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中村泰士さんの作曲した『喝采』はレコード大賞を受賞。『天使も夢みる』に始まる桜田淳子のアイドル歌手王道楽曲も提供

中村泰士さんの作曲した『喝采』はレコード大賞を受賞。『天使も夢みる』に始まる桜田淳子のアイドル歌手王道楽曲も提供

中村泰士さんの訃報が話題です。『喝采』は秋のリリースでありながら、下馬評で確実視されていた5月リリースの『瀬戸の花嫁』をひっくり返し日本レコード大賞受賞。『天使も夢みる』に始まる桜田淳子のアイドル歌手王道を歩んだ楽曲も提供してきました。

『喝采』


『喝采』といえば、ちあきなおみの代表曲といってもいいでしょう。

日本レコード大賞を受賞しましたが、リリースされたのは9月で、年末の賞レースには間に合わないのではないかと言われていました。

何しろ、5月には、小柳ルミ子が『瀬戸の花嫁』をリリースしてヒットさせており、その年のレコード大賞は間違いなしと言われていたからです。

それが、大番狂わせで『喝采』の受賞。

『アサヒ芸能』(2013年12月5日特大号)では、「ニッポンの歌姫伝説 本誌厳選BEST50」というタイトルで、歌謡界の歴史にその名を刻んだ歌手たちを写真と解説(キャプション)で紹介。

ちなきなおみの『喝采』が小柳ルミ子の『瀬戸の花嫁』で決まりかけていたレコード大賞を大逆転で制した歴史的歌姫対決
ちあきなおみが、『女性自身』が12月4日発売号で創刊60周年を迎え、有名人たちの「あの人は今」で特集されています。この時期になると思い出すのは、ちなきなおみ『喝采』が小柳ルミ子『瀬戸の花嫁』を大逆転で制した1972年の歌姫対決です。

1972年にレコード大賞を争った、ちあきなおみと小柳ルミ子の対決を振り返っています。

ちあきが所属した「日本コロムビア」は、この年、当時のレコード売上げを更新する「女のみち」(宮史郎とぴんからトリオ)も出していたが、賞レースに関しては「喝采」に一本化。事務所の規模ではルミ子の「渡辺プロ」に対し、めぼしい歌手がちあきしかいない「三芳プロ」では勝負にならない。ただし、老舗のコロムビアと新興の「ワーナー・パイオニア」というレコード会社の争いなら、ちあきの側に分がある。
 情勢が刻一刻と変化してゆくのを、ルミ子の詞を書いた山上(路夫←引用者注)は感じていた。
「今年のレコード大賞は確実です」
 秋口には塩崎ディレクターから聞かされていたが、暮れが近づくと一変する。
「ガミさん、あきらめてください。相手はコロムビアで一丸となっていますから、かないません」(中略)
「私は絶対に『瀬戸の花嫁』が大賞だと確信していたんです」(小柳ルミ子)
 レコ大の会場では、歌い終えた候補者は客席に座ってスタッフと結果を待つ。番組が始まって間もなく、旧知の審査員がこんなことを耳打ちしてきた。
「ルミちゃんは『歌謡大賞』を取ったからいいよね」
 にこやかな物言いながら、それは非情の宣告であった。すでに“勲章”を手にしているから、レコード大賞を逃しても大丈夫だろうというニュアンスだ。
「そう聞いた瞬間、私はショックで腰が抜けるかと思いました。だって、これから発表なのに……」

『喝采』が紹介されると、イントロの部分で、高橋圭三がちあきなおみの実体験(婚約者の死亡)を歌ったと解説。

そして、ちあきなおみが歌いながら涙を流すというシーンのインパクトが強烈でした。

しかし、実際にはそういう人はいなかったそうで、プロレス的なギミックだったんですけどね。

でもまあ、嘘も方便で、そのギミックにふさわしい歌と歌い方で人の心を掴んだのですから、まあよかったのではなでしょうか。

『天使も夢みる』


『天使も夢みる』といえば、70年代~80年代にかけてアイドルの王道を歩んだ桜田淳子のデビュー曲ですが、その作曲者が中村泰士さんです。

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『天使も夢みる』といえば、70年代~80年代にかけてアイドルの王道を歩んだ桜田淳子のデビュー曲です。『スター誕生!』で14人目のプロデビューが決まったのは第4回決戦大会。番組史上最高の25社から獲得の意向を示すプラカードが上がり、番組のチャンピオンである最優秀賞(グランドチャンピオン)を受賞。最高のスタートをきりました...

『天使も夢みる』は、「天使」「夢」という言葉をタイトルに入れた、まさに可憐な少女そのままの歌です。

桜田淳子自身も天使をイメージした衣装をまとって歌いました。レコードジャケットには、エンゼルハットといわれた白いキャスケットをかぶっています。

以来、アイドル歌手としての桜田淳子の曲は、ずっと中村泰士さんが担当してきました。

3枚目の『わたしの青い鳥』では、第4回日本歌謡大賞・放送音楽新人賞を受賞。

第15回日本レコード大賞では最優秀新人賞にも輝きました。

後に、おニャン子クラブが『恋のくえすちょん』(1986年11月1日)をリリースしましたが、作曲を提供した見岳章は、この歌のパロディだったと述懐しています。

「この詞は桜田淳子の『私の青い鳥』のパロディ。僕達、おニャン子ではそういう密かな遊びをいっぱいやったな。分る人には分るという。心のせまい人は怒っちゃいそうだけど」(『おニャン子白書』)。

桜田淳子の歌は「くっくくっく」。

『恋の…』は「くっくっくっくっ」だから少し違うのですが、それはともかく、1980年代中盤の大型台風ともいえるフジテレビの一大ブロジェクト、おニャン子クラブにもあからさまに使われるほど、この歌は多くの人に知れ渡っていたわけです。

ほかにも、『北酒場』で日本レコード大賞を受賞しています。

中村泰士さんの生前のご遺徳をお偲び申し上げます。

以上、中村泰士さんの作曲した『喝采』はレコード大賞を受賞。『天使も夢みる』に始まる桜田淳子のアイドル歌手王道楽曲も提供、でした。


ちあきなおみの喝采 おぼえてますか、1972年の大晦日に見せた“伝説の歌唱シーン"…。今こそ、ソロヴォーカルの神髄を! – ちあきなおみ

天使も夢みる – 桜田 淳子

北酒場 – 細川たかし

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