『誰でもできるストーリー式記憶法』(山口真由著、角川書店)は、仕事や勉強の記憶を趣味の記憶のように覚えるノウハウの書籍

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『誰でもできるストーリー式記憶法』(山口真由著、角川書店)は、仕事や勉強の記憶を趣味の記憶のように覚えるノウハウの書籍

『誰でもできるストーリー式記憶法』(山口真由著、角川書店)は、仕事や勉強の記憶を趣味の記憶のように覚えるノウハウの書籍です。「ストーリー法」という、意味のある記憶だけを簡単に、できるだけスラスラ覚えさせてくれる方法です。

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「無意味記憶」ではなく意味のある記憶が大切

『誰でもできるストーリー式記憶法』は、山口真由さんが角川書店から上梓しました。

記憶法というと、「ああ、記憶術?」と思われるかもしれません。

しかし、本書は、巷間に数多存在する「記憶術」のノウハウを綴ったものとは違います。

山口真由さんは、むしろ、それらを「無意味記憶の容量増やし」と述べています。

たとえば、円周率をずーっと覚えても、それはなにか人生の役に立つのでしょうか。

宴会芸になるのかな。

いや、そんな宴会芸を披露されても、つまんなくて酔いが冷めちゃいますね。

山口真由さんが本書で標榜するのは、仕事や勉強に役立つ「意味のある記憶」です。

円周率なんて3.14までしかいえない、家族以外の他人の誕生日なんて覚えていない、そんな私であっても、勉強や仕事に関する記憶は非常に得意です。そのため、いわゆる世にいう記憶術という特殊技能がなくても、勉強でも仕事でも十分な成果を発揮することができました。

無意味記憶をたくさん覚えるのではなく、勉強や仕事に意味のある内容を、効率的に覚える方法を記したというわけです。

記憶力を、いかなる価値に使うべきか、という話ですね。

そして、山口真由さんによれば、「記憶力」というのは、「頭の良さ」「頭の回転の速さ」「発想の柔軟性」といったこととはリンクしないといいます。

つまり、誰でも本書の記憶方法はチャレンジできるのです。

本書によると、記憶力の真髄とは、すべてを完全に覚えることではなく、日常に起こる細かい情報の数々をあえて忘却しつつ、大事なことを覚えて、それを好きなときに好きなように取り出せることだと定義づけています。

では、山口真由さんが標榜する記憶の「ストーリー法」とは、どのようなものでしょうか。

単体でなくストーリーで覚える記憶方法

本書によると、山口真由さんは、記憶を大きく2つに分類しています。

  • 長期記憶
    ⇒意味記憶・エピソード記憶・手続き記憶

  • 短期記憶

短期記憶というのは、「名刺に書いてある電話番号を瞬間的に記憶して電話を掛ける」など、短い時間しか覚えていない記憶。

認知症になると、ここがやられてしまうんですね。

「さっきのこと」を忘れてしまう。

でも、加齢による物忘れは誰にでもあるし、「さっきのこと」は忘れても昔のことは覚えているから、周囲の人は認知症に気づかないまま進行してしまうことが多いのです。

……という余談はともかくとして、一方の長期記憶とは、「法律の勉強」など長い期間覚えている記憶といいます。

その中で、山口真由さんが重要だと思っているのが、「意味記憶」と「エピソード記憶」。

意味記憶というのは、文字通り物事の意味についての記憶。

「645年大化の改新」など、勉強や仕事に直結する記憶です。

エピソード記憶というのは、個人的体験に基づく記憶で、「今日の朝ごはんはパンと牛乳だった」などのエピソードに関する記憶を指すそうです。

それ以外には、技能や手続き、ノウハウを保持する手続き記憶。

さらに情報を一時的に保ちながら作業を遂行するための「記憶の作業台」であるワーキングメモリも注目を集めています。

山口真由さんは、その中で「エピソード記憶」が一番覚えやすいので、勉強や仕事で最も必要とされる「意味記憶」も、できる限り「エピソード記憶」に近い形で覚えると覚えやすくなるとし、日常の中に埋もれがちな雑多な「エピソード記憶」は、感情と一緒に覚えると、覚えやすくなるといいます。

すなわち、山口真由さんの言う記憶の「ストーリー法」とは、「意味記憶」を「エピソード記憶」になるべく近い形で、そして「記憶」 自体をなるべく活き活きと覚える記憶法なのです。

より覚えやすい「ストーリー」の作り方を編み出す楽しみ

では、具体的にどうやって「エピソード記憶」に近い形で覚えることができるのか。

ストーリー法とは、意味記憶を、物語を読むように読んでいく方法といいます。

目次の小見出しから引用しますと、

意味の流れで覚える
時系列で覚える
規則性を見つけて標準化する
インパクトで覚える
読んだ記憶で覚える
同じように読む
一定のスピードで読む
丸暗記ポイントを絞る
読む・聞く・書く・話すフル活用
音読と切り離す

などを提案しています。

ネタバレになるので、詳細は本書をお読みいただくとして、要はいかに脳に印象づけ記憶を定着させるかということです。

ただ、レビューを見ると、一部には、社会科の勉強しか使えないのではないか、という厳しい批評もあります。

英語や、古文漢文、数学、理科などの勉強はどうするんだ、というわけです。

たしかに、たんなる暗記では済まない科目について、具体的な勉強法には触れられていません。

まあただ、本書は「記憶法」であり、「勉強法」ではありませんし、本書をそのまま真似して完結ということではなく、本書はあくまでも山口真由さんが編み出したものであり、こんな感じであなたも独自のストーリー法を編み出してみませんか、ということではないのでしょうか。

山口真由さんについては、以前も『超速「7回読み」勉強法』をご紹介しました。

『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』(PHP研究所)は、山口真由さんが次々結果を出して確立した勉強法を開陳
『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』(PHP研究所)は、山口真由さんが次々結果を出して確立した勉強法を開陳しています。その「努力」のための勉強法「7回読み」が、誰でもできる才能も要らない方法というのです。

山口真由さんにとって、記憶することは、楽しんでいる遊びの延長のようです。

実は、それこそがいちばんのポイントなのかもしれません。

本書に書かれていることを実践するのはもちろん、読者一人一人が自分にとってより覚えやすい「ストーリー」の作り方を編み出せば、それもまたよしということではないでしょうか。

楽しみながら、仕事や勉強に役立つ意味のある記憶方法。

興味ある方は、ぜひ本書を読まれることをおすすめします。

本書は、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

以上、『誰でもできるストーリー式記憶法』(山口真由著、角川書店)は、仕事や勉強の記憶を趣味の記憶のように覚えるノウハウの書籍、でした。

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