『昭和ミニスカ歌謡大全』(文・石橋春海)は、『明るいセクシー路線で日本中が元気になった』ミニスカートの芸能人を枚挙しています。『昭和の不思議101 隠蔽された昭和アイドル真相解明号』(大洋図書)という昭和を振り返るムックに収録されています。
『昭和の不思議101』(オーシャンブックス)は、未解決事件、都市伝説、猟奇犯罪、戦後GHQの陰謀論、有名人死の真相など…真実が長らく封印されてきた出来事を振り返るムックです。
これまでにも、『ヤクザと政治家』や、
『大ヒット曲はB面から生まれる』というレコード時代ならではの「ハプニング」を解説する記事などをご紹介しました。
今回は、『隠蔽された昭和アイドル真相解明号』より、『昭和ミニスカ歌謡大全』(文・石橋春海)という記事をご紹介します。
ツイッギーに影響を受けた「ミニスカ」というトレンド
まず、どのような記事なのかご紹介しましょう。
タイトルは、『昭和ミニスカ歌謡大全』。
『明るいセクシー路線で日本中が元気になった』というサブタイトルとともに、『文・資料提供●石橋春海』のクレジットで以下のリードが続きます。
要するに、ミニスカートのツイッギーが来日してミニスカートがトレンドになったら、芸能界の女性もその流行に敏感に反応した、という話です。
ツイッギーは当時、「年に1000万ドル(36億円)を稼ぎ出す売れっ子ファッションモデルで「ミニ(スカート)の女王」として日本では若い女性から羨望の的とされ、ツイッギーをイメージしたコンテストが催されるほどの過熱ぶり」(Wikiより)でした。
それまでは、どちらかというとふっくらした女性の方が評価が高かったような気がしますが、ツイッギー以来、「痩身」と「ミニスカート」がトレンドに。
服装の方は流行が変わりましたが、「痩身」の方は、今日まで変わることのない「女性の美」の目指すところとなってしまいました。
余談ですが、『東京スポーツ』(2018年2月27日付)の紙面、クイズだけのページ『Qスポ』というコーナーで、「記憶が整理される昭和の出来事、どっちが先?」という設問に、ツイッギーが出ていました。
【1】A.ビートルズ初来日 B.“ミニスカートの女王”ツイッギーの初来日
【2】A.横井庄一さん帰還 B.小野田寛郎さん帰還
【3】A.石原裕次郎さん死す B.田宮二郎さん死す
【4】A.上場されたNTT株に買いが殺到 B.ファミコンで「スーパーマリオブラザーズ」発売
どうですか。【1】はわかりますか。
まあ、ググればすぐにわかりますけどね。
正解は「A」です。
ビートルズ来日は1966年。ツイッギー来日は1967年です。
余談の余談ですが、ビートルズ来日公演を行ったのは日本武道館。
日本武道館は当時できたばかりで、「こけら落とし興行」として、大きな催しが3つありました。
ビートルズ公演と、ファイティング原田(ボクシング)の試合と、ジャイアント馬場対フリッツ・フォン・エリックのインターナショナル選手権です。
話は脱線してしまいましたが、つまりそれほど、ツイッギー来日は戦後史に残る国内イベントだったわけです。
『Oh! モーレツ』は時代を表現
そして、本記事では、ミニスカ姿のレコードジャケットやポスターが紹介されています。
枚挙しましょう。
- 小川ローザ『Oh! モーレツ』
- 黛ジュン『恋のハレルヤ』
- 響かおる『太陽がこわいの』
- 平山三紀『マンダリンパレス』
- 加島美沙『ヨコハマの女』
- ザ・ピーナッツ『スーパーレアコレクション』
- 美空ひばり『真赤な太陽』
- 奥村チヨ『愛の花咲く頃』
- ゴールデン・ハーフ『ケ・セラ・セラ』『おんなの弱点教えます』
- 泉アキ『これが恋かしら』
- 森山加代子『白い蝶のサンバ』
- 園まり『あなたのとりこ』
- 安倍律子『愛のきずな』
- 小山ルミ『グット,,がまんして!!』
- 安西マリア『涙の太陽』
- ピンクレディ『渚のシンドバッド』
- キャンディーズ『危い土曜日』
- チコとビーグルス『帰り道は遠かった』
- 桜田淳子『ミスティー』
- 麻丘めぐみ『ときめき』
- キャンディ・シュー『遠く消えた恋』
- 小川知子『愛こそいちずに』
どのようなジャケットかご関心のある方は、検索してください。
黛ジュン、奥村チヨ、小川知子といえば、東芝三人娘といわれて売り出されたものです。
そして、奥村チヨは新ナベプロ三人娘としてもプロモーションされました。
この中で、ひとつだけレコジャケではなくポスターがあります。
小川ローザの『Oh! モーレツ』です。
『Oh! モーレツ』とは、たんに #小川ローザ さんのスカートのめくれ方がモーレツだっただけではなく、高度成長時代には「モーレツ社員」というサラリーマンを形容する決まり文句があったので、それをかけているわけです。 https://t.co/CsV0ywnK8U @YouTubeより
— 石川良直 (@I_yoshinao) May 25, 2022
『Oh! モーレツ』といいますが、たんに小川ローザのスカートのめくれ方がモーレツだったわけではなく、高度成長時代には「モーレツ社員」というサラリーマンを形容する決まり文句があったので、それをかけているわけです。
ところで、中に一人、意外な人が含まれていませんか。
昭和の歌姫、美空ひばりさんです。
昭和の歌姫もミニスカートで歌った!
美空ひばりさんがミニスカートのジャケットが存在するのです。
『夏の百選・レコジャケOTAKARAファイル』という拙著でも取り上げています。
1960年代~1980年代にリリースされた「夏の歌」から100曲を厳選。
実寸大のレコードジャケットとともにアーチストたちの100曲を振り返り当時の歌謡界や社会背景を振り返っています。
『昭和の歌姫』『演歌の女王』などといわれた美空ひばりさんが、『真っ赤な太陽』という歌を、アイビールックに身を固めた硬派グループサウンズの、ジャッキー吉川とブルーコメッツをバックに従えて歌ったのは1972年のことでした。
今の40代の人たちなら、『真っ赤な太陽』といえばリメイクした黛ジュン、20代以下になると、歌名どころか美空ひばりすらも知らないかもしれませんが、ビートたけしが、たまにコントでその歌を歌っていました。
『女性セブン』(2011年11月17日号)では、『真っ赤な太陽』がリリースされた頃を回想する記事を掲載していました。
美空ひばりのバックバンドをつとめていた、シャープスアンドフラッツの原信夫さんはこう語っています。
「20周年を記念したアルバムを作ろうという話が持ち上がっていたとき、ママ(ひばりさんの母・加藤喜美枝さん)が、“フリーの人たちに1曲ずつ書いてもらって、『歌は我が命』というLPを作りたい”と案を出してきたんです。ぼくも1曲書かせていただくことになったんですが、永六輔さん、中村八大さんなど、そうそうたるメンバーですからね。当然、演歌を書かなきゃいけないと思いつつも、なかなか浮かばないんですよ」
と悩みながら……
「お嬢はどんなジャンルの癖でも歌いこなせる、だから、この曲もきっとうまく自分のものにしてくれると信じて」作ったのが『真っ赤な太陽』だったのです。
しかし、美空ひばりさんの反応は最初は芳しくなかったそうです。
「これは私の曲ではないわね」
そこで原信夫さんは、美空ひばりさんが歌いやすいように、伴奏をGSバンドに任せることにしました。
しかも、それは当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったジャッキー吉川とブルーコメッツです。
「GSの雰囲気が強調されるし、お嬢も歌いやすいだろうと思ったんです。『ブルー・シャトウ』でヒットをとばしていた『ジャッキー吉川とブルーコメッツ』の井上忠夫(現・井上大輔)さんにお願いしてみたところ、ふたつ返事で引き受けてくれたんです」
ジャンルこそ違えど、それぞれ歌謡界のトップを走る者がジョイントしたのです。
最初は難色を示した美空ひばりさんも、すっかりノリノリで、ミニスカートまではいたわけです。
『真赤な太陽』は、140万枚の大ヒット曲となりました。
拙著の表紙の中でも、『真赤な太陽』のレコジャケはひときわ大きく扱わせていただきました。
まあ、現代では、脚やお尻の形がまるわかりのスキニーパンツを、下半身がもりっとした中年女性まで履いていますし、ミニスカートぐらいで大騒ぎするほどではない、と思われるかも知れませんが、短いスカートを履いている女性がいたら、つい視線はそちらにいってしまうのも確かです。
昭和40年代前半の、そんな「興奮」を記事から感じ取るのも一興です。
カバー楽曲の特集も
『昭和の不思議101 隠蔽された昭和アイドル真相解明号』の目次もご紹介します。
日本一のホーロ看板コレクター 佐溝力
復活に賭ける女神達
・元LLPW女子プロレスラー 風間ルミ
・女優・歌手 三東ルシア
40年前の幻の潜入ルポが今、ここに蘇る 元売春婦更生施設「かにた村」それでも生きていく・・・
ここもやはり何らかの陰謀に関与してうるのか!?
昭和ミニスカ歌謡大全
名曲「なごり雪」のカバー楽曲 これが一番聴きたくない!
世界の殺人鬼 最期の晩餐
俺の恥ずかしい青春アイドル……etc
カバー楽曲の記事も興味深いですよ。
GS洋楽カヴァーベスト10として、懐かしい楽曲がリストアップされています。
本書は、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
以上、『昭和ミニスカ歌謡大全』(文・石橋春海)は、『明るいセクシー路線で日本中が元気になった』ミニスカートの芸能人を枚挙、でした。
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