田宮二郎さんの『白い巨塔』エピソードを、山本學さん、島田陽子さんらが語っているのは『週刊現代別冊 週刊現代プレミアム 2020Vol.1』

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田宮二郎さんの『白い巨塔』エピソードを、山本學さん、島田陽子さんらが語っているのは『週刊現代別冊 週刊現代プレミアム 2020Vol.1』

田宮二郎さんの『白い巨塔』エピソードを、山本學さん、島田陽子さんらが語っているのは『週刊現代別冊 週刊現代プレミアム 2020Vol.1』。記事のタイトルは、『ドラマ『白い巨塔』に会いに行く 田宮二郎 財前五郎に殉じた魂』です。(キャッチ画像の田宮二郎さんはドラマDVDより)

『週刊現代別冊 週刊現代プレミアム 2020Vol.1』は、昭和の芸能界を代表する人物18人を、貴重な写真と秘話で綴るムックです。

先日は、その中で石立鉄男さんの記事をご紹介しました。

石立鉄男さんの新事実を、杉田かおるさんと松木ひろしさんが語っているのは『週刊現代別冊 週刊現代プレミアム 2020Vol.1』です
石立鉄男さんの新事実を、杉田かおるさんと松木ひろしさんが語っているのは『週刊現代別冊 週刊現代プレミアム 2020Vol.1』です。石立鉄男シリーズのメインライターと、同シリーズでブレイクした元天才子役による石立鉄男論はファン必見の記事です。

石立鉄男シリーズのメインライターと、同シリーズでブレイクした元天才子役による石立鉄男論は、ファン必見の記事です。

今回は、田宮二郎さんについて、遺作となったテレビドラマ『白い巨塔』を中心に振り返ってみます。

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『白い巨塔』とはなんだ

『ドラマ『白い巨塔』に会いに行く 田宮二郎 財前五郎に殉じた魂』が、今回ご紹介する記事のタイトルです。

リードには、『山崎豊子の名作にして、田宮二郎の遺作。テレビ史に残る名ドラマと稀代の俳優の最期を振り返る。』と書かれています。

山本學さんや島田陽子さんなど、当時、重要な役で共演した方の証言も交えて記事は構成されており、ファンなら、もう目を皿のようにして熟読するであろうエピソードが次々登場します。

今回の対象である『白い巨塔』(1978年版)は、1978年6月3日~1979年1月6日にかけて全31回放送されました。

うち第1部の「教授選挙」までが10回(DVD1巻~3巻)、第2部といえる「教授としての誤診と裁判第一審勝訴」(DVD4巻~6巻)が10回、それ以降は原作では『続・白い巨塔』として執筆されたものです。

国内では、過去6作映画化・ドラマ化されていますが、

1966年、大映(田宮二郎)
1967年、NET(佐藤慶)
1978年、フジテレビ(田宮二郎)
1990年、テレビ朝日(村上弘明)
2003年、フジテレビ(唐沢寿明)
2019年、テレビ朝日(岡田准一)

私は、その中からどれがいちばんよかったかと問われれば、『1978年、フジテレビ(田宮二郎)』を選びます。

『白い巨塔』は何度も映像化されているが1978年田宮二郎版が児玉清との脚本を超えた対決など5つの興趣で最高傑作との声
『白い巨塔』といえば山崎豊子さんの代表作です。岡田准一主演でドラマ『白い巨塔』を2019年5月22日から5夜連続放送するとテレビ朝日が発表していますが、1978年に放送された田宮二郎版における児玉清のような脚本を超えた対決の興趣はあるでしょうか。

1966年の大映映画は、大河内教授の加藤嘉や、鵜飼教授の小沢栄太郎など、1978年版と出演者も重なるのですが、劇画チックなインパクトや、財前五郎の人間的な弱さなどは、1978年のフジテレビ版の方がよく表現されていたと思います。

ドラマは31回かけてゆっくり見せましたから、2時間29分の映画と単純に比べられるものではありませんが。

あらすじは、浪速大学第一外科の東貞蔵教授(中村伸郎)が、定年退官するにあたって、消化器外科の名医として医局員の信頼も厚い財前五郎助教授(田宮二郎)に嫉妬。

母校の東都大から移入教授を目論むことで、ポストや研究費助成、そして現金までが飛び交うダーティーな選挙戦になったという話です。

要するに、教授職は財前五郎の野望でもあるわけですが、そもそも教え子に嫉妬して様々な策略を巡らせた東貞蔵教授こそが、選挙戦をダーティーにしてしまったおおもとの原因です。

世の中は、紳士然としている人間こそ裏がある、という懐疑心を当時少年だった私はドラマから教わりました。

その偽善な策略家を、中村伸郎が好演しているのが見どころです。

中盤は、財前五郎の同窓である第一内科助教授・里見脩二(山本學)から相談された胃がんの患者・佐々木庸平(谷幹一)の検査、手術を担当するものの、保険扱いの患者だったので不誠実な態度を取り、医局員の柳原弘(高橋長英)にまかせっきりだっただけでなく、柳原弘の所見を採り入れずに誤診。佐々木庸平を死なせてしまいます。

妻のよし江(中村玉緒)は、関口仁弁護士(児玉清)に相談して提訴。財前側は河野正徳弁護士(北村和夫)のもと、いろいろな手をつかって第一審は勝訴します。

そして、後半は控訴審になります。

婦長(現在の看護師長)である亀山君子が証言台にたったほか、圧力とともに、学位や縁談などの「飴」も与えられていた柳原弘も証言し、第二審は原告の勝訴に。

財前五郎は上告を求めますが、本人は病に倒れてしまいます。

田宮二郎さんを『白い巨塔』を通して振り返る

本書は、田宮二郎さんが徹底した役作りで挑んだことが紹介されています。

「彼はよく、東京女子医大の手術室を見学に行ってました。当時、僕の親父が東京女子医大でS状結腸の手術をしてもらったんですが、その手術も見ていた(笑)。また、心臓外科医の権威・榊原仟教授のもとにも通い詰めて、勉強していました。『學ちゃんって、盲腸ある? 僕に切らせてよ。絶対、うまくいくから』と言われたこともあります」(里見脩二を演じた山本學さん)

財前五郎が死に至るまでの詳細な描写は、ドラマのオリジナル。

原作者の山崎豊子さんは、財前五郎が病名を知らされず苦労する場面の後は、死後の病理解剖に描写を移していますが、田宮二郎さんは減量までして病人としての役作りをして、山崎豊子さんを説得したそうです。

本書には、主な登場人物の人物相関図も掲載されています。

当時のドラマをはっきり思い出させてくれるでしょう。

山本學さんは、もうひとつ興味深い話もされています。

「東教授は権威主義のかたまりのような役。だからこそ、鼻っ柱の強い財前に嫉妬するわけですが、演じられた中村伸郎さんはセリフ回しも完璧で、じつに巧みな演技だなと感服しました。僕なんて、出番がなくても、勉強のために中村さんのシーンをスタジオで見学していたくらいです」

権威主義でプライドも高い、でも医師としての精神が完全に欠落しているわけではない、そんな難しい役どころを演じた中村伸郎さんの、夫人役の東美恵子さんとの掛け合いは、『なるほど、医学部の大学教授の家庭というのはこういう会話になるんだ』と、毎回楽しみにしていたものです。

「嫌ですよぉ」というのが東夫人の口癖。

「あなたは自分は何も言わずに、私に悪役をさせるんですわ」と切り込むなど、一言も二言も三言も多く、東教授も「浅はかなやつです」と閉口するところは、つい笑いも出てしまいます。

東佐枝子役を演じた島田陽子さんのインタビューも興味深い。

一部をご紹介します。

東佐枝子は医学界の汚い側面を嫌う真っ直ぐな正確の役でした。同じく正義感の強い、妻子ある里見助教授に惹かれ、苦しむ。ドラマでは、最期に里見との叶わぬ恋に破れたあと、里見や財前の後輩医師が働くネパールに行くのですが、そこは正直な話、唐突すぎて、物足りなさを感じました。

島田陽子さんは、里見脩二と東佐枝子の関係が発展することを望んでいるのでしょうか。

ドラマでは、最終回で、2人がとうとう抱き合うシーンがあります。

しかし、その直後にドアをトントンとノックする音がして、抱擁は中止に。

財前五郎が診察を求めたものでしたが、その会話をしている最中に、東佐枝子はそっと部屋を出ていきます。

ドラマでは、「財前=悪」「里見=善」を徹底して描いてきたので、里見脩二に不倫をさせるわけにはいかなかったのではないでしょうか。

いずれにしても、白い巨塔ファンならぜひお読みいただきたい記事です。

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田宮二郎さんの『白い巨塔』エピソードを、山本學さん、島田陽子さんらが語っているのは『週刊現代別冊 週刊現代プレミアム 2020Vol.1』、でした。

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