昭和の不思議101隠蔽された真相解明号(オーシャンブックス、大洋図書)は、未解決事件や不思議な出来事などを振り返り真相論考しています。たとえば『大ヒット曲はB面から生まれる』という記事では、レコード時代ならではの「ハプニング」を紹介しています。
B面がヒットしてしまったケース
昭和の不思議101シリーズ(オーシャンブックス)は、ダークな戦後史について改めて振り返り、論考するムックです。
ムック(mook)というのは、雑誌(magazine)と書籍(book)を合わせた出版物の一形態であることは以前ご紹介しました。
ひとつのテーマについて、雑誌的な小記事を集めて一冊にまとめた、いうなれば週刊誌的な作り方で書籍のコードを付けて販売するものです。
さて、今回ご紹介する『昭和の不思議101 隠蔽された真相解明号』は、長らく封印されてきた未解決事件、都市伝説、猟奇犯罪、戦後GHQの陰謀論、有名人死の真相などを改めて論考するものです。
記事はそれぞれ興味深いものがありますが、たとえば、『大ヒット曲はB面から生まれる』『星影のワルツはB面だった』という記事は個人的に面白かったですね。
当然、レコード会社はA面を一押ししているはずだが、そうならない不思議さがヒット曲には存在するのだ。
というリードとともに記事が始まっています。
今の「ダウンロード」の若い人にはピンとこないかもしれませんが、レコード媒体(シングル盤)として販売されていた頃は、レコード盤の表裏を使うために、2曲でワンセットだったわけです。
表がA面、裏がB面としたわけですが、同じレコード盤ですから、どちらがA面かというのは、要するにメインとして売りたいものがA面、付け足しがB面ということです。
シネコン以前の、昭和の映画館も2本立て同時上映が普通で、2本目は付け足しのプログラムピクチャーです。
でも、その付け足しが人気シリーズになることもありました。
それと同じように、本来はメインでなかった裏面の方が注目されてしまうということもあったわけです。
たぶん、作る方も私達受け手も、メインのものではないから、あまり期待せず“ついで”気分で、気楽に作品の出来を楽しめるのかもしれません。
本記事が枚挙している「B面のヒット曲』は、「ベスト12+ボーナストラック」として以下を挙げています。
- 1.『心の窓にともし灯を』/ザ・ピーナッツ A面『悲しき16才』昭和35年
- 2.『ズンドコ節』/小林旭 A面『鹿児島おはら節』昭和35年
- 3.『コーヒー・ルンバ』/西田佐知子 A面『欲望のブルース』昭和36年
- 4.『川は流れる』/仲曽根美樹 A面『雨の花園』昭和36年
- 5.『砂に消えた涙』/弘田三枝子 A面『はじめての恋人』昭和39年
- 6.『学生時代』/ペギー葉山 A面『鏡』昭和39年
- 7.『旅人よ』/加山雄三 A面『夜空を仰いで』昭和41年
- 8.『ラブユー東京』/黒沢明とロス・プリモス A面『涙とともに』昭和41年
- 9.『花の首飾り』/ザ・タイガース A面『銀河のロマンス』 昭和43年
- 10.『愛の奇跡』/ヒデとロザンナ A面『何にも言えないの』昭和43年
- 11.『白いサンゴ礁』/ズー・ニー・ヴー A面『涙のオルガン』昭和44年
- 12.『学生街の喫茶店』/ガロ A面『美しすぎて』昭和47年
- ボーナス1.『星影のワルツ』/千昌夫 A面『君ひとり』昭和41年
- ボーナス2.『今日を生きよう』/ザ・テンプターズ A面『忘れ得ぬ君』昭和42年
- ボーナス3.『港のヨーコ ヨコハマ ヨコスカ』/ ダウンタウン・ブギウギバンド A面『カッコマン・ブギ』昭和50年
- ボーナス4.『矢切の渡し』/ちあきなおみ A面『酒場川』昭和51年
- ボーナス5.『おもいで酒』/小林幸子 A面『六時、七時、八時そしてあなたは』昭和54年
その歌手のプロフィールを書くときに、真っ先に書かれるようにな代表曲となっている歌もあります。
サ・ピーナッツ
ザ・ピーナッツは若いですね。
1960年頃のザ・ピーナッツはさすがにわかりませんが、私が子供の頃、大活躍した歌手であることはわかります。
その前年の1959年に、『可愛い花』が映画化されていますね。
ザ・ピーナッツが歌っているのは『情熱の花』ですが、映画のタイトルは『可愛い花』(1959年、日活)です。
若き日の #平尾昌晃 さんや #岡田真澄 さん、#松下達夫 さんも出演しています。axZouPgjHGU 18 ザ・ピーナッツ 情熱の花 1959.mp4 https://t.co/cNTRSMOhVn @YouTubeより
— 石川良直 (@I_yoshinao) May 17, 2022
生き別れの双子が再会して歌をうたう話です。
古い映画ですが、DVD化もされました。
日出代さん(伊藤エミさん)の方は、子どもだった私から見て伊東ゆかりに似ていたので、『シャボン玉ホリデー』で伊東ゆかりが歌うと、伊藤エミが一人で歌っているのか、と一瞬間違えることもありました。
ハナ肇とクレージーキャッツとは、当時のナベプロの車の両輪として活躍しましたが、クレージー映画にもザ・ピーナッツは出演しています。
一番印象に残るのは、『クレージーメキシコ大作戦』(1968年、東宝)です。
劇中のショーという設定で歌うだけなのですが、ザ・ピーナッツの2人が、ブランコに乗ったり、車に乗ったりして、メキシコの象徴的な歌『Cielito Lindo,(シエリト・リンド)』を歌い、まわりをナイトたちが見守るという光景は、まさに渡辺プロダクションのお姫様なんだなという気がしました。
すでにこのブログでもご紹介したことがありますが、私はレコードジャケットの解説本を何冊か上梓しています。
実は、それらは注文が来たので書いただけなのですが、サ・ピーナッツについては、ぜひ書きたいと思ったものの実現しませんでした。
理由は、レコードジャケットが高価なため、資料として集めることができなかったためです。
それだけ、今もなお根強いファンに支えられる伝説の歌手ということです。
黒沢明とロス・プリモス
黒沢明とロス・プリモスといえば、ムード歌謡の東西横綱を貼るグループでしょう。
ハワイアンの和田弘とマヒナスターズ、ラテン系の黒沢明とロス・プリモス、演歌調の鶴岡雅義と東京ロマンチカ。
いずれもすばらしい楽曲の実績を誇るムード歌謡グループですが、私の世代からすると、和田弘とマヒナスターズは少し上の世代で、まあいうなけば殿堂入り。
東西横綱は、黒沢明とロス・プリモス、鶴岡雅義と東京ロマンチカという感じです。
テレビで見ると、大勢が後ろで「わわわわー」とやっているだけに見えますが、そもそも当時のムード歌謡のグループは、後ろのコーラスのメンバーも、ときにはヴォーカルでも楽器を担当しています。
黒沢明とロス・プリモスは、森聖ニがボーカルでありながらフルートを持っています。
それと、いちばん目立つ、ヴォーカルがリーダーとは限らない、というよりそうではないほうがほとんとどでしたね。
黒沢明とロス・プリモスは、黒沢明は後ろでギターを引いていましたし、鶴岡雅義と東京ロマンチカは、いうまでもなくリーダー・鶴岡雅義さんの奏でるレキントギターなしに語れません。
ハナ肇とクレージーキャッツも、ヴォーカルは植木等さんでした。
内山田洋とクール・ファイブも、ヴォーカルは前川清さんでしたね。
ムード歌謡。昭和人にはたまらなく懐かしいですね。
昭和の不思議101隠蔽された真相解明号(オーシャンブックス、大洋図書)は、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
なお、このブログでは、同じシリーズで、『ヤクザと政治家』などテーマに戦後史を振り返っている、『昭和の不思議101 2020年ー2021年 冬の男祭号』 (オーシャンブックス)もご紹介しています。
以上、昭和の不思議101隠蔽された真相解明号(オーシャンブックス、大洋図書)は、未解決事件や不思議な出来事などを振り返り真相論考、でした。
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