MMTに関する『クーリエ・ジャポン』記事が話題です。「政府はいくらでもお金を刷れるの?だとしたら、なぜ税金は必要なの?」。主唱者の一人であるステファニー・ケルトン教授は、その問いに3つの疑問が含まれていると枚挙しています。
MMTとはなんだ
MMT(現代貨幣理論)については、これまで何度か記事にしてきました。
MMTは、ケインズ経済学・ポストケインズ派経済学の流れを汲む、マクロ経済学理論の一つです。
税収や政府債務の額によってではなく、インフレ率で財政を調整すべきとする説です。
我が国で再三言われている、目指すべきインフレ率は2%。
そこに至るまでは、貨幣(の情報)が増えてもいい、それを超えたら税金で調整するという考え方です。
ですから、税金は財源ではなく、インフレ率や経済格差の是正の調整に使われるものなのです。
では、どうやってその貨幣を増やすのか。
現代貨幣論(MMT)では、その金額を書類(通帳)に書き込むだけなので、「万年筆マネー」による創造(信用創造)により起こると捉えています。
つまり、私たちの財布にある実在の貨幣は現実にはわずかで、マネーストックのほとんどは通帳に書き込まれている貨幣なき数字です。情報です。
しかし、現在の主流となっている経済学は、もともと誰かの預金があるから、銀行はその一部を貸し出すことができるという預金又貸し説を土台として組み立てられています。
つまり、お金は「情報」ではなく「限られた物」として捉えられています。
お金を、使い続ければいつか枯渇してしまう限られた物と見る立場からすると、MMTは、まるでお金を勝手に作れる受け入れがたい考え方かもしれません。
そこでよく言われるのが、MMTは従来の天動説と180度異なる地動説というたとえです。
それをお含みおきの上で、今回の質問をご覧ください。
課税や増税は財源ではなくインフレ防止策
『クーリエ・ジャポン』記事によると、「英ブリストル在住の13歳、エイミーの質問」が書かれています。
- 「政府は必要な時にいくらでもお金を刷れるの?だとしたら、なぜ税金は必要なの?」
- 「政府(及び中央銀行)は、お金を刷ってその量を増やして、病院や学校など(資金不足に陥っている)公共サービスに直接お金を渡した方が良いのでは?その方がきっと簡単だし、問題改善につながって良いのではないかと思うのですが…」
それに対して、MMT主唱者の一人であるステファニー・ケルトン教授が、大きく3つの疑問が含まれているとして、次のように回答しています。
- 政府は好きなだけお金を作る(刷る)ことができるのか?
- 政府は必要な時に必要な分のお金(財源)を用意できるのならば、なぜ市民に課税するのか?
- では、政府は本当に好きなだけお金を作り、使ってしまっていいのか?
政府が扱うお金はキーボードでコンピューター上に打ち込むもの(万年筆マネー)に他ならないので、「政府は欲しいものを買う余裕があるのか」という質問に言い換えられるが、回答はイエス。
ただし、それは自国の通貨を管理している政府にのみ適用され、別の通貨で借りている国では機能しない。
課税や増税はあくまでもインフレ防止策。学校や病院など資金不足に陥っている公共サービスを改善するために増税する必要はない
政府は、国の経済スピードリミットまで使うことができる。スピードリミットとは、その国の経済が、投下したお金をインフレが始まる前にどれだけ回収できるか。
国のお金は、個人の銀行残高や天資源のような「使い続ければいつか枯渇してしまうものではない」。それゆえ、「お金が十分にあるか否かよりも、お金に何をしてもらいたいのかを考えるのが重要だ。
これが、元記事とまとめ記事のOGPです。
「政府は好きなだけお金を刷っていいの? だとしたら、なぜ税金は必要なの?」 | クーリエ・ジャポン https://t.co/G3bSUyhElG
— 石川良直 (@I_yoshinao) January 31, 2021
【MMT】「政府は好きなだけお金を刷っていいの?だとしたら、なぜ税金は必要なの?」 13歳の疑問に経済学者のまさかの回答 ★11 [ボラえもん★]
https://t.co/anAE4wgXXr pic.twitter.com/f65cPVtabi— 石川良直 (@I_yoshinao) January 31, 2021
それに対するコメントです。
6ニューノーマルの名無しさん2021/01/31(日) 20:24:31.14ID:Nte5iGxh0>>32
他国から見れば相対的な価値が下がる一方だからな
刷りすぎると1ペソ=100円の時代が来ないとも限らん
バナナが1万する高級フルーツになってまう14ニューノーマルの名無しさん2021/01/31(日) 20:30:39.37ID:/rKRI7ET0>>25>>47
MMTは「インフレにならない限り」都合のいい理論
インフレになったら最悪。
なぜなら税金はインフレを抑えるために徴収されるものであり
その納税に対する見返りはゼロだからインフレ率に合わせて税率設定という税体系になるから、
「インフレになったら税率上がるんでしょ、デフレ脱却なんてとんでもない」
と言う意見が大半になる。あれ? デフレ脱却したかったのに、したくなくなっちゃったw
15ニューノーマルの名無しさん2021/01/31(日) 20:31:01.83ID:oAJbeDxL0>>18>>23>>29
政府がお金を自由に刷れるというのは
MMT以前からの常識だからな(管理通貨制度)。「MMTイコールカネを刷ること」と考えてるアホが多いから
あらかじめ言っとくぞ。26ニューノーマルの名無しさん2021/01/31(日) 20:34:28.42ID:PGud8ZoL0>>30
刷っていいんだけど、分配する公務員が優秀じゃないからどうしようもないのが現状28ニューノーマルの名無しさん2021/01/31(日) 20:34:46.83ID:huE53PAB0>>58>>82
MMTはインフレになりすぎない限り札は刷ったらいいと言う。間違いかどうかはわからない。けど言えるのは無責任な理論だという事。
MMTERくんはインフレしてきた時増税するぞって言われて素直に聞くんかね。
44ニューノーマルの名無しさん2021/01/31(日) 20:38:49.59ID:/rKRI7ET0>>59>>71
>>25
今の徴税率がデフレ状態のベースラインなんだろ。インフレになったら
もっと税率上げるだけってのがMMTの税体系だ景気対策のための財源は国債発行で賄うから、税金とは関係ない
財政出動が少ないというのは、今の税金がどうのというのとは別の話だよ。なので景気対策のために税金を下げろというのは
MMTからするとトンチンカン。
財政出動増やせというのが正しいMMTだ52ニューノーマルの名無しさん2021/01/31(日) 20:41:16.87ID:uqSIAFS+0
>>36
山本太郎が参議院調査室にシュミレーションさせた結果
全国民一律10万円毎月配ってもインフレ率2%には届かないという結果
コメントを見ていると、若干工作員もいるようですが(笑)、善意で観れば、MMTについてはインフレに対する懸念がある、ということですね。
インフレになったらどうするの。
インフレにはいつなるの。
でもね、じゃあ、財務省や麻生太郎財務大臣ならそれがわかるんですか?(笑)
わかるわけないんだ。
それは、自然科学で言うところの複雑系だから。
むしろ、その数値がわからないから信用ならないというロジックは、哲学で言う不可知論です。
インフレインフレと言うけど、いったい日本は緊縮財政のデフレ時代をいったい何年続けているのでしょうか。
「52」にコメントが書かれていますが、山本太郎氏はYoutube動画で、10万円を毎月配っても、つまり12兆円×12=144兆円お金を増やしても、インフレ率2%には到達しないという試算を発表しています。
【みんなに毎月10万円を配り続けたら国は破綻するか?】#特別定額給付金 #新型コロナウイルス #現金給付【れいわ新選組代表 山本太郎】 https://t.co/c638dRiBgX @YouTubeより
— 石川良直 (@I_yoshinao) January 31, 2021
この試算が、絶対正しいと断言できるだけの関連知識は私にはありません。
しかし、MMT論者は数字を出さないという批判は、少なくとも虚偽ということになります。
言ってないことをもとに反論、言っていることを無視して反論、そういう藁人形論法は不毛なのでやめましょう。
みなさんは、どう思われますか。
以上、MMTに関する『クーリエ・ジャポン』記事が話題。「政府はいくらでもお金を刷れるの?だとしたら、なぜ税金は必要なの?」でした。
MMT現代貨幣理論入門 – L・ランダル・レイ, 島倉 原, 鈴木正徳, 中野 剛志, 松尾 匡