いたずらオウムの生活雑記(ろう飼い主著) は、タイハクオウムのロウくんと名付けたオウムの飼育記録を4コマにまとめた漫画です。オウムよりインコ派を自認しながら、オウムの飼育環境に気を遣い、飼い主のオウム愛と責任感がよく伝わりほのぼのします。
『いたずらオウムの生活雑記』は、ろう飼い主によるオウムの飼育記録漫画です。
Kindle版です。
表紙には『2015』と入っていますが、『2016』以降も続いている、いわば第1巻という趣です。
成長記録ということもあるので、やはり最初の『2015』をご紹介したほうが良いと思い、本書をセレクトしました。
私は、オウムについては全く知識がないのですが、オウムは主にタイハクオウム、オカメインコ、モモイロインコ、キバタンの4種類が人気で飼われているそうです。
オカメインコは、最近良くSNSで飼育者が画像を上げているのを見かける「トレンド」な鳥のようですが、オウム目オウム科に分類されるのは初めて知りました。
「インコ」でも「オウム」なんですね。
道理で、ペットショップに行ったとき、セキセイインコとのあまりのサイズの違いに、びっくりしたことがあります。
本書によると、本当はタイハクオウムは飼育も大変で個体価格も数十万するもののため希望ではなかったのに、成り行きで飼うことになり、でも飼ってみるとよかった、という話です。
ただ、飼うのにいろいろ苦労するので、名前は「ろうくん」にしたそうです。
そのろうくんとの日々のできごとや気づきを4コマ漫画にしたものです。
これまでも、鳥の飼育漫画はご紹介してきましたが、
今回がもっとも大変そうです。
まあ、ヒメウズラよりも文鳥よりもインコよりもサイズも大きいですからね。
本書は2023年4月25日現在、KindleUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
飼うにあたってはペットショップに相当長い間通った
具体的な特徴は、本書をご覧いただくとして、一般論として言われているオウム飼育の注意点です。
広いスペースを提供する
オウムは自由に動き回ることができる広いケージを必要とします。ケージの大きさは、鳥の種類や大きさによって異なりますが、最低でも身体を広げた状態で翼を広げられる程度の広さが必要です。また、ケージ内には、木の枝やおもちゃ、餌や水の容器などを設置してあげることが重要です。
適切な食事を与える
オウムの食事は、種類や大きさによって異なりますが、主に種子や果物、野菜、穀物などを与えます。また、ビタミンやミネラルを含む栄養補助食品を与えることもできます。ただし、オウムは人間と同じように食事のバランスが重要なので、飼い主はバランスの良い食事を提供するように心がける必要があります。
温度管理に注意する
オウムは体温調節能力が低いため、室温が急激に変化するとストレスを感じることがあります。特に冬場は、暖かい場所に置いてあげるようにしましょう。また、冷房や暖房が効いた部屋に置く場合は、直接風が当たらないように注意してください。
鳴き声の問題に対処する
オウムは非常に騒がしいペットです。飼い主は、隣人や家族の生活に影響を与えないように鳴き声の問題に対処する必要があります。例えば、鳴き声の大きい時間帯には、オウムを静かな部屋に移動する、防音材を使用する、オウムに興味を持つおもちゃを与えるなどの方法があります。
清潔な環境を保つ
オウムは汚れに敏感で、清潔な環境を好みます。毎日、餌や水の容器、およびケージを掃除することを忘れないようにしましょう。
毎日適切な運動を与える
オウムは非常に活発で、定期的な運動が必要です。毎日、オウムを手で遊ばせたり、自由に飛び回らせたりすることが大切です。
社交的な環境を提供する
オウムは社交的な鳥であり、人や他の鳥との交流を好みます。また、孤独になるとストレスを感じることがあるため、他の鳥と一緒に飼うことができる場合は、複数の鳥を飼うことを検討してください。
獣医師の定期的な健康診断を受ける
オウムは健康上の問題を抱えることがあるため、獣医師による定期的な健康診断を受けることが重要です。また、獣医師が処方する薬剤を正確に投与することも重要です。
以上のポイントを押さえて、適切な環境でオウムを飼うことが大切です。また、オウムを飼う前には、その種の性格や特徴を十分に調べ、自分自身がオウムを飼うことができるかどうかを慎重に考慮することが必要です。
つまり、著者は以上のことをクリアして、タイハクオウムのろうくんを飼っています。
もちろん、飼うにあたっては軽はずみではなく、ペットショップに相当長い間通ったことが描かれています。
それはそうです。
個体価格(数十万円)もさることながら、寿命が長いので、責任持って飼いきれるかどうかは、一瞬のひらめき、というわけにはいきません。
人間なら、ひらめきで結婚してその後離婚しても、相手も同じ人間ですから、相手は相手の考える人生を歩むでしょうが、ペットはそうはいかないですからね。
単純な「愛情」では簡単に飼えない
それにしても、今回改めて感じたのは、ペットを飼うということはどういうことか、ということです。
よく、ペットは家族の一員といわれますが、実子を育てるのと共通するところはたしかにあります。
率直に述べてしまうと、「なんで飼育しているんですか」という哲学のようなものを感じさせます。
今回のろうくんは、噛むという行為で意思表示をしますが、スズメがチュンチュンと突くのと違い、あの缶ジュースの缶切りのようなクチバシで飼い主をハサみ、ねじるんですよ!
ウズラのように、片手で握って移動させることもできません。
大きくて力も強いですから。
本書でも、オウムを肩に乗せることは厳禁と忠告しています。
顔は、人間にとって弱くて大切なものばかりですからね。
突かれカマれひねられたら、溜まったものではありません。
放鳥したまま、うっかり寝込んだりしたら大変です。
目を突かれたら、まず失明するでしょう。
洋服だって、みんな穴を開けてしまうそうです。
羽は粉羽といわれるものがあり、抱っこすると、その跡は真っ白になるといいます。
それを吸い込むと肺病のもとだといわれていて、それだけでも飼うことをためらわざるを得ません。
ちなみに、セキセイインコは脂粉が出にくい代わりに尾脂腺が発達しており、背中側お尻の真裏にある尾脂腺から出た脂を嘴にとって体に塗り付けています。
セキセイインコにも、人へのアレルギー物質があり、アレルギー検査では羽毛と糞の両方の項目があるそうです。
並ウズラ、ヒメウズラ、鶏のヒヨコなどは、そうした有害な粉羽がいわれたことはありません。
YouTubeの動画を見ていても、それらを人間の体で遊ばせても、別に白くはなりませんからね。
いずれにしても、ペットとして苦労しながら飼っているのに、「抱きしめる」ことすら身のキケンがあるということです。
寿命も長いので、著者は、ろうくんについては自分のあとの飼い主の心配までしています。
ということは、この後の自分の人生は、全部オウムに捧げてしまうのです。
長い時間も留守できません。
ネットで繋がれなければ、人との関係も切れてしまうそうです。
本書では、人生設計が変わってしまったことも述べられています。
つまり、傍から見ると、飼うことによる「見返り」がありません。
それでも飼うのは、可愛いから飼うとか、懐かないから飼わないとか、そういう単純なうすっぺらい思いではなく、もっと深い業や使命感のようなものなのかなと思います。
みなさんは、いかがお考えですか。
以上、いたずらオウムの生活雑記(ろう飼い主著) は、タイハクオウムのろうくんと名付けたオウムの飼育記録を4コマにまとめた漫画、でした。
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