訴訟をご自身で起こしたり、逆に訴えられたりしたことはありますか。私は裁判経験はどちらもあります。訴訟を突然起こされたらどうしますか。ネットであれリアルであれ、ビジネスであれプライベートであれ、トラブルはいつでもあり得るというのが今日の話です。
チャンネル登録59万YouTuberの訴訟経験
マナブさんてご存知ですか。
かつては人気ブロガーで、YouTuberに“転向”しても順調にチャンネル登録者を増やしている方です。
法政大学時代にフィリピンに留学。
卒業後は、プログラミング業に会社員やフリーなどで従事。
ブロガーとして当たると、今度はYouTubeの動画配信を開始しました。
Twitterと連携して登録者をどんどんふやし、昨年からはブログの連日更新が途切れたようですが、今も53万人のチャンネル登録者を獲得しています。
動画の内容は、独立起業の啓蒙が中心です。
そのマナブさんが、以前面白い動画をアップしていました。
自らの訴訟経験を語ったものです。
ところが、なぜか動画は削除。
ただし、動画の導線的な位置づけであるツイートは、まだ残っていました。
あまり表に出ませんが、大半の経営者は裁判とかを経験しています。
ちなみに僕も経験していますが、こういった経験をすると、圧倒的に心が強くなります。傷つかずに成果だけを出すとか無理なので、どこかでダメージは発生します。しかし、1回で慣れますので、全く問題なしですね??— マナブ@仮想通貨 (@manabubannai) July 1, 2019
裁判というと、なにか悪いことをした人が裁かれるイメージがありますよね。
それは、刑事事件の被告人であり、民事裁判は、必ずしも「悪いこと」や「悪人」が被告になるわけではありません。
それどころか、たとえばジャーナリストに自分の都合が悪いことを書かれたからと言って、仕返しに手間と費用の負担を与えようと、言いがかりの裁判を仕掛ける場合もあります。
あおり運転の被害者みたいなものですよ。
そんな馬鹿な、裁判を起こすにはお金と手間がかかるはずだから、意趣返しぐらいでするはずがないと思うかもしれませんが、人間にはいろいろな人がいます。
賠償を取れるような訴訟でなくても、つまり自分が損をしても、相手に打撃を追わせれば満足という手合はいるのです。
訴訟することは権利なので、訴状さえ完成すれば、誰でも訴えることはできます。
マナブさんは大半の経営者は裁判とかを経験しています、と述べています。
ビジネスは利益が衝突することがあるので、その権利をめぐる本来の争いとともに、先程も書いたように感情的な報復としての裁判の経験もあるのです。
しかし、それを恐れていたらビジネスはできませんよ、という話です。
裁判はいつ誰とでもあり得る。トラブルは避けられない。
しかし、それを恐れていたら何もできない。
心配するな。裁判は怖くない。
飲み席でそれを話すと、裁判経験者は意外といて、裁判友だちができる。
対応策もある、ということを話しています。
公私、身分、性別関係なく誰でも「被告」になり得る時代
もとい、ビジネスだけではありません。
正確に言うと、今のガバナンス、コンプライアンス、人権……等々シビアな世の中では、離婚、雇用、相続、商行為、ご近所トラブル、お子さんの学校など、ビジネスだけでなく、私的にも訴訟の可能性は十分にあり得ます。
ただ、とくに企業の経営者やフリーランスで働いている人のトラブルは、多くの人の利害が絡む多額のプロジェクトであり、かつお互いの立場があってかんたんには譲れないので、とくに訴訟にもつれ込む可能性が高いということです。
個人なら、ネットのトラブルだって、訴訟のリスクがあります。
ブログで、芸能人を口汚く誹謗したら、まあたいていは大丈夫ですが、ちょっと神経質な事務所や芸能人だった場合、クレームが入ることもあります。
そこで対応をあやまると、訴訟になってしまうことがあり得ます。
自分が書いたものでなくても、たとえば誰かかが書いた記事のOGPをリツイートしただけも訴えられることはあります。
ブログが、私的な日記だろうが、企業の公式サイトだろうが、アクセス数がどうだろうが、それは関係ありません。
つまり、社会的な地位も立場も、人格も、そして日頃の心がけなども一切関係なく、誰でも「裁判」を起こしたり起こされたりすることがあり得るのが、現代社会なのです。
しかし、裁判というのはお金も時間もかかるのと、民事であったとしても刑事同様「事件」として争うので、「外聞が悪い」と思い込み、当事者は係争中、大変重い精神状態になります。
そして何より、弁護士に頼めば多額の費用がかかります。
精神的なことはともかく、金銭的なものは先立つものがなければたしかに不安になるでしょう。
そこで、マナブさんは『法テラス』を動画では紹介していました。
弁護士費用保険に入っておくと便利
原告にも被告にもなった私の経験で述べると、「法テラス」はたしかに有効ですが、所得が低い人でないと受け付けてくれません。
年収300万円時代とかいわれますが、300万円あったらたぶん法テラスは無理だと思います。
しかも、先方から訴状が届いたらすぐに動くぐらいでないと、時間的に間に合いません。
私なら、弁護士費用保険の加入をおすすめします。
私は、最近各社で発売している訴訟費用(弁護士費用)保険に入ることをお勧めします。
保険は富裕層の贅沢品だとか、情弱を騙す商品だとか言われますが、自動車保険並みの年間3~4万ぐらいで、何百万もかかるかもしれない訴訟の面倒を見てくれるのですから、ご自身の立場でリスクが予想できる方は入られてもいいのではないでしょうか。
私は現在加入していますからね。
それと、友だちへの告白も、人を選んだほうがいいでしょうね。
裁判を抱えている、ということを告白しただけで遠ざかる人がいます。
ま、そういう自己愛な人とは、裁判が終わっても、お付き合いはこちらから願い下げですけどね。
相談ということなら、『弁護士ドットコム』のようなネットの無料法律相談を利用するといいと思います。
訴訟になる前に相談するだけでなく、訴訟になって弁護士に頼んだ後でも、セカンドオピニオンのような成果を期待できます。
基本的には、委任した弁護士を信用することですが、他の弁護士の意見も聞いておくことで、委任した弁護士との話し合いに役立つこともあるかもしれません。
降り掛かった火の粉は適切に処理
ただ、マナブさんのツイートによれば、1度裁判を経験すると精神的に強くなるそうですが、さすがにそれはどうでしょうか。
何度やっても、嫌なものは嫌ですよね。
私の経験は、1度目は報酬不払いの債権回収訴訟です。
弁護士を使わなかったので、訴訟費用(印紙代)だけでしたが、判決ではなく「和解」という形をとったので、その費用は全額自分持ちです。
もう1度は、言いがかり訴訟で被告にさせられました。
まあそもそも事実無根の訴訟理由でしたから論外でした。
通常、訴訟の「和解」内容は一切明らかにしてはならないことになっていますから内容は書きませんが、その件については、和解書だけでなく、答弁書、準備書面、陳述書などを含めて全文をネットに公開して、世界中の人に読んでもらって構わないと私は思っています。
……この私の意向で、どういう訴訟だったか、どういう和解内容だったかはご想像いただければと思います。
というわけで、繰り返しになりますが、裁判は、必ずしも自分に落度がなくても、言いがかりや、相手の一方的な感情だけで根拠もなく起こされてしまうこともあります。
ですから裁判を起こされたからといって、あなたが悪いとは限りません。
もとより、ジャーナリストにとっての名誉毀損や、技術・意匠開発者にとっての著作権等の諸権利など、気をつけなければならないけれど、それを恐れすぎていたら、いい仕事ができないこともあります。
そんなことでめげる必要はありません。
人生は前に進むものだ、という大原則を忘れず、降り掛かった火の粉は適切に処理して乗り越えていきましょう。
以上、訴訟をご自身で起こしたり逆に訴えられたりしたことはありますか。もし、あなたが訴訟を突然起こされたらどうしますか、でした。
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