『The・かぼちゃワイン』(三浦みつる、講談社)は、意地っ張りな青葉春助とLサイズ美少女・朝丘夏美による昭和のラブコメ漫画です。3月21日にマンガ図書館Z編集部の公式アカウントより、全18巻が同サイトで無料で読めるようになったとツイートされました。
昭和の文化が感じられる青春ラブコメストーリー
『The・かぼちゃワイン』は、2015年に漫画化引退宣言をされた三浦みつるさんが発表したラブコメ漫画です。
1981年~1984年にかけて、『週刊少年マガジン』(講談社)で連載されました。
その後も、媒体をかえて、読み切り短編『The・かぼちゃワイン 女子大生編』(1999年、グリーンアロー出版社『コミック・フィギュア王』)や、『The かぼちゃワインsequel』(2001年~2002年、実業之日本社『コミック伝説マガジン』)、『The かぼちゃワイン Another』(2006年~2009年、秋田書店『プレイコミック』)などの続編を発表しています。
そして、2015年には、『バック・トゥ・The・かぼちゃワイン』をもって引退する引退を発表して話題になりました。
その7年後に、本編がまた注目を集めているわけです。
舞台は、私立の寮制中高一貫校。
転校してきた中学2年生の青葉春助は、間違えて休みの日に登校してしまいます。
そこへ、飼育係で休日登校してきたLサイズ美少女・朝丘夏美ことエルがやってきて、青葉春助に一目惚れ。
物語は、一貫して春助にストレートにアプローチしてきます。
朝丘夏美は、体が大きいことからあだ名は「エル」。
春助は逆に小柄なので、見かけは“ノミのカップル”。
そして、青葉春助は今で言うツンデレのため、なかなかエルに直接言葉で愛情表現できません。
そのために、いろいろなライバルが出てきます。
たとえば、本当は相思相愛なのに、エルを好きな生徒の頼みで、エルにつないでデートまでさせてしまう春助。
エルは、その生徒の兄にキスをされてしまい、「春助くんごめんね」と先に立たない後悔をするエル。
昭和の漫画やドラマ、さらに小説などに出てくる男性主人公は、なぜかツンデレが多かったですね。
「誰が〇〇なんか好きなものか」といいながら、実は好きで好きでしかたない。
同じ時期の人気漫画『うる星やつら』の関係と似ていますね。
たぶん、このメンタリティは、平成や令和の世代では理解されないのではないかと思います。
え、何もったいぶってんの、そんなことやってたら逃げられちゃうよ、という感じで。
やはり、これは昭和ならではの文化かな。
男性は、「女なんぞにうつつを抜かすな」という文化があり、一方女性の側は「どんな素敵な男性をゲットできるか」という星の王子さま願望があったわけです。
ですから、男性の方から物欲しげになってはいけないのです。
さらには、どんな男性にもモテたいという願望があります。
さすれば、「自分は別になんとも思ってないけど」相手が好きになってくれる、という展開が心地よいのです。
まあ、それはともかくとして、その昭和のラブコメが、なんとマンガ図書館Zで全巻無料で読めることになったのです。
全18巻を無料公開
#マンガ図書館Z で最近よく読まれている作品は…??????
『The?かぼちゃワイン 1』 ( #三浦みつる ) です!
無料で全巻お楽しみいただけます?????
あなたもぜひ読んでみてくださいね??#漫画 #無料漫画https://t.co/y77cYh3COh— 【公式】マンガ図書館Z (@Manga_Z_) March 21, 2022
何度か書いていますが、マンガ図書館Zとは、公式サイトからの引用です。
なぜ無料なのかと言うと、閲覧ページには広告が表示されるからです。
その収益から、作者には印税が支払われるそうです。
まあ、紙媒体の印税に比べたら微々たるものですが、いずれにしても、権利者の許諾と報酬がある点で、かつて問題になった海賊版サイトとは違うわけです。
全18巻ですから、読み応えありますよ。
ただし、いったんリスト入りしたからといって、ずっと読めるとは限りません。
これまでも、私の記憶では、『ゆうひが丘の総理大臣』がリストにあったのですが、いつのまにか収録作品から外れてしまいました。
ですから、本作もご関心があれば読むのは今のうち、です。
なお、無料閲覧はブラウザから読めるだけですが、有償でデジタル化したデータを購入することもできます。
エルにはハラハラさせられました
エルは青葉春助一途ということになっていますが、かなり脇は甘く、すぐ別の男性とデートしたり、キスまでさせたり、裸を見せてしまったりと、当時思春期に読んたものとしては、ハラハラしたりショックだったりしたものです(笑)
しかも、青葉春助とシそうになると拒むし。
本当に青葉春助が好きなのか、疑問に思ったものです。
それと、最初からエルは青葉春助が好きになってしまうわけですが、どうしてなのかが描かれていなかったですね。
たとえば、友達との会話の中で、それを語らせても良かったのでしょうか。
映画の『釣りバカ日誌』で、実は婚約者のいたミチコさんが、どうしてハマちゃんと結婚したのかを、スーさんに打ち明けているシーンがあります。
そんなに惚れっぽいのなら、実は青葉春助が現れる前にも好きな男がいたのではないか、という素朴な疑問もあります。
そういえば、その男性一筋と思わけている女性が、実際にはいろいろつまみ食いしていた、という話はリアルでもありますよね。
そういう現実を、思春期にエルに突きつけられたような気もしました。
まあ、そんなにアツくなっても仕方ないのですが(笑)
しかも、設定は中学というのもすごいですね。
これは高校でもよかったのではないかと思うのですが、中学生でこれだけ成熟している、というところに意義があったのかもしれません。
思うに、昭和の高校生は、もう少し老けていたかもしれませんね。
いずれにしても、懐かしい作品です。
なお、本作はAmazonUnlimitedの読み放題リストの中に、3巻まとめた合本も含まれています。
実は、私はAmazonUnlimitedの合本の方ですでにひと通り目を通しておりました。
いかがですか、みなさんも。
以上、『The・かぼちゃワイン』(三浦みつる、講談社)は、意地っ張りな青葉春助とLサイズ美少女・朝丘夏美による昭和のラブコメ漫画、でした。