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障害を売りにすることへの批判。「欠損女子」バーのキャストが、「私たちに何も提供してくれない第三者に言われる筋合いない」

草野直樹 （かやのなおき）

障害を売りにすることへの批判。「欠損女子」バーのキャストが、「私たちに何も提供してくれない第三者に言われる筋合いない」

「障害を売りにすることへの批判」についての動画が話題になっています。報道リアリティーショー #アベプラ が3月24日に、身体の一部が欠損した女性が接客する「欠損女子」バーを放送。

「障害者を見世物にするな！」「障害者で儲けるんじゃねぇ！」といった中傷があったそうですが、事故で右足ひざ下を切断したキャストのこみみさんは、「欠損BARで働き出して、、足がなくなったという事実を前向きに受け入れられるようになってきた。それなのに、私たちに何も提供してくれない第三者が『不謹慎』とか言ってくる筋合いはないと思う」と反論。

さあ、「批判」しているあなた。どう答えますか。（冒頭のキャッチ画像は動画から）

「欠損女子」バーに「障害者を見世物にするな！」

今回とりあげるのは、『“障害をウリに”はダメ?「欠損女子」バーの想いは…乙武洋匡と考える！』（2021年3月24日放送、ABEMA Prim）です。

“過度な演出や切り取りを完全排除。たっぷり時間をかけて、ニュースの本質を探る報道リアリティーショー”を売り物にしています。

MCは乙武洋匡さん。出演者は、欠損BAR『プッシュドノエル』のキャストである、ぽわんさん、こみみさんら。


「欠損女子」バーというのは何かというと、体の一部が欠損している女性が接客するバーのことです。

動画のナレーションから一部引用します。

お店には、多くの「欠損女子」がキャストとして在籍。

先天的に、肘から先がない人（左手前腕欠損）もいれば、事故で足を失い（右足欠損）義足を付けた人もいるなど、欠損している部分は様々です。

生まれつき、右手の指が欠損しているあもりさん。

接客していたお客さん2人も、手の指に障碍がある方で、互いにある共通した話題で盛り上がっていました。

それは、指がない人のスポーツ、あるある。

レシーブはできるが、指の長さが違うから全部曲がってしまうとか、指を使わないサッカーを勧められたとか。

つまり、指が欠損していることをネタにして明るく話せるわけです。

しかし、4年前にお店に入るまでは、障害のことを隠しながら生活してきたと言います。

「今のお仕事の前は、配達だったりあまりお客様とは関わりがない仕事をしていた。なんか逃げているような感じで」

「多分これ（今の仕事）がなかったら普通の生活をしていたんだろうなと。指がなくてありがたい思いをさせていただいていると思う」と話す。

ところが、例によって、こういう仕事には中傷がつきまといます。

「障害者を見世物にするな！」

「障害者で儲けるんじゃねぇ！」

「ブッシュ（切り株）ドノエルという名前もふざけてる」といった悪口が寄せられたといいます。

まあとにかく、動画をご覧ください。


それに対して、反論しているのは事故で右足ひざ下を切断した、こみみさんです。

「“触れてはいけない”という障害者への意識が前提にあると思うが、少なくとも私は欠損BARで働き出して、自分の居場所というか『生きててくれて良かった』と言われたりしたことで、足がなくなったという事実を前向きに受け入れられるようになってきた。それなのに、私たちに何も提供してくれない第三者が『不謹慎』とか言ってくる筋合いはないと思う」


ということですが、みなさんはいかが思われますか。

自己愛の感動ではなく障害者の生きざまと向き合え

かつて、ミゼットプロレスをつぶしたように、「障害者を見世物にするな！」という一見善意を装って、実は障害者を社会の第一線で目立たせるな、という考え方が我が国にはありますよね。

その一方で、障害者の90％は嫌がっている『24時間テレビ』は必ず放送する。


「障害者に感動してあげるアタシって素敵」というダシに使いたいんでしょうね。

いわゆる感動ポルノです。

感動するかどうかは主観の問題ですから、それだけで良し悪しは述べられませんが、自分の美学ではなく、障害者の生きざまをきちんと見ていただきたいですね。

以上、障害を売りにすることへの批判。「欠損女子」バーのキャストが、「私たちに何も提供してくれない第三者に言われる筋合いない」、でした。


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