭昇太さんになっています。

現在と違うのは、2代目林家三平さんと、先日亡くなった6代目三遊亭円楽さんがこの時点のレギュラーです。

目次をご紹介します。

座布団五十枚! 「笑点」50周年50の秘話
前口上
立川談志「座布団十枚で園まりと一晩」事件毒蝮三太夫
ついに「笑点」大ヒット! でも三波伸介本音は「辞めたい」 滝大作
三波伸介急死! 奥さんは「またいつもの悪戯かと…」 伊東四朗
“楽屋では別の顔”先代円楽の小言と鉄拳 桂才賀
笑点50の秘話、年表
コラム 野末陳平
コラム ヨネスケ
コラム ケーシー高峰
コラム マギー司郎
「笑点」あの人は今
さらば伝説の座布団運び 松崎真が家族に漏らした「立ち小便ができない!」
円楽借金伝説 寄席「若竹」はフィットネスジムに
ラーメン党解散でも木久蔵ラーメンが食べられる場所
「チャラーン!」こん平 リハビリよりも「三平が心配」
今日は笑点びより 伊藤理佐
阿川佐和子のこの人に会いたい桂歌丸

初出が入っているかどうかはわかりませんが、たとえば『阿川佐和子のこの人に会いたい 桂歌丸』というは、阿川佐和子さんのレギュラーページの載録ですね。

本書は2022年10月22日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

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『笑点』の歴史

『笑点』は、大喜利を中心とした寄席風の演芸番組である『金曜夜席』を前身としています。

『金曜寄席』というのは、第2・第4金曜日の22時30分から放送されていた番組ですが、なぜ隔週かというと、残りの週は『日本プロレス中継』が放送されていたのです。

当時金曜日20時は、三菱ダイヤモンド・アワーという三菱電機単独スポンサーの枠でしたが、そこでは『日本プロレス中継』と『ディズニーランド』が隔週で放送されており、『ディズニーランド』が放送される週の『日本プロレス中継』は、金曜日の22時30分から放送されていたわけです。

そういう意味では、枠を埋めるための番組だったわけですが、柳家小ゑん時代からテレビに出ていた7代目立川談志さんによって、「これからは、落語家はテレビにもどんどん出て行かないと駄目だ」という考えから持ち込まれた企画で、立川談志さんらしいブラックユーモアあふれる大人向けの人気番組だったようです。

「ようです」というのは、さすがに私は幼稚園時代で、見たかどうかも記憶にないのです。

それが、現在の時間帯に「進出」して、番組名は当時の人気ドラマ『氷点』をもじって『笑点』になったわけです。

本書で、毒蝮三太夫さんが書いています。

当時、三浦綾子『氷点』がブーム。それをもじった「笑点」というネーミングも画期的だった。要するに「笑いの点(ポイント)」。談志が「笑点音頭」という主題歌を作詞して歌ってさ。メンバーの俺たちがコーラス入れた。「笑いのポイント笑点ダイ」って。

私が記憶にあるのは、大喜利の司会が初代の立川談志さんから、二代目の前田武彦さんに突然変わったあたりです。

当時、前田武彦さんはタレントとして売れっ子で、子供心に「またマエタケか」ぐらいに思っていましたが、それがいつのまにか三波伸介さんにかわり、その頃になって毎週見るようになりました。

『阿川佐和子のこの人に会いたい桂歌丸』に、次のやり取りがあります。

阿川 そもそも最初の番組出演の話が来たのは誰から?
歌丸 談志さんから、「こういうのをやるんだけど、歌さん、やんないか?」って。大喜利は昔から寄席でやったもの。お客さまからお題をもらって、なぞかけ、小咄、都々逸、 相撲甚句、娘拳、お題噺、そういうのができなきゃいけない。「できません」と言っちゃあ、シラけちゃいます。そこでボケを入れたり、やりとりの芸をする。最初の『笑点』は 談志さんが総合司会としてゲストと対談して、それから大喜利の流れでした。大喜利は圓楽さんが司会をしてたけど、司会ぶりが不器用すぎると、番組開始後すぐに、談志さんに替わったんですよ。その後、談志さんと回答者全員が喧嘩になっちゃって回答者が全員降板する騒ぎになったんですが、新しいメンバーが入って視聴率がどんどん悪くなった。結局日テレの要請で最初の回答者は戻って、その代わり談志さんが降りちゃったんです。
阿川 そんな騒動があったんですね。その後、たしか前田武彦さんが司会をされて。落語 家以外の方を司会に据えるのは冒険だったんじゃないですか?
歌丸 今だから言えますけど、ちょっとやりにくかったですね(笑)。おっしゃるように 前武さんは、落語家ではないので、噺家の息や間が分からないんです。
阿川 ポンポンとキャッチボールが上手くいかない?
歌丸 いや、ポンポンどころか、こっちが投げた球を受け取ってくれないんですよ。そう なると、笑う答えも笑わなくなっちゃう。そうこうしてるうちにすぐに三波伸介さんに司会が替わりまして。

これは、前田武彦さんにも言い分があり、やはり本書に収録されています。

前田武彦、突然の降板七〇年十二月十三日、人気番組「夜のヒットスタジオ」「巨泉マエタケ ゲバゲバ90分!」などを抱えた前田が、多忙であることを理由に突然降板を発表。前田は当時の取材で「落語家さんとの笑いの感じ方に違和感が生じ、いくら言っても意見が通じなかったのが最たる理由。僕らより一つ位が上という感じがした。正直、そこでつまらなくなった」と語っている。翌週、新司会に前田の代理を一度務めた経験のある三波伸介を起用。

寄席でも、トリは落語であり、漫才や奇術は「イロモノ」といわれてるでしょう。

「僕らより一つ位が上」というのは、そのへんのことかもしれませんね。

少なくとも、『笑点』は「落語の笑い」の番組であり、「放送作家の笑い」とは違うんだ、というものが落語家側にあったんじゃないでしょうか。

マエタケさんにしても、テレビの隆盛は構成作家があってこそだろう、という気持ちがあったと思います。

それはともかくとして、私が毎週見ていたのがその頃で、現在の大喜利の原型が完成していたときではないかと思います。

つまり、回答者にキャラクターが確立し、それを司会者が上手にいじるという展開です。

桂歌丸さんと三遊亭小圓遊さんの「喧嘩」とかありましたよね。

三波伸介さんが、毎週、松崎真さんを辛辣な表現で紹介するのですが、後に桂歌丸さんも山田隆夫さんに同じことをしていましたね。

もっとも、それ自体、もともと番組を企画した立川談志さんの構想だったようです。

再び、毒蝮三太夫さんのコラムから。

テレビ的な大喜利の並びや衣装の色分け、性格分け、あのメンバーを考えた談志はすごいよ。一人ずつキャラクターを考えてさ。小円遊さんは「キザ」、こん平さんは「越後の田舎者」、小痴楽さんは「与太郎」でスタート。歌丸さんはハゲで小円遊さんとしょっちゅうケンカして。円楽さんは物知りキャラ。今も同じでしょ。小遊三ちゃんはちょっとエロ、木久ちゃんは……ほんとのバカなんだけどね(笑)。色がみんなある。

同じ時期に、類似番組をNHKや東京12ch(現テレビ東京)などでも見ましたが、「性格分け」がはっきりしていた点で、やはり元祖の『笑点』が一番しっくり来ました。

その後、メンバーが変わるとだんだん馴染みが薄くなり、また夕方の微妙な時間帯であることから見逃しもあったりして次第に離れていきましたが、現在でも番組が続いているというのは立派の一言です。

長寿番組の秘訣についても、歌丸さんは語っています。

歌丸 (マンネリと言われるが)マンネリということは長く続いているということ。だから、ああ、ありがたい! と。あたしが司会になったときに、いろんな方に「どうやって『笑点』を変えていくんで す?」と聞かれたんですが、「変えない」って言ったんです。変えようと思って手を加えるから失敗する。「変わるというのは、自然に変わっていくのを待つのが一番いい。一切変えない。今までどおりやっていく」。だから、何も変わっていないでしょう。

先日ご紹介した『青春ドラマ夢伝説ー「俺たちシリーズ」などとTVドラマの黄金時代』(筑摩書房)で、岡田晋吉プロデューサーがこの話と重なることを書いています。

『青春ドラマ夢伝説ー「俺たちシリーズ」などとTVドラマの黄金時代』は、岡田晋吉プロデューサーの青春ドラマ・刑事ドラマ制作回顧
『青春ドラマ夢伝説ー「俺たちシリーズ」などとTVドラマの黄金時代』は、岡田晋吉プロデューサーの青春ドラマ・刑事ドラマ制作回顧の書籍です。日本テレビの名プロデューサーとして、多くの人気番組を制作してきましたが、その背景や裏話をまとめています。

岡田晋吉プロデューサーは、『青春とはなんだ』(夏木陽介、1965年10月24日~1966年11月13日)、『これが青春だ!』(竜雷太、1966年11月20日~1967年10月22日)と、高校教師を主人公にした青春学園ドラマを2年間手掛けた。

だから、また青春学園ドラマでは視聴者が飽きてしまうだろうと気を回し、次の『でっかい青春』(竜雷太、1967年10月29日~1968年10月13日)は最初、主人公を市役所の職員に設定したものの、視聴者の評判はあまり良くなかったので、従来の高校教師に「転職」させたということが書かれています。

つまり、時代を読むのは大事だが、先回りすればいいというものではない、ということですね。

先人落語家の存在あってこその長寿番組

時は流れて、『笑点』が、9月30日に72歳で亡くなった6代目三遊亭円楽さんを追悼する「緊急企画!円楽さん追悼大喜利」が話題になりました。

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6代目三遊亭圓楽さんを追悼するとともに、番組の行く末も心配する書き込みがありました。

5名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 18:51:08.99ID:yppGtcTo0
歌丸さんにあれだけ言えた人だから信頼あったのは分かる

10名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 18:54:48.25ID:v1m3Ne7i0
歌丸が円楽にキャラ無いから俺をネタに毒吐けって言ったんだっけか、プロレスのヒールと同じでマトモな人はヒールやるんだよな
佐々木や橋本みたいな狂人はヒールにはなれない

11名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 18:56:23.26ID:GHFpsbO80
今日の笑点は,本当によかった。
笑点らしい追悼だったと思う。
円楽さんも喜んでくれていると思います。

19名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 19:19:19.47ID:nf9QegwZ0

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2018/07/03/jpeg/20180703s00041000062000p_view.jpg

40名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 19:49:38.81ID:ePFxXUy70

夢之助師匠の前任の圓窓師匠も、実は先月亡くなられてるんだよな・・・・

43名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 19:58:00.01ID:J88OTdlm0
腹黒、毒舌キャラを本当の性格と思ってる奴って本当にいるんだってな。
小遊三が盗みグセあるとか

45名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 20:02:09.77ID:cAhxR5ah0
>>43
大喜利の冒頭で小遊三のあいさつが始まると
「窃盗犯がまたテレビに出ている」「なぜ捕まえないのか」と警察に通報する人は一定数いる

57名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 20:35:13.77ID:oHXy+7gU0
こん平の時もこれくらい追悼してやってもよかったのに なんか不憫

71名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 22:23:53.45ID:jf6pH3Xk0>>76
歌丸とのケンカが大好きだったな
本当に面白かった

65名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 21:34:10.13ID:eE8WZBaA0>>82>>86
たい平のウザさ爆発回だった

82名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 23:01:28.47ID:czm6SvFz0>>84
>>65
隣に円楽いないと 寂しかった

84名無しさん@恐縮です2022/10/09(日) 23:32:26.92ID:g06BJw7d0>>99
>>82
ツッコミ役が居なくなったね
三波伸介→桂歌丸→三遊亭円楽って
キッついツッコミをする役がいたのに
これじゃ小遊三のボケや木久扇の与太郎が流される

92名無しさん@恐縮です2022/10/10(月) 01:19:26.89ID:PXtBZMO30
笑点 相撲 サザエさん 水戸黄門
この中の同意点は 必ずし帰ってくる
幼い時面白かったけど 離れて
ある程度 年齢重ねると また観ちゃうのよ
鬼平は年くってから 理解できたよ

書き込みにあるように、『笑点』には、出演者にキャラクターがあり、それぞれが演じていたこと。

林家こん平さんや三遊亭圓窓さんらがかつてレギュラーだったように、先人落語家の存在あってこその長寿番組ということなんでしょうね。

『笑点』ファンならぜひ目を通しておきたい一冊です。

以上、『50周年記念完全保存版「笑点」大研究』(週刊文春編集部・編)は、タイトル通り50年目周年時点で長寿番組『笑点』を振り返る、でした。


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