おいしい緑茶: 緑茶のある暮らし(小野達行著、高島悠編)は、お茶の種類や緑茶(日本茶)の種類、緑茶の選び方、淹れ方を解説したKindleです。普段、私たちが飲んでいる「お茶」がいかにたくさんの種類があるかが改めて確認できます。
『おいしい緑茶: 緑茶のある暮らし』は、小野達行さん著、高島悠さん編で上梓されたKindleです。
おいしいもの発見ミニブックス、というシリーズ名がついています。
本書を簡単に述べると、お茶のハンドブック、もしくはリファレンスマニュアル、といった趣です。
一口に「お茶」といっても、不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(ウーロン茶)、発酵茶(紅茶)の3種類があります。
また、緑茶といっても、煎茶、ほうじ茶、番茶……等々、幾種類もありますが、本書では18種類プラスアルファを紹介しています。
私は、お茶は毎日飲んでいますが、知識としてはなにもないので、「煎茶」と「深蒸し茶」が違うというのは初めて知りました。
さらに本書は、緑茶の選び方や、緑茶を美味しく淹れる方法も紹介しています。
私は、安ければいいやとか、急須から湯呑に注ぐときに、少し時間をあけるといいとか、そのぐらいしか考えておりませんでしたが、そんな単純なものではありません。
いずれにしても、緑茶は私たちの生活には欠かせない飲み物です。
接待用に、食後に、休憩や気分転換に、贈答にと用途は広い。
さらに、健康効果もしばしば取り沙汰されています。
本書は2023年5月2日現在、KindleUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
大福茶は普段から意識せずいただいていた
前述したように、お茶は、不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(ウーロン茶)、発酵茶(紅茶)の3種類に分類されます。
これらのお茶の違いは、その製造プロセスにあります。
みなさんは、その中でどのお茶がお好みですか。
不発酵茶(緑茶)は、茶葉を摘んだ後、直接乾燥させます。
茶葉を乾燥する前に、蒸すこともあります。蒸した茶葉は、茶葉の酸化を止め、茶葉の緑色を保ちます。
不発酵茶は、独特の青々とした緑色をしており、カテキンやビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれています。
半発酵茶(ウーロン茶)は、茶葉を摘んだ後、軽く揉んでから、太陽の下で部分的に酸化させ、その後、茶葉を焙煎して乾燥させます。
半発酵茶は、不発酵茶と発酵茶の中間に位置する茶で、色合いは黄色から茶色にかけて変化し、味わいにも甘みや花の香りがあります。
発酵茶(紅茶)は、茶葉を摘んだ後、完全に酸化させます。茶葉を乾燥する前に、茶葉を揉んで、茶葉の細胞を破壊し、茶葉の成分が酸化しやすくすることで、茶葉を黒くすることができます。
発酵茶は、甘みやコクがあり、紅茶の色合いがあります。
以上のように、不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(ウーロン茶)、発酵茶(紅茶)の3種類のお茶は、茶葉の酸化度合いによって異なる特徴を持つのです。
本書では、緑茶の種類は18種類プラスアルファを紹介しているとご紹介しました。
その中で、寡聞にして初めて知ったのが、大福茶です。
あ、よみは、「だいふくちゃ」と「おおふくちゃ」、どちらも「あり」です。
大福茶は、京都に古くから伝わる慣わしで、新年に無病息災を祈っていただく縁起のお茶だそうです。
梅と昆布に煎茶を注いでいただきます。
いや、それだったら私、ふだんもやってますよ。
梅干しのクエン酸をアルカリ食品のお茶が和らげるんです。
ということは、意識せずに大福茶をいただいていた、ということになりますね。
天暦5年(951年)、京の都に疫病が流行したときに、六波羅蜜寺の空也上人が、お茶を振る舞ったところ、疫病がおさまったといわれているそうです。
ちなみに、六波羅蜜というのは、大乗仏教における六種の修行のことです。
布施・持戒・忍辱(にんにく)・精進(しょうじん)・禅定(ぜんじょう)・智慧(ちえ)ですね。
緑茶の健康効果
私が緑茶を飲むのは、その味になじんでいることもありますが、健康効果を考えてということもあります。
緑茶の健康効果は、しばしばメディアでも話題になります。
緑茶は、茶葉を摘んだ後に酸化を抑えるために、蒸し焙煎して製造されるお茶です。
緑茶には、カテキン、テアニン、カフェインなどの成分が含まれています。
これらの成分が、緑茶の健康効果に関連しているとされています。
以下では、緑茶の健康効果について枚挙します。
抗酸化作用
緑茶に含まれるカテキンは、強い抗酸化作用を持っています。抗酸化作用により、体内で発生する活性酸素を除去することができ、老化や慢性疾患のリスクを低下させる効果があります。
血糖値コントロール
緑茶に含まれるカテキンは、インスリンの分泌を促進することで、血糖値を下げる効果があります。また、糖質の吸収を抑制する効果もあるため、糖尿病予防にも役立ちます。
血液循環改善
緑茶に含まれるカテキンには、血管拡張作用があるため、血流を改善する効果があります。血液循環が改善することで、高血圧や動脈硬化などの心血管疾患の予防にも役立ちます。
脂肪燃焼促進
緑茶に含まれるカフェインとカテキンには、脂肪燃焼を促進する効果があります。脂肪燃焼が促進されることで、体脂肪の減少や肥満予防に役立ちます。
免疫力向上
緑茶に含まれるポリフェノールは、免疫力を向上させる効果があります。また、抗菌作用もあるため、風邪やインフルエンザなどの感染症予防にも役立ちます。
脳機能改善
緑茶に含まれるテアニンは、脳波を安定させる効果があり、ストレスを軽減することができます。また、認知機能の向上にも資すると言われています。
抗がん作用
緑茶に含まれるカテキンには、がん細胞を死滅させる働きがあるといわれます。また、緑茶を飲む人は飲まない人に比べ、がんの発症率が低いという研究結果もあります。
どれも実証性が高ければ嬉しいことですが、たぶん、その中でも一番下がいちばん興味深いことでしょうね。
(独)国立健康・栄養研究所内情報センター健康食品情報プロジェクトは、「『健康食品』の安全性・有効性情報ネットからのお知らせ」というメールマガジンを配信しています。
同センターのサイトは、食品・食品成分に関する科学的根拠に基づいた情報の提供を行っています。
その更新情報を、メールマガジンで知らせてくれるのです。
たとえば、緑茶のカテキンのがんに対する有効性情報も更新されています。
同サイトには、「緑茶は現在でも世界でもっともよく飲まれている茶飲料である。緑茶を多く飲む人は、さまざまな疾病にかかりにくいという疫学調査がきっかけとなって、単なる嗜好品というだけでなく、その健康効果がクローズアップされている」とされ、「カテキンを含む緑茶として飲用した条件では、食道がん、膀胱がん、膵がん、乳がん、子宮頸がん、胃がん、卵巣がんなどのリスクの低減に対して、有効性が示唆されている」と書かれています。
要するに、緑茶(カテキン)ががんの予防に有効といえるかもしれない、という話です。
「緑茶として」ということは、カテキンだけでなく、緑茶に含まれるテアニン(お茶の旨み成分)、ビタミンC、ビタミンB2、葉酸、カリウム、カルシウム、リン、マンガンなどによる相互作用と考えるべきですが、いずれにしても、改めて緑茶のがんに対する有効性を議論する契機となりそうです。
まあ、薬ではないので、緑茶を飲んだらがんが治る、なんて考えてもらっても困るし、そういう悲壮感で飲むと、美味しくなくなりますから、美味しくて健康にもいいらしい、という程度の期待度でいいのではないでしょうか。
以上、おいしい緑茶: 緑茶のある暮らし(小野達行著、高島悠編)は、お茶の種類や緑茶(日本茶)の種類、緑茶の選び方、淹れ方を解説、でした。
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