ChromeOS Flex 導入&利用手引き: 15年前のPCが蘇った(技比良豪著、Kindle)
ChromeOS Flex 導入&利用手引き: 15年前のPCが蘇った(技比良豪著、Kindle)は、古いマシンにインストールしたレビューと解説です。ChromeOS Flexは、Chromebookを動かすChromeOSの無償版で、一部を除くと古いWindowsやMacOSをChromebookのように使えます。
『ChromeOS Flex 導入&利用手引き』は、技比良豪さんが著したKindle書籍です。
サブタイトルに、『15年前のPCが蘇った』とついています。
『15年前のPC』とは、ThinkPad T60P です。
初期導入OSはWindows XP Professional (Service Pack 2) 。
CPUは、Intel Core2 CPU T7600(2.33GHz)
メモリは2GB
HDDは100GB。
画像を見ると、現在のメーカー、Lenovoではなく、以前のメーカーであるIBMのロゴがパームレストにあります。
しかも、ThinkPadファンにとっては魅力的な7段(7列)キーボード。
別の意味で価値が高いですね。
ということは、まだこのマシンは処分できずに持っているユーザーが多くいそうです。
ただ、さすがにメモリ2GBのWindowsXPマシンでは、現在のWindows11を走らせることはできません。
本来なら、ChromeOS Flexの推奨スペックにすら足りないのですが、本書によると、無事インストールできたそうです。
さらに、本書には、ChromeOS Flexは、『試してみると、予想以上に良かった!』というのが率直な感想と書かれています。
どう良いのか、具体的に見ていきましょう。
本書は2022年11月7日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
プリンタもオフラインでも使える無償のOS
本書『ChromeOS Flex 導入&利用手引き』の表紙には、こう記載されています。
そもそも、Chrome OSとは、どんな特徴があるOSなのか。
Chromebookは、Chrome OSの走るマシンですが、特徴を箇条書きで枚挙しましょう。
- 起動が速い
- 障害発生時でも簡単に元の環境に戻せる
- セキュリティはつねにOS自動更新で最新状態
- ブラウザで完結するので操作がシンプル
- 少ないリソースでより多くのことを実行できる(必ずしも高いスペックは要らない)
- ネットにつながっていることが原則
- Androidアプリでスマホと連携できるようになった
- Linuxアプリも使えるようになった
ChromeOS Flexとは、その無償版です。
たとえば「Androidアプリでスマホと連携できるようになった」などはついていませんが、そのほとんどはChromeOS Flexでも対応します。
つまり、手持ちのマシン、しかも現役のWindowsやMacOSがインストール困難になったマシンで、Chromebookのかなりのことが実現できるようになったということです。
無償のOSですが、YouTubeの視聴、Gmailでメール、Googleカレンダーでスケジュール管理、GoogleミートでWEB会議などのGoogleのサービスはもちろん、さらにMicrosoft Office(無償版あり)、Adobe Creative Cloudなどデファクトスタンダードとなっているインストール版のアプリもWebアプリ版を使うことで、対応できます。
本書では、まずChromeOS Flexについての誤解を解いています。
たとえば、プリンタは使えないんじゃないかとか、オフラインでは使えないんじゃないかとか。
もちろん、使えます。
次に、インストールの仕方を図解で説明しています。
8GB~32GBのUSBメモリがあれば、インストールできます。
そして、基本的な操作方法も解説されています。
これ1冊があれば、既存の出版社から出ているマニュアルはなくても、ChromeOS Flexは使えるでしょう。
同じ「Linux」でも他のディストリビューションと違うこと
Chrome OS Flexについては、一部には「Xubuntuのような、軽いLinuxのUbuntuフレーバーを入れたほうが良いのではないか」という意見もあります。
まあ、その意見は否定はしませんが、要は好みとともに、いかなる価値で使うかだと思います。
というのは、Chrome OS Flexは、たしかにChromium OSというLinuxをもとにしたOSですから、大きなくくりではLinuxの一種です。
「だったら、Linuxの軽いディストリビューションにしておけばいい」という考え方はあり得ると思います。
ただ、Chrome OSは、他のLinuxディストリビューションとは、思想が少し違うんですね。
それは、Chromeというブラウザの専用機用OSであること。
Linuxは、オープンソースで自由度が高い反面、「導入、運用に一定以上の専門知識が必要」というデメリットがあります。
一方、Chrome OSは、ブラウザで操作のすべてが完結。
使えるアプリは、原則ブラウザで使うWebアプリのみ。
そして、Googleのサポート下にあるので、Windows以上に堅牢です。
つまり、パソコン初心者でも使いやすい敷居の低さがメリットということです。
それはもう、WindowsやMacOS以上でしょうね。
学校で導入されるのは、それも理由の一つにあると思います。
ですから、Linux派生のOSといっても、他のLinuxディストリビューションとは、ターゲットがもっとも遠いところにあるOSといえるかもしれません。
たしかに、Linuxのディストリビューションには軽いものもありますが、Windowsマシンで使っているGoogle日本語入力はChrome OS Flexでも対応しますから、辞書ももちろんご完成がありますし、私はどちらかを選べというと、やはりChrome OS Flexを選ぶでしょうね。
OSからの解放というメリット
なお、このブログでは、過去にChromeOSについて書いた記事があります。
ひとつは、『アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日』(鈴木章史著)です。
Chromebookのユーザーとして有名な著者が、Googleアカウント一つあれば、どこでどんなマシンでも使えるようになるOSフリーの社会を展望しています。
これは、Chromebookを使用することが前提ですね。
パソコンには、OSが不可欠です。
OSといえば、マシンの核になるソフトウエアです。
そのOSから自由になる、つまり、WindowsでもMacでもLinuxでもない、「OSフリー」になることです。
つまり、Windowsマシンを使っている人は、目の前にMacがあっても、Windowsマシンの作業の続きは出来ません。
逆も同様です。
しかし、OSフリーなら、そんな問題は生じず、それに一番近いところにいるのがChromeOSという話です。
『はじめてのChromebook』(一条真人著、インプレスR&D)は、ブラウザであるChromeをユーザーフェイスとする、ChromeOSマシンの解説です。
Chromebookについては、最近はAndroidのアプリをダウンロードできるものなど、比較的高価なマシンもリリースされるようになったのですが、「それならWindowsでいいんじゃないか」という意見もあります。
ChromeOS搭載のChromebookの良さは、マシンが安価なこともあるからです。
Chromebookを試したい、でもきちんとしたものを買う予算があるならWindowsマシンの方がいいような気がする。
そのような場合に、古いマシンを押入れの餌にせず、再び働いてもらうためにも、ChromeOS Flexをおすすめします。
いかがでしょうか。
以上、ChromeOS Flex 導入&利用手引き: 15年前のPCが蘇った(技比良豪著、Kindle)は、古いマシンにインストールしたレビューと解説、でした。