現代貨幣理論(Modern Monetary Theoryy⇒略称MMT)は昨今話題であり、また話題にすべきケインズ経済学・ポストケインズ派経済学の流れを汲む、マクロ経済学理論の一つです。税収や政府債務ではなくインフレ率で財政を調整すべきとする説です。
よく天動説と地動説にたとえられますが、現在の緊縮財政を旨とする新古典派経済学の枠組みで構築されている主流派のマクロ経済学と、現代貨幣理論は根っこから対立しているため、政策的効果やリスクについて激しく対立しています。
たとえば、私たちの暮らしの財源に対する考え方は、現代貨幣論(MMT)と主流派経済学では正反対です。
現代貨幣論(MMT)では、貨幣は銀行貸出、つまり負債がまずあり、後からその金額の預金が生まれるというのがMMTの土台となる貨幣観です。
ですから、実際の貨幣があるわけではなく、その金額を書類(通帳)に書き込むだけなので、「万年筆マネー」による創造(信用創造)により起こると捉えています。
しかし、現在の主流となっている経済学は、先に誰かの預金があるから、銀行はその一部を貸し出すことができるという預金又貸し説を土台として組み立てられています。
つまり、MMTと主流派経済学では預金と負債の因果関係が正反対なのです。