「国の借金、最大の101兆円増」(時事通信)という報道に対して「いつまで『借金』と虚偽を報道している」と批判が上がっています。「借りた覚えはない」というWeb掲示板の書き込みはもっともなことです。国債の発行額がそうだという以上の意味はありません。
本当は「国民1人当たりの貯金」という声も
もとの記事は時事通信。
『国の借金、最大の101兆円増 コロナ対策で1216兆円―20年度末』のタイトルです。
要するに、国債発行の額がそうなった、というだけのことですが、財務省は相変わらず「国の借金」と表現し、マスコミはそこになんのチェックも示さずにタレ流しているという話です。
国の借金は、国債、借入金、政府短期証券の合計。20年11月1日時点の日本人の人口推計値(1億2320万人)で単純計算すると、国民1人当たりの借金は約987万円。1000万円の大台が目前に迫っている。
国の借金、最大の101兆円増 コロナ対策で1216兆円―20年度末:時事ドットコム https://t.co/r7AnUFASoz @jijicomより
— 石川良直 (@I_yoshinao) May 11, 2021
と、またしても「国民1人当たりの借金」と、明らかな虚偽報道を行っています。
国債を発行したということは、国民の預金に入ったということですから、「国民1人当たりの貯金」です。
もちろん、赤ん坊を含めた国民の多くはそのような預金残高になっていませんが、それは富裕層がたくさん持っているわけで、マスコミはその格差を報じるべき。
その意味でも、マスコミの報じ方はおかしいのです。
Web掲示板スレッドです。
【経済】国の借金、最大の101兆円増 コロナ対策で1216兆円 20年度末 [田杉山脈★]
https://t.co/NXFlyOUiKG pic.twitter.com/S1adE0UfO9— 石川良直 (@I_yoshinao) May 11, 2021
主なコメントを引用します。
4名刺は切らしておりまして2021/05/10(月) 19:03:18.66ID:qF9KWn3s
1900兆円個人金融資産あるだろう
個人金融資産の伸び率の方がおおきいから、問題なし6名刺は切らしておりまして2021/05/10(月) 19:06:39.04ID:P7ttRcos
金ばっか使って有効な事は何一つしてない7名刺は切らしておりまして2021/05/10(月) 19:09:23.86ID:QgdwWu+K
しかし20年度のコロナ対策費30兆円積み残し10名刺は切らしておりまして2021/05/10(月) 19:13:14.09ID:DuCcjT7W
>>1
これだけ金をばらまいてもインフレにならないのだからな。
コロナが落ち着いたら、軽減税率を廃止して、政府紙幣を当座の財源にして、
定額給付金を月1万配ろうよ。11名刺は切らしておりまして2021/05/10(月) 19:21:32.16ID:0QeRwQUL
国の借金じゃないだろう
政府の国民からの借金だろう(笑)13名刺は切らしておりまして2021/05/10(月) 19:30:48.57ID:eun7tyHK
日銀保有の国債も激増中だし、MMTに舵きったと見るべきやろ24名刺は切らしておりまして2021/05/10(月) 20:22:55.00ID:w1qdPVQn
しかし、財務官僚って、いつになったら、主権者様に対して、このようなヘイトスピーチをやめるんだ?
やっていいこととやっちゃいけないことの区別もつかないバカの集まりが、財務省ということでいいんだな?
これは立派な人権侵害です。47名刺は切らしておりまして2021/05/10(月) 21:47:18.43ID:tBt1B5lK
>>1 財政に見合った内容にすべきだろ公務員は。
無駄すぎるんだよ。7割減らせ公務員を。
ということで、今回のコメントは興味深い。
ただ、「11」ですが、日銀が国債を買いまくっているのは、「金融システムの安定」を目指しているということになっていますが、それだけではデフレは解消しません。
財政出動もないのに、「MMTに舵きった」とはいえないでしょう。
今回注目したいのは、「47」です。
「無駄すぎるんだよ。7割減らせ公務員を。」としていますが、これは違うと思います。
見解の相違ではなく、事実として。
日本は実はとっくに「小さな政府」だった
公務員が多すぎる、というのはよく聞く意見です。
しかし、以前、ご紹介した三橋貴明さんの動画では、時短協力金まで支給が遅れがちな現状について、「自治体のマンパワーが足りない。「小さな政府」は、国民を救うための「手続き」をするマンパワーすらが不足する」と、これまた持論である「小さな政府」批判を行っています。
実態は、「日本はOECDの中では一番公務員の比率が小さいことになる(公務員人数が少ないということでは無い)」との指摘があります。
「少ないということでは無い」とありますが、決して「多い」ということではなく、公務員の数そのものの比較ではないということです。
公務員比率が高い国はノルウェー、デンマーク、スウェーデン、フィンランドなど北欧諸国で、いわゆる「大きな政府」の国。福祉を充実させるために多くの公務員が必要なのか、あるいは公務員として雇用すること自体が福祉の一環として考えられているのかもしれない(国による直接の雇用の確保もまた、社会福祉である)。公務員比率が低い国は、日本を筆頭に韓国やトルコなど。
ということです。
公務員は多いのか少ないのか、その実情を国際比較でさぐる(2019年時点最新版)(不破雷蔵) – Y!ニュース https://t.co/4ZnU0Xph8T
— 石川良直 (@I_yoshinao) May 11, 2021
やれ、みんなの党だの、今で言うなら維新の会だのが、ことさら「小さな政府」を求め、立憲民主党も民主党政権時代、まず手始めに行ったのが「事業仕分け」なる“財政再建”のマネごとでした。
これ以上、政府を小さくしてどうするんでしょう。
たぶん、小さい政府のほうがいいように思える人々は、冒頭の「国の借金」という言葉で、マインドコントロールされているのではないでしょうか。
だから、なるべく支出を少なくするために、「小さな政府」がいいと。
財政出動すれば、そんなみみっちい心配もいりません。
そして、公務員は「減らす」のではなく、「仕事をさせる」のです。
もし、かりに公務員が多かったとしても、それは無駄遣いで嘆かわしいことではなくて、公僕の数が多いということですから、国民にとっては本来よいことなのです。
議員についても、同じことが言えると思います。
税金を払って仕事をしてもらっていると思うのなら、ネガティブな叩きばかりせずに、具体的に「こういう仕事をしてほしい」という提案型の書き込みをしたらいかがでしょうか。
以上、「国の借金、最大の101兆円増」(時事通信)という報道に対して「いつまで『借金』と虚偽報道している」と批判が上がっています、でした。
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