千夜一夜物語(バラエティ・アートワークス著、Teamバンミカス)は、16世紀ごろに集大成されたアラビアの寓話をまとめた話

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千夜一夜物語(バラエティ・アートワークス著、Teamバンミカス)は、16世紀ごろに集大成されたアラビアの寓話をまとめた話

千夜一夜物語(バラエティ・アートワークス著、Teamバンミカス)は、16世紀ごろに集大成されたアラビアの寓話をまとめた話です。8~9世紀頃にアラビア語で書かれた『アルフ・ライラ・ワ・ライラ』を直訳したもので、『千一夜物語』『アラビアンナイト』ともいわれます。

『千夜一夜物語』は、バラエティ・アートワークスによって作画され、Teamバンミカスから上梓されました。

まんがで読破シリーズの第40巻になります。

『千夜一夜物語』は、『千一夜物語』『アラビアンナイト』ともいわれ、特定の作者よる創作ではなく、現在のペルシャ、インド、エジプトなどから数百年の間に寓話が集められています。

それを18世紀初頭に、フランスのアントワーヌ・ガランがアラビア語からフランス語に翻訳。

ヨーロッパに紹介してから、各国語の翻訳版がつくられたといわれています。

といっても、ただ寓話を編纂しただけではなく、それらが登場するための基本ストーリーがあります。

しかも、各寓話は大人向けです。

また、現代では理解しにくい価値観で構成されてもいます。

家臣の娘が、王様相手に1000日にわたって夜伽話をし、1001日目に話が終わり、エンディングを迎えるので、『千夜一夜物語』もしくは『千一夜物語』というタイトルがついているのです。

本書は2022年12月18日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

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千夜一夜物語のあらすじ

千夜一夜物語は、妃の不倫で女性を信じられなくなり、国の女性と片っ端から関係しては殺してしまうシャフリヤール王に、宰相の娘シェヘラザードが毎晩摩訶不思議な話を語り継ぎ、1001日目にはシャフリヤール王の心も解けてシェヘラザードを妃に迎えて平和に暮らす話です。

その昔、イラン高原・メソポタミアなどを支配したサーサーン王朝の王位を継いだ兄弟がいました。

父親の王位を継いだ兄のシャハリヤールは、サマルカンド国を治めていた弟のシャハザマーンと会いたくなり手紙を出します。

シャハザマーンはそれを喜び、会いに行こうとしましたが、忘れ物を取りに戻ったとき、妃が奴隷と関係しているさなかでした。

シャハザマーンは妃も奴隷も斬り殺し、王都に向かいました。

しかし、不倫は自分の妃だけではありませんでした。

シャハリヤールの留守中に、妃は奴隷たちと今で言う乱交パーティーを行っていました。

妃というのは、よほど息が詰まる立場なんですね。

ヤケクソになった兄弟は、国王の執務をいったん放り出して、荒野をさまよい歩き続けました。

すると、反対側から魔人がやってきます。

2人は、慌てて木の上によじ登り隠れました。

魔人は、眠くなってきたと言って寝入ります。

すると、魔人がかついでいた棺から女性が現れました。

女性は、兄弟を目ざとく見つけると、「ちょっと、そこのお二人さん。降りてきてアタシといいことしない?」と誘います。

シャハリヤールは、「嫌だと言ったら?」と、確認します。

女性は、「あらダメよ、来てくれなきゃ、魔人を起こして襲わせるわよ」と脅します。

「アタシが何者かって? アタシは婚礼の日に、この嫉妬深い魔人にさらわれて、7つも鍵がかかった棺に入れられて、海底深く沈められていたのよ」

えーっ、そんなことしたら息ができないじゃないですか……というツッコミはなし。寓話ですから。

とにかく、兄弟は女性の御伽をします。

コトが終わった女性は、首に下げていた印章を兄弟に見せます。

「これは、今までに私と交わった男たちから記念にもらったの。570個くらいあるかしら」

「ご・570個!?」

「そうよ。この魔人の鼻先でね、こうでもして楽しまなければ、やってられないもの。さ、あんたたちのも出して頂戴」

呆れた兄弟は、それぞれの国に帰ります。

妃の不貞に加えて、魔人の女性とのコトがあったシャハリヤール王は、女性というものが徹底的に信じられなくなりました。

女性が性体験することは、許せないという考えになったのか。

帰国したシャハリヤール王は、毎夜家臣や庶民の処女を一夜の慰み者として自分の床に招き、関係した後に処刑していました。

そんなべらぼうなことをされたら、誰だって娘を殺されちゃかなわんということになります。

娘を持つ親たちは次々国を逃げ出し、3年もたつ頃には、国から乙女がいなくなってしまったのです。

「もう乙女はいないが、命令を守れなければ私の首が……」

悩む家臣に、「私がいます。私を差し出してください」と名乗り出たのが、家臣の娘のシェラザードです。

「何をバカなことを。お前をそんな不幸な目にはあわせられん」

「私もお役に立ちたいのです。私には考えがあります。どうか私にお任せください」

シェラザードは、シャハリヤール王に言います。

「私には、ドニアザードという妹がいます。妹と私は、生まれてから片時も離れたことがありません。もし、お許しくださるのなら、最期までそばに置かせてあげたいのでございます」

「まあ、よかろう。連れてきてやれ」

そして、シャハリヤール王はシェラザードの純潔を奪いました。

ここで、ドニアザードの出番です。

「姉様。夜はまだ長いわ。いつものようにお話が聞きたい。」

「ドニア。王はお疲れですよ。うるさくしてはお休みになれないわ」

「よい、ちょうど余も眠れぬところだ。聞けばそちは、稀代の話し上手らしいな」

「はい。姉様にかかれば、どんな話でも楽しく、心地よくなるのでございます」

「ほう、それは楽しみだ」

「ささ、姉様」

「わかりました」

1000の寓話は、ここから始まります。

シェラザードは、毎晩伽話をすることでシャハリヤール王の殺意をそらします。

そして、いいところになると「この話の続きはまた翌日」と結末を伸ばしたり、一つの話が終わると、「次に話す話は今の話よりもっと面白い話のです」と、さらに次に期待させたりします。

シャハリヤール王は、話にのめり込み、この娘を殺すことができません。

そして、1001日目に、話はこれで終わりです、と告げます。

そのときは、もうシャハリヤール王に殺意はなくなっていました。

シャハリヤール王はシェラザードを妃に迎え、弟のシャハザマーンはドニアザードを妃に迎えて、大団円のエンディングです。

本書には描かれていませんが、シェラザードには途中に子どもが生まれ、それも1度は双子の出産というエピソードもあります。

その間も、ずっと夜伽話を続けるのは大変だったでしょうね。

もちろん、シェラザードだけでなく、聞き役の妹・ドニアザードの役割も大きかった。

継続は力なり、ということです。

大人向けの寓話集

シャハリヤール王を楽しませる寓話は1000ありますから、ブログの一記事でそれをすべてご紹介することはできませんが、現在のペルシャ、インド、エジプトなどから数百年の間に集められており、日本でもおなじみのアリ・ババ、アラジンの魔法のランプ、シンドバッドなどの話が含まれています。

それ以外の寓話は、「男女の肉体の営み」がありますので、子供向けとしては厳しいかもしれません。

本書には、

  • せむし男の物語
  • 美しきジャリスとアル・ディンの物語
  • アジズとアジザの物語
  • 空飛ぶ黒檀の木馬の物語
  • 床屋と紺屋の物語
  • 靴直しのマアルフと女房フアティマーの物語

などが収載されています。

未見の方は、1度読まれてみてはいかがですか。

以上、千夜一夜物語(バラエティ・アートワークス著、Teamバンミカス)は、16世紀ごろに集大成されたアラビアの寓話をまとめた話、です。

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