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サプリメントでがん患者の生存率が改善するのでしょうか?怪しげな抗がん健康食品を連想してしまいますが「する」という報告も

サプリメントで、がん患者の生存率が改善するのでしょうか?怪しげな抗がん健康食品を連想してしまいますが、「する」という報告も

サプリメントで、がん患者の生存率が改善するのでしょうか?怪しげな抗がん健康食品を連想してしまいますが、「する」という報告も。もちろん、医学雑誌に掲載された根拠ある真面目な報告です。がん患者でなくても、頭の片隅に入れておいてもいい情報かもしれません。

患者にとってのサプリメントを摂るメリット

もとの情報は、Youtubeの『がん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ』さん。

『サプリメントでがん患者の生存率が改善:最新データを医師が解説』というタイトルです。


ひところ、私たちは、抗がんをうたう「健康食品」でそういう情報は飽きるほど見てきました。

「がんが治った」「マーカーの数値がみるみるうちに下がった」……。

がん患者やその家族にとって、「自分でもなにかできれば」という思いを刺激するコピーでした。

もちろん、それらにエビデンスはなく、中には体験談すら捏造したもので、逮捕された業者も出たほどです。

その頃に比べると、おかしな情報は減りましたが、たからこそ、「やっぱり抗がん剤以外、無意味なんだな」という失望感も正直ありました。

そこで、今回着目したのが、佐藤のりひろ医師の動画です。

佐藤のりひろ医師については、先日、『大腸がんのリスクを高める、慢性炎症を引き起こす食べ物』についての動画をご紹介しました。

大腸がんのリスクを高める慢性炎症を引き起こす食べ物について、がん情報チャンネル・外科医佐藤典宏さんの動画チャンネルが解説
大腸がんのリスクを高める慢性炎症を引き起こす食べ物について、がん情報チャンネル・外科医佐藤典宏さんの動画チャンネルが解説。海外の有名な医学雑誌から、炎症を引き起こす食べ物と抑える食べ物、さらに免疫機能がどうなるかという報告も紹介しています。

今回の動画の説明では、こう記載されています。

がん患者さんにとってのサプリメントの効果・必要性については議論がわかれるところですが、一部のサプリメントには、生存率を改善する効果も認められています。今回は、がん診断後のサプリメントが生存率(全死亡率、がん死亡率、再発率)におよぼす影響について最新のメタアナリシスの研究結果を紹介します。

もちろん、現役の外科医の動画ですから、健康食品の販売者や販売者が雇ったナンチャッテ医学博士とは違い、ためになるお話です。

佐藤のりひろ医師は、運動や食事などのセルフケアのひとつとして、サプリメントを取り入れることはいいことだという立場です。

佐藤のりひろ医師の考える、患者にとってのサプリメントを摂るメリットは、次の5点枚挙しています。

  1. 体力の低下や栄養状態の悪化を防ぐ
  2. 免疫状態を改善
  3. 抗がん剤の副作用
  4. がん治療の効果を高める可能性
  5. 精神的にポジティブになれる

そして、一部のサプリメントでは、がん患者の生存率を改善する効果もあるという報告も紹介しています。

今回の報告は、『がん診断後の生存率におよぼす影響についての最新の研究結果』といいます。

ビタミンやカルシウムに明るい報告が

佐藤のりひろ医師が紹介した報告は、2021年3月、Nutrition and Cancer という雑誌に報告された論文で、『がん診断後のサプリメントの摂取と死亡およびがん死亡および再発との関係システマチックレビューとメタ解析』というタイトルです。

Nutrition and Cancer という雑誌は、がんの発生または予防における栄養因子の役割に関する研究を取り上げた、査読付き医学雑誌です。

2019年4月までに報告された、がん診断後のサプリメント摂取と生存率に関する複数の観察研究とランダム化比較試験を、メタ解析という手法で、様々な種類のサプリメントとがん患者のすべての死因による死亡率、がんによる死亡率、再発率との関係を調査したものです。

それによると、

サプリメントの一部には、がん患者の生存率を改善する効果があるとし、

がん患者全体では

  1. カルシウムの摂取により全死亡リスク12%、がんによる死亡29%、大腸がんによる死亡率34%低下
  2. ビタミンDの摂取により全死亡リスク14%低下

乳がん患者での解析では

  1. 全死亡率がビタミンCで21%、ビタミンDで15%、ビタミンEで14%低下
  2. 再発率がビタミンCで24%、ビタミンEで31%、マルチビタミンで21%低下

したといいます。

医学論文でも注意も必要

メタ解析というのは、同一の研究テーマに関する複数の独立した一次研究を集めて、それらを統合して解析する統計的手法のことです。

ネットで言えば、まとめサイトみたいなものですか。

いや、さすがにそれは、あらっぽいたとえかな。

エビデンスも、その研究の対象もバラバラですから、信憑性という点では、いろいろ意見はあると思います。

そして、上掲の報告は、摂取したサプリメントの量や期間についてもわかっていないそうです。

いずれにしても、額面通り受け止めるものではなく、これを契機として、さらに個別により厳密な研究を行うものだと思います。

それとやはり、量がわかっていないからといって、大量に摂取するのはよくないと思います。

がんというのは、部位によって性質が違いますから、あるサプリメントがよい場合もあれば、逆の場合もあると思います。

それと、抗がん健康食品のような、びっくりするほど高いものは、止めたほうがいいと思います。

ではそれを、どうやって判断したらいいのか。

やはり、主治医に内緒では摂取しないことだと思います。

がん患者がサプリメントを摂取することについては、賛否両論あるようですが、絶対という治療法がないのなら、何でもやってみたらいいと思います。

以上、サプリメントで、がん患者の生存率が改善するのでしょうか?怪しげな抗がん健康食品を連想してしまいますが、「する」という報告も、でした。


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