持ち家VS賃貸論争、昨今の識者が軍配を挙げるのは「賃貸」が多かったのですが、宗健さんが「持ち家」とするコラムを発表して話題になっています。『日経ビジネス』の、『持ち家VS賃貸論争、データを見れば結論は出ている』というコラムです。
高齢者の転居が少ないから「持ち家」という単純な結論
決着のつきにくい話題は盛り上がるものですが、ネットでもその一つとされているのは、持ち家VS賃貸論争です。
ただ、昨今の潮流はどちらかというと、“お金を上手に転がす人”は、資産価値が減るものに大金をつぎ込むことはしないという見地から、「賃貸」の方が優勢でした。
中には、「(ローンが終わった)30年後は廃屋に暮らすことになる」(橘玲『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方ー知的人生設計のすすめ-2015』幻冬舎)などと突き放した書き方をしているものもあります。
同書は30万部も売れたと言いますから、影響力は大きかったのではないでしょうか。
ところが、今回は賃貸よりも持ち家のほうが優れている、と断言しているコラムが登場。
話題になっています。
宗健さんの『日経ビジネス』における『持ち家VS賃貸論争、データを見れば結論は出ている』というコラムです。
本文中では、その理由をこう書いています。
世の中の人々は持ち家を選択する人が圧倒的に多く、中高年になればほとんど引っ越さなくなる、ということになる。
世の中の人々の行動の結果では、持ち家vs賃貸論争は、持ち家派の勝利という結果になっているのである。
その根拠として、「国立社会保障・人口問題研究所が16年に実施した第8回人口移動調査」では、年齢が高くなるほど引っ越しが急激に低下することを挙げています。
つまり、どっちが得か、ではなく、どっちを選ぶ人が多いか、というコラムというわけです。
うーん、でもそれって、従来の論点とは違うし、多数決が正解というものでもないと思うのですが……
これがまとめサイトです。
【社会】「持ち家VS賃貸」論争、データを見れば結論は出ている [ボラえもん★]
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主なコメントをご紹介します。
6ニューノーマルの名無しさん2021/03/04(木) 13:35:57.95ID:9lNQFZFs0>>41
引っ越したくても持ち家だと引っ越せない
それだけのこと11ニューノーマルの名無しさん2021/03/04(木) 13:37:40.07ID:spbgEPjI0
老人の引っ越さないことと
持ち家がいいかどうかは
何の関係もない
文系はこれだからw12ニューノーマルの名無しさん2021/03/04(木) 13:38:04.77ID:VFzCYpeP0>>24
持ち家とかいう借金王。払い終わっていざ自分の家になる頃には棺桶に片足。家もボロボロ。資産価値もなく子供がいたとしてもいらないと突っぱねられ、土地を売るにも家を壊すにも金がまたかかって大迷惑。16ニューノーマルの名無しさん2021/03/04(木) 13:39:03.65ID:kFJumk0F0
持ち家で戸建て
これが社会生活での信用性の最低条件になってるからな19ニューノーマルの名無しさん2021/03/04(木) 13:39:30.23ID:yOpFjfM40>>44
60歳以上は賃貸追い出されるから
結局、持ち家買うことになる
さっさと買え27ニューノーマルの名無しさん2021/03/04(木) 13:41:32.76ID:alJAGVmj0
圧倒的な差があれば論争なんか起きないわけよ29ニューノーマルの名無しさん2021/03/04(木) 13:41:42.08ID:jqHoJvH10
>「足による投票」
これは適用できないよ。
人々は異なる前提と目標を持つのだから、一律の競争をしていない。
コメントもいいところついてますね。
持ち家が良いから引っ越さないと言うより、そもそも高齢者には家を貸さないので、家を買う、もしくは引っ越せない、ということではないでしょうか。
これは、どっちが良いかを、たんに行動だけで判断しようとした、科学的ではない分析です。
「賃貸」が良いという話も一面的だった
この問題では、冒頭に書いたように「賃貸」派が多いので、もうひとつ例を出します。
ご紹介した、橘玲さんの『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方ー知的人生設計のすすめ-2015』(幻冬舎)は、『持ち家VS賃貸』論争で、『賃貸』に軍配をあげています。
(´・(ェ)・`)幻冬舎のセールでは橘玲氏の書籍がわりとセールになっている。
資産運用・人生設計の『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』とか人気。https://t.co/us4dIeaDtz
マネーロンダリングをテーマとした金融小説の『マネーロンダリング』も有名か。https://t.co/45ArYzchi3 pic.twitter.com/pHspI9tCft
— ??ねこくま@電書ブロガー (@nekoo_kumaa) March 2, 2021
この方は、資産の作り方や運用について定評がありますね。
でも、この問題についてはどうなのかな。
先程も書きましたが、本書によると、“お金を上手に転がす人”は資産価値が減るものに大金をつぎ込むことはしないといいます。
でも、家賃を払い続ければ、現ナマとしての資産が減りますよね。
せっかくローンを組んでも、30年後には廃屋だ、とまで述べています。
しかし、ずっと住んでいれば、外壁や屋根やその他、修理ぐらいしますから、使われている家の寿命が30年とは限らないし、少なくとも人が住んでいる“現役”で廃屋ということはあり得ません。
それに、家にしろ車にしろ服にしろパソコンにしろ、資産価値と使い勝手はまた別のものです。
古くても慣れているから、使いやすいからこちらがいいという選択があります。
家ではありませんが、私は新品でCPUが第8世代のパソコンを使っていてたのに、ヤフオクでいつ壊れるかわからない第3世代のパソコンをわずか7500円で落札できたら、さっそくそれをメインマシンに切り替えました。
それは、落札できたのが、私の好きなThinkPadだったからです。
インターネットの回線ひとつとっても、一軒家なら自分で選べますが、マンションでは選択の余地はありません。
隣りがおかしな人でも、いったん買ったら我慢して住み続けなければなりません。
先程のWeb掲示板まとめさいとのコメント「16」のように、「持ち家で戸建て/これが社会生活での信用性の最低条件になってるからな」という意見や事情もあるでしょう。
ですから、資産価値だけで結論を出されても、個別のケースに対して説得力はないのです。
残念ですが、本書は、他の方が言うほど私は名著とは思いません。
本書は言わんとする結論(意見)がありきで、そこに無理に数字をもってくるので、ツッコミどころがあるのです。
そして、人の価値観というのは、数式で解決するほど浅いものではない、ということです。
まとめ
というわけで、またしても結論は出なかったわけですが、それは当然のことです。
どっちが得かも、どっちが好きかも、しょせん、個々人の事情と心境で答えが変わるものだからです。
「なあんだ」というようなシンプルな結論ですが、上掲のコメント「29」のとおりだと思います。
人々は異なる前提と目標を持つのだから、一律の競争をしていない。
にもかかわらず、多数を結論としたり、うわべの数字だけで損得を唱えてみたり。
それだけで、真実にアプローチするのは難しいのではないでしょうか。
みなさんは、いかが思われましたか。
以上、持ち家VS賃貸論争。昨今の「賃貸」が多かったが、この度「持ち家」と結論が出ているとのコラム登場。しかしその内容は……、でした。
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