ひろゆき氏「年収600万円で国から受けるサービスと払う税金同額になる。サラリーマン平均年収400万とかだからほとんどの日本人はお荷物」発言が話題です。炎上商法で何か物議をかもそうという意図かもしれませんが、少なくともMMT音痴の本性が垣間見えます。
皮相的な「脛かじり」論
ひろゆき氏が、ネット民を挑発するつもりか、またまた物議をかもす発信を行い話題になっています。
年収600万円ぐらいで国から受けるサービスと払う税金が同額になります。
政府の歳出が102兆円。国民一人当たり100万円の支出。600万円で所得税30万円、住民税30万円、社会保険料86万円を抜いて、手取りが455万円。
455万円の10%消費税で45万円。
30+30+45=105万円社会保険料は税金じゃないのです。
— ひろゆき, Hiroyuki Nishimura (@hirox246) February 16, 2021
ひろゆき「基本的には大体お荷物なんですよほとんどの日本人は。だいたい年収ベースでいくと600万ぐらい稼いでないと、払ってる税金よりもらってるサービスの方が多いんすよね。要するに600万円くらいあると年間に120万円くらい税金はらうことになるんすけどー、そうすると国に対して120兆円の予算の1億分の1くらい払ってると、プラマイゼロぐらいなんすけどー、だいたいサラリーマンの平均年収て400万とかで、実は税金払ってる額より日本の国の政府からもらってるサービスのが多いんすよ。なので、生きてるだけで脛かじりなんすよね(笑)そして、これがまとめ記事です。
なので多くの人が脛かじりなので、脛かじりであるって自覚をしてる方がまだマシだと思うんすよ」
ひろゆき「ほとんどの日本人はお荷物なんですよ、大体年収600万くらい稼いでない人。払う税金よりも貰ってるサービスのほうが多い [Anonymous★]
https://t.co/JLvvahAfBd pic.twitter.com/od05KMG52D— 畠中由宇・相互フォロー100% (@hata_follow) February 17, 2021
いくつかコメントを抜粋します。
2名無しさん@恐縮です2021/02/16(火) 23:06:37.43ID:bUVFX/Gc0
日本に税金払ってない奴は黙っていろ8名無しさん@恐縮です2021/02/16(火) 23:07:38.09ID:Fkxe2KYc0
ひろゆきは賠償金30億以上払わないクズだけどな9名無しさん@恐縮です2021/02/16(火) 23:08:05.79ID:2AKLFpzT0
税金収入から運営してるとでも思ってるんだろうか
貨幣価値の調整だぞ17名無しさん@恐縮です2021/02/16(火) 23:08:51.31ID:+NR09BOQ0
そのサービスに従事している人たちのほとんどが
年収600万ないんだけどね18名無しさん@恐縮です2021/02/16(火) 23:08:56.36ID:enzVViQf0
その600万とやらをどうやって稼いだか説明してみろ20名無しさん@恐縮です2021/02/16(火) 23:09:26.09ID:hR2T9kmR0
全員が年収600万の社会なんてあり得ない事も知ってんだろ
それ以下はお荷物だと思うなら少子化万歳って叫んでろ32名無しさん@恐縮です2021/02/16(火) 23:11:04.31ID:c0mXi8nX0
ひろゆきちゃんは納税でしか国家に奉仕できないと思ってるの?
だとしたら公務員は納税額よりサラリーの方が大きいから、全員お荷物になるで?
総理大臣だってそうなっちゃうよ68名無しさん@恐縮です2021/02/16(火) 23:14:06.08ID:6jW62NkD0>>73
600万以下全員消えれば日本が豊かになるんだね?114名無しさん@恐縮です2021/02/16(火) 23:19:18.12ID:k7GUot8D0
もらってるサービスとは具体的に何だ?
受けている恩恵はサービスではなく権利だろう。
特に水、ガス、電気などは生存権という権利だ。
サービスというのは必要最低限の生活が保証された前提での付加価値だよ。135名無しさん@恐縮です2021/02/16(火) 23:20:59.58ID:SUFF/yMs0>>159
でた馬鹿理論。
払ってるのは所得税だけじゃないだろ。
間接的にいろんな税金を払ってるのに頭悪いな。
会社は社員が働いた利益で税金払ってるし。
お荷物と言ってる人間が存在しなかったら国はもたんわ。160名無しさん@恐縮です2021/02/16(火) 23:23:21.03ID:hpvlK+oa0
税金だけ見ればそうだけど、
大企業の正社員がいい待遇もらえるのって、
非正規を安く、かつ、フレキシブルに使えたり、
下請けに安く発注できるからなんだよねwww
だから、逆に行政サービスくらい、多めに受けられないと
逆に不公平だよw
こんな感じで、まあほとんどは否定的なコメントですが、まさかあなたはひろゆき氏の話を「そのとおり」だと思ってはいないでしょうね。
あまりにもベタなマジレスで恐縮ですが、国の「サービス」は、日本国憲法にある基本的人権(特に生存権)の保障の観点から、生活困窮者や障碍者はもちろん、子ども、定年退職の高齢者も含めて全国民を対象に一般的な生活問題の解決を目指すものです。
「サービス」はもともと社会的な資産、インフラや理念など先人が築いたものを前提としているわけですから、現在いくら税金を収めたかなど関係なく、本来国民は誰でも等しくそれを享受する権利があり、いずれにしても納税が少なければ「脛かじり」ということではありません。
どうしてもその言葉を使いたいのなら、現代人は納税額に関係なく、先人の遺した「脛」をかじっているのではないでしょうか。
コメントに書かれているように、労働力の対価というのは社会的な事情によるものですから、600万円にならなくても、1200万円の仕事よりも価値がないというわけではありませんし、その従事する仕事は社会のために必要です。
ではその600万円にならない仕事の人々が、社会の「お荷物」かといえば、むしろその人々がいなくなったり、その仕事がなくなったりしたら社会は成り立たなくなるんじゃないですか。
だいいち、600万円以上の人々の報酬の源泉は、まさに「お荷物」の人たちの消費にもよるものでしょう。
それに、税金を収めているのは個人としてだけではありませんよ。
会社員が働けばその成果物による収入にも税金はかかっています。
「法人税」は、当たり前ですが600万にならない社員を含めた労働の成果に対するものです。
冒頭のひろゆき氏の発言は、その試算は含まれていないようですが、どうなんでしょうね。
そもそも計算自体しているかな。
よく、障碍者は生産力がなくサポートでお金を使うから社会の邪魔だ、というネット民の唾棄がありますが、障碍のある人が介護福祉事業の雇用を創出し、その「理解と支援」のニーズがバリアフリーなど妊婦や高齢者や子どもにも優しい、つまり社会のインフラを発展させる契機である現実をどう見るのでしょう。
ですからね、誰かが誰かを食わせているとか、誰かの脛をかじるとか、社会と人の営みを考えれば、全く皮相的な主観に過ぎません。
MMTは税収を財源とする見方はしていません
ところで、コメントの中の「9」はとくに興味深いと思いました。
「税金収入から運営してるとでも思ってるんだろうか/貨幣価値の調整だぞ」というのは、まさにMMTのロジックです。
MMTは「スペンディングファースト」といって、税収を財源とする見方はしていません。
独自の解釈ではなく、客観的な事実です。
確定申告で税収が確定しなくても、春先までに国会で予算は決まるじゃないですか。
毎年国債を発行しているじゃないですか。
何度も書いてきましたが、徴税の役割はおおまかなところで、本来以下のようなことが考えられています。
- インフレ抑制
- 格差の是正
- 円の通貨としての価値を担保する
- 社会秩序を守るために利用する
……MMTによる国債発行のコントロールはインフレ率による
……累進課税によって富裕層と中流層・貧困層との格差を広げないようにする。そもそも富裕層にとっての税は、同額であっても中流層・貧困層よりも犠牲が少ない
……納税義務を貨幣(円)で果たすことで、その貨幣に価値(需要)が生まれる
……お酒やタバコに税金をかけることで、需要をコントロールすることができる
ひろゆき氏は以前も、10万円の再給付について、「政府のお金って基本的に国民のお金を預かって、国民に戻すので、さっさと配っちゃえばいいと思う」との「私見」を述べていました。
これもまさに、「財源は税収」というプライマリーバランスの価値観に基づいたロジックです。
しかし、この呪縛に囚われている限り、消費税という国民の消費全体に投網をかけるような「効率の良い徴税」を否定できません。
昨今も消費税減税どころか増税の気配まで取り沙汰されていますが、結局それは消費がますます冷え込み、肝心の税収を減らしてしまうというパラドックスに陥るのではないでしょうか。
昨年10月の消費税増税で、景気悪化し税収が前年より2兆円も減!
増税派ってつくづくバカ…??日経はコロナのせいにしてますがその影響本格化は4月から。この税収減の主犯は明らかに消費増税です。
やはり97年増税と同じ事態…..
税収増やすためにも消費減税は必須です!!https://t.co/c8G8ebR6T9— 藤井聡 (@SF_SatoshiFujii) July 4, 2020
みなさんはいかがお考えですか。
以上、ひろゆき氏「年収600万円で国から受けるサービスと払う税金同額。サラリーマン平均年収400万だからほとんどの日本人はお荷物」、でした。
財政赤字の神話 MMTと国民のための経済の誕生 – ステファニー ケルトン, 土方 奈美
MMTとケインズ経済学 [ 永濱 利廣 ] – 楽天ブックス