誰でもスグできる! 睡眠障害で眠れない夜の不安をみるみる解消する 200%の基本ワザ(日東書院本社)という書籍をご紹介します。長いタイトルですが、要するに睡眠障害を解決する、という趣旨です。少し古い本なのですが、実用的なのでご紹介します。
連休中でしたが、NHKの朝の番組『あさイチ』で、「睡眠負債」を特集していました。
【あさイチ】睡眠改善寝だめ技・睡眠時間チェック方法・寝室照明・寝る前スマホ・睡眠負債解消法https://t.co/c3hw0498g8 #あさイチ #睡眠 #睡眠改善 #寝だめ #寝溜め #寝室 #寝る前 #スマホ #睡眠負債 #睡眠中央時刻 #ノンレム睡眠 #レム睡眠 #柳沢正史 #良い睡眠 #就寝 #ぐっすり眠る
— News123 (@news123_t) April 30, 2024
世界50以上の、国と地域の平均睡眠時間を調査したところ日本は最下位で、6時間18分。
6時間も寝れば十分かと思いましたが、寝不足による経済損失は18兆円に上るという試算もあるそうです。
しかも、「負債」と表現されていますが、睡眠に「資産」はありません。
つまり、睡眠不足はあっても、寝溜めはできません。
では、はやく床について長く寝れば良いのか。
いえ、日本人の5人に1人は「熟睡できない」「なかなか寝付けない」など、何らかの睡眠障害があると言われています。
しかし、睡眠障害と一言でいっても、さまざまな症状が存在します。
そこで、本書では、不眠の原因や症状を整理し理解しやすいように、豊富な図版を使ってわかりやすく説明しています。
本書の監修は井上雄一医師(東京医科大学教授)です。
8時間寝ればいいというものではない
寝不足は体に悪い、といわれますが、ではどのくらい眠ればいいのでしょうか。
いつからか、誰ともなしに言われるようになったのは8時間睡眠説です。
しかし、本書によるとこれは「医学的俗説」だそうです。
こんな例が出ています。(×は「違う」、△は「必ずしもそうとはいえない」)
長く眠ったほうが健康に良い……×
睡眠時間は8時間が良い……△
早寝早起きは体に良い……△
寝酒はよい……×
寝酒は、眠りが浅くなり中途覚醒が起き、睡眠のリズムが崩れてしまうからいけないそうです。
早寝早起きがなぜ△かというと、夜型が必ずしも悪いわけではなく、また適正な睡眠時間は人によって違うから。
睡眠の本来の目的は、脳と体を休ませることにあるといいます。
よく、睡眠にはレム睡眠(RapidEyeMovement)と、ノンレム睡眠があるといわれます。
・レム睡眠……脳や自律神経の活動レベルは高く、一方で筋肉は弛緩している状態。
・ノンレム睡眠……レム睡眠以外の睡眠のことで、脳や自律神経の活動レベルは低いものの、筋肉は完全に弛緩してはいない状態。
この両方の睡眠によって、人間は脳と体の各器官を休ませることができます。
つまり、脳と筋肉は交互に休んでいるわけです。
そして、レム睡眠によって成長ホルモンや新陳代謝の促進が行われ、ノンレム睡眠で脳の情報が整理されます。
本書から該当部分を引用させていただきます(18~19ページ)。
解説もあわせて引用させていただきます。
脳を休めるノンレム睡眠は、4段階に分かれています。入眠後、段階1、2の浅いノンレム睡眠を経て、段階3、4の深いノンレム睡眠へと移っていきます。この状態が熟睡状態となります。このノンレム睡眠とレム睡眠がセットになって繰り返されるのが、普通の睡眠パターンです。この組み合わせのひとつのサイクルを「睡眠単位」といい、1睡眠単位は90~120分となります。一晩に3~5単位あらわれるのが普通です。レム睡眠とノンレム睡眠の割合はおおよそ2対8です。(中略)
レム睡眠では、筋肉は弛壊し、休息状態ではありますが、脳は覚醒時に近い状態にあります。起きているときに脳に入ってきたさまざまな情報はレム睡眠中に整理されているといわれ、この睡眠段階は記憶を定着させる役目を果たしていると考えられています。そのため、レム睡眠を取らないと技能の習得が悪く、語学の習熟が遅れるといわれています。
で、結論として、適正な睡眠時間はどうやって調べたらいいのか。
これはもう、自分の生活と自覚で調整していくしかないようです。
本書には、「もし、毎日元気に過ごせているなら、今の睡眠時間で十分ということです。もし、週末が近くなると昼間眠くてつらいなら、次の過はもう少し睡眠時間を増やしてみるといったようにしてみましょう。そうすれば、必ず、自分にあった必要な睡眠時問が見つかるはずです」と書かれています。
つまり、冒頭のニュースにある、「日本人の睡眠時間が世界50以上の国と地域で最下位」だからといって、個人的に慌てる必要はない、ということかもしれません。
睡眠障害とはなんだ
なお、本書には、「眠れない人」が医科学的に睡眠障害といえるかどうかを見極めるために、そのタイプについて解説しています。
「眠り方」でみると、夜、布団に入っても寝るまでに30分以上かかる「入眠障害」、朝起きるまでに何度も何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」、朝、起きようと思っていた時間より、2時間以上早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、睡眠時間は足りているのに、ぐっすり眠った感じがしない「熟眠障害」などです。
「睡眠時間帯」によっても、眠る時間帯が極端に遅い「睡眠相後退症候群」、逆に夕方など極端に早く眠くなり、夜中に目が覚めてしまう「睡眠相前進症候群」、眠る時間が毎日少しずつ後ろへずれていく「非24時間睡眠覚醒症候群」、昼夜関係なく途切れ途切れに寝たり起きたりする「不規則型睡眠覚醒パターン」などがあるといいます。
そして本書は、それらの解決法も解説しています。
「寝不足」にお悩みの方。上記で該当するタイプはありますか。
以上、誰でもスグできる! 睡眠障害で眠れない夜の不安をみるみる解消する 200%の基本ワザ(日東書院本社)は不眠の原因や症状を解説、でした。
コメント