カラー版一番よくわかる神社と神々(かみゆ歴史編集部/平藤喜久子監修、西東社)は、参拝マナーや神様のエピソードなどを解説しています。神様のそもそも論、神道の疑問、おすすめの神社など、1冊に神社と神々のことが網羅的に解説されています。
『カラー版一番よくわかる神社と神々』は、かみゆ歴史編集部が作成した原稿を、平藤喜久子さんが監修し、西東社から上梓しています。
「かみゆ」というのは、「紙結」と書くんですね。
私は「神結」かと思っちゃいました。
歴史や宗教、お城などの書籍を出しています。
平藤喜久子さんは、國學院大學教授。専門宗教文化士。
プロフィールによると、主な著書に『日本の神様 解剖図鑑』『世界の神様 解剖図鑑』(ともにエクスナレッジ)『いきもので読む、日本の神話』(東洋館出版)『日本の神様と楽しく生きる』(東邦出版)、『神社ってどんなところ?』(筑摩書房)、『カラー版 神のかたち図鑑』(白水社・共編)など。専門は神話学・宗教学だそうです。
本書の内容は、一口に述べれば、神社、神道のリファレンスマニュアル、といった趣です。
もちん、読み物、参考書として普通に熟読できますが、神社のマナーなど、「どうだったっけ」と確認するときに便利です。
目次については、すでにAmazon販売ページに掲載されています。
はじめに知っておきたい!神道のギモン7
知らなかった!八百万の神様たちの世界
ぜひ実践したい!神社の参拝マナー
思わず話したくなる!神職と神社のヒミツ
意外なところで発見!神道と日常生活のつながり
付録 ぜひ訪れたい!神様別日本の神社30
この記事では、Kindle版をもとにご紹介しています。
本書は2022年11月26日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
神道のギモンに答える
目次のご紹介で、「はじめに知っておきたい!神道のギモン7」と記載されていることをご紹介しましたが、「7」とは具体的にどのようなものか。
神道のギモン1 そもそも神道とは何か?
神道のギモン2 神道は何を大切にしているのか?
神道のギモン3 神社はいつからつくられ始めたのか?
神道のギモン4 神社にはどんな神様がいるのか?
神道のギモン5 人々は神様に何を願ってきた?
神道のギモン6 神社は何をする場所なのか?
神道のギモン7 神様が宿る依代とは何か?
さて、みなさんはいくつ答えられますか。
私は、ひとつも満足に答えられません(汗)
それでも、出先や地元の神社は、ちゃんと鳥居で一礼して、二令二拍手一拝のお参りもしているんですけどね。
まあ、その道の専門家ではない普通の人はそんなもんでしょう。
本書から、ざっと抜粋させていただきます。
我が国では、いつから神様という存在を信じるようになったかはわかりませんが、いつの頃からか、山や川など自然界の様々なところに、何か人間を超えた神秘的な存在を信じ、それを「神様」と呼ぶようになったといいます。
そこから、神様を祀る場を設けるようになり、それが発展して神社になったそうです。
神様を祀る信仰は神道といいますが、その言葉は『日本書紀』で初めて使用されていると著者は指摘します。
『日本書紀』における、第31代・用明天皇の項目に書かれた「天皇は仏教を信じ、神道を尊びたもう」という記述が、日本における神道の初出だそうです。
我が国の神社の数、ベスト4も『全国祭祀祭礼総合調査』(1995年)より紹介されています。
1.八幡神社(7817社)
2.神明社(4425社)
3.天神社(3953社)
4.稲荷社(2970社)
神社に社殿が建てられたのは、仏教の伝来がきっかけだそうです。
仏教では、僧侶の修行のため、また仏像を安置するために、お寺に建物が必要だったとか。
その影響を受け、神社にも本殿や拝殿が作られ始めたと本書には書かれています。
本書によると、神様は大きく3種類に分けられるといいます。
1つは、神話に登場する、いわゆる記紀の神様です。
伊勢神宮の天照大神や、出雲大社の大国主神などを本書では上げています。
私の地元ですが、嶺白山神社(大田区東嶺町)は、現在の石川県・福井県・岐阜県にあたる、加賀国・越前国・美濃国にまたがる白山を御神体として崇敬する山岳信仰で、白山比咩大神(菊理媛神)・伊弉那岐命・伊弉那美命が主宰神です。
山岳信仰というのは、要するに神様が山に憑依するという考えですね。
東京都心の港区にある標高25.7メートルの愛宕山(あたごやま)にある愛宕神社(港区愛宕)は、主祭神が火産霊命(ほむすびのみこと)〈火の神〉です。
慶長8(1603)年、徳川家康公の命により、江戸の防火を願って創建されたそうです。
2つめは、実在の人物です。
このブログでは、新田義興を祀った新田神社をご紹介したことがあります。
新田神社(大田区矢口)は、多摩川の矢口の渡で、敵に謀殺された新田義興(新田義貞の次男)を祭る神社(武家信仰)なのです
3つめは、民俗神です。
人々の間で自然発生的に生まれた神様で、五穀豊穣をつかさどる稲荷神や、外部から集落を守る道祖神などが挙げられます。
私の地元には、穴守稲荷神社(大田区羽田)という稲荷信仰の神社があります。
羽田は、工場や空港などがあるため、稲荷神社が多く、稲荷神社7社を巡る「羽田七福いなりめぐり」という散策コースもあります。
「七福いなり」というのは、七福神が7つの神社・寺院に祀られているので、7つの稲荷神社を巡るようにしているわけです。
本書では、「3つのカテゴリーに分けるのは難しい祭神」として、習合神を挙げています。
神道と仏教が混ざった結果生まれた神様です。
インドや中国からやってきた、神や仏などが日本の神と同一視されたものです。
たとえば、人々に恐れられた鬼や妖怪のたぐいが、祭神になっている神社もあります。
以前ご紹介した『カラー図解イチから知りたい!日本の神々と神社』(三橋健著、西東社)は、神社を種類に分けていました。
記紀の神々
土着の神々
習合神
人格神
七福神
まあ、分け方については、とくに「こうでなければならない」という決まりがあるわけではないと思います。
七福神は、神社だけでなく寺院に祀られているのは、我が国では「神」も「仏」も区別をつけなかったのかもしれませんね。
「神様、仏様」なんて言いますからね。
私たちは神社のお世話になっています
本書はさらに、見どころについてはAmazon販売ページでこう書かれています。
- 神社の参拝マナーや神様のエピソードなどなど、神社の基本を解説。
- 図版やイラストでわかりやすく説明
- 「手を叩く理由」や「鳥居の存在理由」など言われてみれば知らなかった神社の疑問にフォーカス。
- 神道と仏教の「ちがい」や「つながり」をコラムで解説。神と仏、両者を比較することでグッと理解が深まる!
- 神様のお使いとされる動物たちや神話に書かれたおもしろエピソード、偉業を達成したがゆえについには神様にまでなった実在の偉人たちの逸話、さらには漫画『鬼滅の刃』にヒントを与えたとされる「鬼退治」の伝説まで、神社に伝わる数々の伝説を「図鑑ページ」で写真とともに徹底解説!
- 巻末には日本人ならぜひ参拝しておきたい厳選神社ガイド30を掲載。
私たちは、神道に対する信仰がなくても、生まれたらお宮参り、七五三、初詣、人によっては神前結婚などでお世話になっています。
一家に一冊、お勧めしたいですね。
以上、カラー版一番よくわかる神社と神々(かみゆ歴史編集部/平藤喜久子監修、西東社)は、参拝マナーや神様のエピソードなどを解説、でした。
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