『空腹こそ最強のクスリ』(青木厚著、アスコム)は、噂の16時間断食、オートファジーについて書かれた「半日断食」の書籍です。「無理なくやせる!」「頭がさえる!」「疲れにくい体になる!」などなど興味深い内容が書かれています。
『空腹こそ最強のクスリ』は、今や30万部を突破。
そのキーワードであるオートファジーが話題になっています。
16時間食べることを断つと、「無駄な栄養」を摂取しないだけでなく、細胞内のタンパク質のリサイクルや、病原微生物の排除などを行うといいます。
私も実践中の「16時間断食」について、改めてご紹介します。
「16時間断食」を実践したら本当に痩せた!
『空腹こそ最強のクスリ』は、あおき内科 さいたま糖尿病クリニック院長の青木厚医師が、アスコムから上梓した書籍です。
本書を紹介するYouTube動画やブログ記事は、もうたくさんありますので、いささか乗り遅れの感もありますが、私もご紹介したいと思います。
といいますのも、私は本書で解説されている「16時間断食」を行ったところ、体重が減っていたのです。
具体的に述べますと、60kg⇒58kgなんですけどね。
というのも、もともと何を食べても太りにくい体質だったのですが、寄る年波で基礎代謝が減ったのか、近年朝ごはんをいただくと太るようになってしまったのです。
しかも、なんか朝ごはんをいただくと、昼ごはんが美味しく感じられないような気がすることがありました。
要するに、お腹が空かないのに、時間が来たからと食事をしていたわけですね。
もっとも、私がいただく朝ごはんなんて、せいぜい納豆ご飯1膳程度です。
納豆が100kcal、茶碗一杯240kcal。
合計340kcalですから、菓子パン1つぐらいですね。
これを断ったわけです。
でも、残りの8時間では、その反動といいますか、夜は揚げ物は2品いただきます。
昼は最近ハマっているのがニチレイフーズの炒飯。
250gいただいてます。
あ、この画像は200gなんですが、今は50g増えました。
それにカップ麺などつけてしまいますと、結構なカロリーになりますね。
で、ちょっと心配になって体重計に乗ってみたら、逆に2kg痩せていたのです。
体重は数字で客観的に出るものです。
痩せたことは確かなので、今回ご紹介に至ったわけです。
1日3食では胃腸や内臓を休ませることができない
本書の結論は明快で、健康に大切なことは、何を食べるかではなく、食べない時間を増やすこと。
睡眠時間を合わせて、1日16時間は食べるな、ということです。
この半日断食によって、細胞内の悪いタンパク質や、感染症を引き起こす病原微生物などが排除され、体の細胞がみるみる修復されるという話です。
栄養をたくさんとったほうがいいじゃないか、と思われますか。
食事の後に、疲れを感じたり、眠くなったりしませんか。
本書では、胃や肝臓を働かせることによる疲れのサインかも知れない、と警鐘を乱打しています。
そりゃそうですよね。
口から胃袋に食べ物が運ばれ、1分で3回ぐらい蠕動があるらしいですが、摂取物を溶かしてしまうだけの大量の胃酸を発し、3時間ぐらいで小腸に。
そこから5~8時間かけて栄養を吸収して大腸に。
大腸から肛門までの蠕動は15時間ぐらいかかるそうです。
つまり、いったん食べ物が入ったら、まる1日は胃⇒腸が稼働していることになります。
1日3食ですと、睡眠時間8時間を除いて18時間に3回胃の中に食べ物が入るわけですから、そうすると、胃は9時間、小腸や大腸に至っては、24時間動きっぱなしというわけです。
これは激務ですね。
しかも、胃腸の消化吸収だけでなく、消化液を出したり(膵臓や胆のう)、解毒(肝臓)したりする内臓も働き続けるわけです。
胃の疲弊は、胸焼けや胃もたれ、食欲不振につながっていきます。
肌や髪にも悪影響をもたらします。
腸内環境が悪化すると、免疫力も低下します。
さすれば、風邪や肺炎などの感染症にかかりやすくなったり、アレルギーやがんのリスクが高まったり刷るわけです。
そこで、少し休む時間を与えよう、ということです。
とくに、糖質のとりすぎについては、本書は強く止めています。
16時間以上の断食でもっともオートファジーがはたらく
1日3食というのは、私たちにとっては常識になっているといってもいいかもしれません。
しかし、本書によると、それは最近の、せいぜい100年ぐらい前からのことであり、3食が体に良いという科学的根拠はなにもないといいます。
すでにこんにちでは、多くの研究で、断食することが
- 体重・体脂肪の減少につながること
- 糖尿病、悪性腫瘍、心血管疾患の予防に効果的であること
などが述べられています。
そこで本書は、具体的に1日16時間以上の空腹を作ると、最大限の効果が得られるとしています。
最大限の効果とは、具体的にはオートファジーというリサイクルの機能です。
2016年に、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が、オートファジー (Autophagy) の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
オートファジーとは、細胞内の古くなったたんぱく質が、新しく作り替えられるリサイクルの仕組みです。
ギリシャ語の、「ファジー(食べる)」に「オート(自ら)」を組み合わせた造語です。
栄養が入って来なくなると、体は古くなったり壊れたりした細胞内のたんぱく質を、分解して再利用することがわかっています。
細胞内に存在する、細胞内小器官のミトコンドリアも、オートファジーによって新たに生まれ変わります。
ミトコンドリアは、細胞内にたくさんあればあるほど、細胞の活動に必要なエネルギーが得られ、若々しく、健康でいられるのです。
詳細は本書をご覧いただくとして、16時間の断食は、
- 内臓の疲れがとれて、内臓機能が高まる。
- 腸内環境が改善されて免疫力もアップする。
- 血糖値が下がり、インスリンの適切な分泌が促されることで血管障害が改善される。
- 脂肪は分解され、ダイエツト効果がある。
- 細胞が生まれ変わることで、疲労、体の不調、老化の進行などが改善される。
といった効果を期待できます。
無理なく、ストレスなく、病気を遠ざける
本書の著者、青木厚さんのプロフィールが素晴らしいですね。
糖尿病、高血圧、脂質異常症など生活習慣病が専門。糖尿病の治療に本書の食事術を取りいれ、インスリン離脱やクスリを使わない治療に成功するなど成果を挙げている。40歳のとき、舌がんになったことで、「無理なく、ストレスなく、病気を遠ざける」には、どうすればよいのか、必死に考えたそうです。
自身も40歳のときに舌がんを患うも完治。食事療法を実践してがんの再発を防いでいる。
その結果、たどりついたのが、16時間断食という、空腹の力を活用する食事法だったといいます。
何を食べるか、という健康法ですと、それを買ったり、料理したり、決まった時間に決まった量を食べたりなどしなければなりませんが、オートファジーは、とにかく食べなければいいのです。
これは実にシンプルで明快な健康法です。
ただ、これは基本的に運動をほとんど市内人の食事法であり、運動してたくさんの栄養が必要な人には適応外です。
もとより、体質に合う合わないもあるので、その見定めも必要です。
ということで、いかがですか。論より証拠で試みてみませんか。
以上、『空腹こそ最強のクスリ』(青木厚著、アスコム)は、噂の16時間断食、オートファジーについて書かれた「半日断食」の書籍です。でした。
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