ニセモノ食品の正体と見分け方(中川基著、宝島SUGOI文庫)は、“○○風”などと記載された“偽物”食品を見分ける方法解説

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ニセモノ食品の正体と見分け方(中川基著、宝島SUGOI文庫)は、“○○風”などと記載された“偽物”食品を見分ける方法解説

ニセモノ食品の正体と見分け方(中川基著、宝島SUGOI文庫)は、“○○風”などと記載された“偽物”食品を見分ける方法を解説しています。安くて長持ちする食品が、添加物をたくさん使ったコピー食品や上げ底食品であることを実際の作り方まで種明かしします。

『ニセモノ食品の正体と見分け方』は、中川基さんによって宝島SUGOI文庫から上梓されました。

みなさんは、食品添加物について、いかがお考えでしょうか。

たぶん、気にする人はする、気にしない人はしない、といったところかな。

是々非々は、価値観の問題もあるだろうから押し付けることはできないが、すくなくとも言えることは、事実に基づいて気にする(しない)という姿勢はもっていたいものです。

ということで、本日ご紹介するのは、『ニセモノ食品の正体と見分け方』は、高級食材を使っているはずなのに安価で買える食品、〇〇風味と称するモノマネ食品など、どのようにして作られているのか、どうやって本物と見分けるか、などが解説されています。

Amazon販売ページには、こう書かれていてます。

たとえば、牛脂注入肉をステーキに偽装する手法をはじめ、身の回りに溢れるニセモノ食品の正体と見分け方を明かしていきます。特に見分け方に重きを置き、“○○風(ふう)という表現が使われてないか”、“成分表示に問題となる食品添加物が入ってないか”、“原価割れを起こす値段になってないか”といったポイントから、ニセモノ食品を見分ける方法をわかりやすく解説します。

牛脂注入肉については、YouTubeでも公開されているんですね。

安価で「霜降り」の正体はそういうことですよと。

といっても、本書は、それを倫理的に糾弾しているわけではありません。

要は、それを知っているかどうかなんですね。

知った上で、あとはお考えくださいと。

たとえば、お客さんによっては、「安くてその気分になれるのなら、偽物でもいいよ」という価値観もあり得ると思います。

それを本書は、否定はしていません。

ただし、偽物を本物だと思わせることはいけない、という話です。

このブログでは、これまでにもそうした書籍をご紹介してきました。

『食品の裏側ーみんな大好きな食品添加物』(安部司著、東洋経済新報社)は、食卓にのぼる食品添加物がどう使われているかを解説しています。

食品の裏側ーみんな大好きな食品添加物(安部司著、東洋経済新報社)は、食卓にのぼる食品添加物がどう使われているかを解説
食品の裏側ーみんな大好きな食品添加物(安部司著、東洋経済新報社)は、私たちの食卓にのぼる食品添加物がどう使われているかを解説している書籍です。著者は、食品添加物を全否定はしていませんが、添加物依存による「食文化の破壊」を心配しています。

本書は、『ニセモノ食品の正体』という書籍が、改訂されて『「ニセモノ食品」作り最前線』(宝島社)として販売されています。

改訂ということは、偽物食品はさらに増えているということです。

本書は2023年4月19日現在、KindleUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

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コピー食品や上げ底食品をどう見るか

「激安の裏に『添加物』!!」と表紙に書かれた本書は、安くて長持ちする食品が、添加物をたくさん使ったコピー食品や上げ底食品であることを、実際の作り方まで種明かししながら紹介しています。

激安の赤身肉は、牛脂と軟化剤を注射して焼けば「偽装霜降り肉」になります。


生のタラコ(ハラコ)にミョウバン、亜硝酸ナトリウムやグルタミン酸ナトリウムなどにつけ込むと、綺麗な赤色の明太子ができます。

黄色い古米は、ジ亜塩素酸で漂白して、増粘多糖類やグリシン、サラダオイルを加えて炊けば新米のようにツヤのあるご飯が炊きあがる。


ジ亜塩素酸は、近年のコロナ禍において、安全な消毒液として脚光を浴びましたね。

体に効果があると実感できる健康ドリンクは、無水カフェインとアルコールで体をカッカさせています。

ネギトロは、牛脂やマーガリンで作れます。


こう書くと、本書の狙いは“危ない、買うな、食べるな”を連呼する「危険煽り本」のように見えます、そうではありません。

本書は決して、食品添加物を頭から悪とはしていないのです。

ただ、事実を明らかにするということです。

自然のままの素材を新鮮なままふんだんに使い、食品添加物を使わず時間と手間をかけて作られた料理は確かに素晴らしいものです。
しかし、1回しか絞らないカツオだしを作ると大量の『まだ使える』鰹節の絞りくずがゴミとなります。保存料がなければ少し古くなった食材はどんどん捨てなければなりませんし、長期保存もできません。アイスクリームだって、牛乳と卵だけで作れば当然小売価格は百円を下るものは無くなってしまうでしょう。数百円で定食を食べることも不可能となるでしょう。
食品添加物によって、私たちはとても安価で手軽な食生活をおくることができるようになりました。『安さ』『手軽さ』はまさに食品添加物の賜物です。

どんな食材でも、役に立つ部分もあれば毒もあります。

この世のあらゆるものに、完全無害なものはありません。

ですから、添加物を過剰に騒ぐのも合理的とはいえません。

そこで本書は、こう述べています。

ようするに程よく付き合っていけば問題のない範囲だと言いたいわけです。連日ファストフード三昧やコンビニ弁当三昧が良い訳がないのです。恩恵はある程度受けつつも、程ほどにしておくのが上手な付き合い方ではないでしょうか。

そもそも、食品添加物はそれほど悪いものなのでしょうか。

それ自体は厳しい毒性テストをクリアした上で、厚生労働省によって、生涯食べ続けても健康に障害はない一日あたりの許容摂取量(ADI)を決められています。

巷間、特定の食品添加物をやり玉に挙げて危険危険と騒ぐ「消費者運動」がありますが、その根拠を調べてみると科学的な信用のないいい加減なものが少なくありません。

では、添加物など全く気にしなくてもいいかというと、そうともいえないから難しいところです。

何より総摂取量はより少ない方が望ましいので、避けられる添加物は避けた方がいいのもまた確かなことなのだ。

だから、「程よく付き合う」を実践するためには、消費者がその正体を知り、「程」を判断できるようにしなければなりません。

ですから、大切なことは、正しく恐れるということです。

それが、本書の意図するところです。

外食チェーンが、固くて安い肉に柔軟剤という添加物を加えてステーキ用にやわらかくすることは、「肉をおいしくする働きはあっても、体に有害となるような成分は含まれていないので不気味がる必要はない」と教えてくれています。。

ただし、「偽装霜降り肉」はあくまでも「霜降り風」であり、本物ではないことを認識しておくべきだといいます。

その上で、「偽物でも安い価格で『霜降り肉風』が食べられるならそれでいいよ」という価値観を否定はしない、ということです。

食品添加物、といっても十把一絡げにしないで、是々非々で考えることです。

『本当にコワい?食べものの正体』(中川基著、すばる舎)は、添加物は危険、無添加は正義、という主義主張に「本当にそうか?」と注意を促しています。

本当にコワい?食べものの正体(中川基著、すばる舎)は、添加物は危険、無添加は正義、という主義主張に「本当にそうか?」と注意!
本当にコワい?食べものの正体(中川基著、すばる舎)は、添加物は危険、無添加は正義、という主義主張に「本当にそうか?」と注意を促している書籍です。わざわざ添加されているのは「理由」があります。それに無添加が安全とは言い切れません。

たとえば、「化学調味料不使用」をうたい、一見安全そうな食品には、羽毛や牛の血などの「ゴミ」を高圧塩酸や分解酵素で処理した「たんぱく加水分解物」が使われます。

「ゴミ」を加工することは衛生上問題はありませんが、塩酸処理による塩素化合物としての毒性はよくわかっていません。

むしろ、化学調味料の方が安全性が明確であり、「不使用」という言葉に消費者が勝手に「安全」をイメージすべきでないことを本書では警告しています。

食品の安全性を切実に求めるあまりの誤解や認識違い

思えば、私たち消費者は食品の安全性を切実に求めるあまり、思いこみや近視眼的な判断に陥ってしまうことがあります。

たとえば、こんなふうに考えてはいないでしょうか。

食品添加物は、合成添加物は体に毒だが天然物なら安心だ。

有機・無農薬はそうでないものより安全だ。

化学調味料を使うと中華料理店症候群になる……。

実はこれらはいずれも正しいとはいえません。

消費者が、安全性を求めることは当然のことです。

ただし、それが誤った認識や判断に陥る原因は、作る側が加工技術を積極的に明らかにしないことと、科学的根拠をはずれた「添加物絶対反対運動」にあると著者は警告します。

消費者の利益と要求にかなうためには、そのどちらも否定し、是正する立場から食品の真実を明らかにしていくことが必要です。

その意味で、本書に書かれている種明かしと啓蒙は意義のあるものだと思います。

以上、ニセモノ食品の正体と見分け方(中川基著、宝島SUGOI文庫)は、“○○風”などと記載された“偽物”食品を見分ける方法解説、でした。

ニセモノ食品の正体と見分け方 (宝島SUGOI文庫) - 中川 基
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