緑茶の成分に、糖尿病(血糖値増加)の予防効果がある理由の一端を解明した東北大と同志社大の共同研究が話題になっています。緑茶には、健康効果を期待できる様々な成分が含まれていますが、そのはたらきを具体的に解明するものとして注目されています。
新たに発見した遺伝子「CCDC152」が血糖値増加防止にはたらく
もとの記事は、マイナビニュースです。
『東北大など、緑茶の成分に糖尿病の予防効果がある理由の一端を解明』というタイトルです。
東北大大学院薬学研究科の斎藤芳郎教授、同志社大大学院 生命医科学研究科の三田雄一郎助教らの共同研究チームは6月18日、
- 新たに発見した遺伝子「CCDC152」が、RNAとして作用することで、人体にとって必要だが、増えすぎると血糖値を増加させてしまうタンパク質「セレノプロテインP(SeP)」を減少させる働きがあることを明らかにしたこと
- ならびにCCDC152を「L-IST」と命名したこと
- 糖尿病の予防効果で知られている緑茶に含まれるカテキンの一種である「エピガロカテキンガレート」にL-ISTを増加させ、SePを減少させる作用があることが確認されたこと
などを発表。
詳細は、核酸に関連する物理・化学・生化学を扱う英国科学誌「Nucleic Acids Research」に掲載されたそうです。
Wikiによると、査読付きのオープンアクセスの科学ジャーナルだそうです。
このジャーナルは、DNAやRNAなどの核酸の研究と関連する研究をカバーしているとのことです。
査読というのは、ネットのSNSの書き込みとは違い、何の根拠もなく好き勝手に記載できるものではなく、内容をチェックされる専門雑誌ということです。
東北大など、緑茶の成分に糖尿病の予防効果がある理由の一端を解明 | TECH+ https://t.co/6JOyESccly
— 石川良直 (@I_yoshinao) June 22, 2021
健康診断や、献血の際の血液診断サービスで判明する血糖値。
血液中のグルコースの濃度のことです。
ごはんやパンなど、炭水化物を摂取すると、糖分が体内で消化吸収され、ブドウ糖(グルコース)になり、血液中に入って体のエネルギーになっていきます。
そのため、低すぎると栄養が行き渡らなくなります。
しかし、逆に高すぎると、つまり高血糖の状態が続くと、血管へのダメージが大きくなります。
結果として、脳や心臓などの血管に悪い影響がでる可能性が上がります。
糖尿病、心筋梗塞、肝硬変といった病気にかかりやすくなり、高血糖が長期にわたり持続することで、いくつもの合併症を引き起こします。
その、予防効果があるということです。
緑茶の健康効果は、これまでにもいろいろ報告されていますが、糖尿病の予防効果の仕組みを解明した研究として注目されています。
意見は様々
Web掲示板のスレッドです。
【医学】東北大など、緑茶の成分に糖尿病の予防効果がある理由の一端を解明 [すらいむ★]
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主なコメントを引用します。
8名無しのひみつ2021/06/22(火) 11:40:37.72ID:IrHHqx+3
同志社大ってことは宇治茶で研究してるとか?10名無しのひみつ2021/06/22(火) 11:48:35.98ID:LTeozWGE
この手の話は良く聞くけどシュウ酸の関係で結石体質には苦々しいところがある12名無しのひみつ2021/06/22(火) 12:09:17.99ID:uU7o0bo/
こういうのってさ、詳しく調べたらどんなものにでも
健康効果ってあるんだよ要するに調べたもん勝ちってことよ
だから、消費者はこんな情報にいちいち踊らされる必要はないんだよ
ということで、必ずしも「驚愕一色」というわけではないのですが、いかがでしょうか。
緑茶の健康効果と気をつけるべき点
もともと緑茶には、健康に良いとされる様々な成分を含んでいます。
- タンニン
- カフェイン
- ビタミンC
- ビタミンB群
- ビタミンE
- γ-アミノ酪酸
- フラボノイド
- 多糖類
- フッ素
- テアニン
抗酸化作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、血糖上昇抑制、血圧上昇抑制、コレステロール上昇抑制、整腸作用、消臭作用、がん予防作用
覚醒作用(疲労感や眠気の除去)、利尿作用
美容、ストレス解消、風邪の予防
糖質の代謝
抗酸化作用
血圧降下作用
口臭予防 血管壁強化
血圧低下作用
虫歯予防
脳・神経機能調整
コメント「10」に「シュウ酸」と書かれていますが、緑茶に含まれるシュウ酸は腎臓でカルシウムと結合し、結石を作ります。
結石は普通、便として排出されますが、カルシウムが不足した状態でシュウ酸を取りすぎると、カルシウムに出会えずに血中に吸収され、腎臓にいき、そこで血中のカルシウムと結びついて結石になってしまうリスクが有るということです。
他には、茶に含まれるタンニンの一種のカテキンが、野菜に多く含まれる「非ヘム鉄」と一緒にとると、鉄分の吸収を妨げるともいわれています。
では、どのくらいから「摂り過ぎ」になってしまうのかというと、WHO(世界保健機関)による1日のカフェイン摂取限度は300mgとされています。
緑茶のカフェイン量は100g(湯呑1杯)あたり20mgほどですから、1日10杯程度なら問題ないと思われます。
緑茶を習慣的に飲む人ほど健康になれる
いささか旧聞ですが、緑茶に関しては、こんな報告もありました。
緑茶を習慣的に飲む人ほど、病気などで死亡する危険性が低下することが国立がん研究センターの調査で分かったことを報じているのはテレビ朝日です。
「緑茶」飲めば飲むほど・・・「死亡」の危険性が低下(15/05/07) https://t.co/tn6jY993gr @YouTubeより
— 石川良直 (@I_yoshinao) June 22, 2021
国立がん研究センターが、約9万人を対象に緑茶を飲む頻度と死亡の関連を調査したものです。
1日1杯未満の人が死亡する危険性を1とした場合、1日に1杯から2杯の人は男性が0.96、女性が0.9、1日に5杯以上の人は、男性が0.87、女性が0.83と、緑茶を飲む頻度が多いほど死亡する危険性が低下する傾向が見られました。
またコーヒーについても、ほとんど飲まない人より1日1杯から4杯飲む人の方が、死亡の危険性が低下するということです。緑茶に含まれる、カテキンの血糖値を改善する効果や、カフェインの血管を健康に保つとされる効果などが考えられます。
公式サイトで「9万人」について確認したところ、「平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、東京都葛飾区、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の11保健所管内にお住まいだった方々のうち、がんや循環器疾患になっていなかった40~69歳の男女約9万人を、平成23年(2011年)まで追跡した調査結果にもとづいて、緑茶の習慣的摂取と全死亡・主要死因死亡との関連を調べました」とのことです。
その研究結果を、Annals of Epidemiology 2015年25巻512-518ページに発表したことも報告されています。
まあ、「これであらゆる病気を直して不老長寿だ」と意気込んで飲むのはいかがかと思いますが、食後や休憩、歓談の際に口にする緑茶は、健康によさそうだ、ということを知るだけでも、よい話ではないでしょうか。
以上、緑茶の成分に、糖尿病(血糖値増加)の予防効果がある理由の一端を解明した東北大と同志社大の共同研究が話題になっています、でした。
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