日本の祝日は多いか少ないか。オリンピック開催に合わせ、来年に限って3つの祝日を移動させる改正法が27日の参議院本会議で可決・成立。開会式の前後が4連休になるほか、閉会式前後も3連休になることについて、そもそも祝日が多すぎるという声も。
祝日を移動させることの問題点
来年に限って3つの祝日を移動させる改正法ニュースのツイートです。
【東京五輪】来年の開催に合わせ改正法が成立。3祝日が移動し、開会式は前後4連休、閉会式前後が3連休に [記憶たどり。★]
https://t.co/QiRBhItB78 pic.twitter.com/oXrgbQa5C2— 倉持 薫 (@l4ikwgs8) December 9, 2020
東京オリンピックによる交通機関の混雑緩和のため、来年に限って3つの祝日を移動させる改正法が、
27日の参議院本会議で可決・成立しました。開会式の前後が4連休になるほか、閉会式前後も3連休になります。来年の東京オリンピックによる交通機関の混雑緩和のため3つの祝日を移動させる改正法は、
27日の参議院本会議で自民・公明両党や立憲民主党などの賛成多数で可決・成立しました。改正法では、東京オリンピック・パラリンピックが来年に延期されたことを受けて、来年に限って、
▽オリンピックの開会式前日の7月22日に「海の日」を、
▽開会式当日の23日に「スポーツの日」を、
そして、
▽閉会式当日の8月8日に「山の日」をそれぞれ移動させるとしています。これによって、来年は、7月23日のオリンピックの開会式の前後が4連休になるほか、
8月8日の閉会式の前後も3連休になります。また、大会の開催準備の司令塔的な組織として政府が設置している、総理大臣が本部長を務める
推進本部について、設置期限が来年度末まで1年延長されました。
ということで、オリンピック開催が怪しまれているときに、この祝日の移動はいかがなものか、という議論が一つ、
もうひとつは、連休にこだわることに批判的であるだけでなく、 そもそも祝日が多すぎるというものもありました。
>20ニューノーマルの名無しさん2020/11/27(金) 14:20:56.52ID:NP07TnUG0
>こらこら運動会のために暦いじるな!他にやることあるだろバカ議員どもが!
>25ニューノーマルの名無しさん2020/11/27(金) 14:23:21.84ID:TT9CfEUm0
>いくらなんでも祝日をイジリ過ぎだわ
>35ニューノーマルの名無しさん2020/11/27(金) 14:27:51.64ID:C0G91iyc0
>こういうの決めるのは早いんだな
>38ニューノーマルの名無しさん2020/11/27(金) 14:29:35.42ID:4VWDKp4H0
>祝日ずらし最悪にメーワクです
>48ニューノーマルの名無しさん2020/11/27(金) 14:36:01.65ID:i+NZbqYa0
>この状況でも五輪開催進めるとか頭おかしいなw
>61ニューノーマルの名無しさん2020/11/27(金) 14:50:40.05ID:Xz8US3SF0
>来年夏の五輪のための祝日移動はいまから準備
>緊急事態宣言もこれくらいさっさと決めればいいのに
祝日の移動の不都合、必然性は?
今回に限らず、祝日が一部をのぞいて月曜日に動かされ、3連休になっています。
それによって、仕事や学業に影響があります。
たとえば、月曜日に定期外来がある人、学校の時間割で月曜日に当たる授業は、他の曜日に比べて休みが増えてしまいます。
病院側の判断で月曜は祝日でも開けてくれましたが、そのような不公平も出てきます。
学校も、月曜日の時間割に入った授業が消化できないという話を聞きましたが、それは対策を取れない学校が悪いなどという「3連休」支持者の反論もありますね。
対策を取ること自体が負荷であるし、そこまでして3連休にする必然性はあるのか、というのが議論の本質であるはずです。
「その日」だから祝日の意味があるのでは?
そもそも、祝日は「その日」であるから意味があるものです。
10月10日がなぜ「体育の日」かといえば、東京オリンピックの開会式があったんですよね。
成人の日だけは唯一、「連休であること」以外に、動かした方がいい理由があった日だとおもいます。
成人式はもともと1月15日でしたが、大学や就職のため実家を離れている人が、出席しにくい事情がありました。
結論から書くと、私も、「成り立ちの根拠を無視した祝日の移動」や、「観光や今回のオリンピックのために休む」というねらいはいかがなものかと思いますし、「近年の祝日数」も、少し増えすぎて祝祭日としての価値がすり減ってるんじゃないのかという気がします。
連休したければ休暇をとればいいし、とれないならその企業や産業に問題があると考えるほうが順当ではないでしょうか。
休むことを義務付けんばかりの3連休は、企業、金融機関、官公庁が休みで不便になるばかりでなく、特定観光地の混雑が酷くなる、国民一律の「観光振興」にならざるを得ないと思います。
そもそも祝日って増えてないか
「昭和」の時代は、土曜日は半ドンでしたが、結局午後も仕事をすることは少なくありませんでした。
半ドンて言葉、ご存知ですか。
Wikiにはこう記載されていますのでご参考までに。
半分ドンタク(休業)を略して「半ドン」となった。 江戸時代末期、オランダ語で日曜日を意味する zondag という言葉が長崎出島より伝わり、ドンタクと訛って休日や休業を意味するようになった。 1876年(明治9年)に公官庁で土曜半休となった折に、半分のドンタクなので「半ドン」と呼ばれるようになった、と新聞が報じている。
私が最初に働いたのは金融機関(保険会社)でしたが、その頃は第二土曜だけ休みでした。
以来、祝祭日は年々増える一方です。
1969年の祝日は合計12日で、振替休日制度はまだなし。
今年2020年度の祝日・振替休日は17日です。
日曜日に重ならない祝日・振替休日16日です。
それに土休52日を加えると、2020年は1969年に比べて、なんと56日も休日が増えています。
プレジデントオンラインの記事(http://president.jp/articles/-/21927)によると、祝祭日の数が2015年現在で日本は世界第1位(第2位が香港、第3位がシンガポール)
記事では、「祝祭日で休む日本、有給で休むヨーロッパ、意外に休まないアメリカ」とまとめられています。
にもかかわらず、過労死や風呂敷残業といった問題が解決していない我が日本。
観光をねらって「制度」として決まった日に休ませても、真の休日になっていないことを示していると私は思います。
そもそも、休日は観光に使えといわんばかりの制度自体いかがなものか。
コロナ禍にGoToにこだわる強引さに重なります。
それでもやはり、強引に休日を作らないと日本の労働者は休めないものか。
以上、日本の祝日は多いか少ないか、オリンピック開催に合わせ来年に限って3つの祝日を移動させる改正法成立で改めて意見続出、でした。
キャッチ画像
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